ネイルカラーを11年ぶりにやるとこうなる【御手洗直子のコマダム日記 #194】
一大センセーションを巻き起こした「婚活コミック」著者、御手洗直子さんが結婚して2児の姉妹の母に。あいかわらずのつっこみどころ満載の日々、渾身のひとコママンガ&エッセイでお送りします。
「つっこみが止まらないコマダム日記」#194
今回はジェルネイルにまつわるお話です。
全ての禁忌には意味があるのだ
希望のデザインを聞き、まずは基本の色を塗り硬化、ラインシールを貼りトップジェルを塗って硬化。と一連の作業をこなしてみたが11年ぶりなのでガッタガタである。ああ…なんかそういえば思い出してきた…と様々なコツやらを思い出すのだが、思い出し方が『アッ、コレこうやっちゃダメだったんだ』という思い出し方なので時すでに遅しという感じなのである。ジェルのふき取りをする前にシールを貼るなとか甘皮の近くまでネイルカラーを塗るなとかそういう細かい事だが、禁忌を犯しながら『そうだコレだ~!』と思い出すのである。やってはいけないことを。その結果シールが接着せず浮いたり甘皮との間に段差ができたりでガッタガタになるのである。無念。
私からすればガッタガタなのだが、細かいことは気にしないむすめの満足度には達したようで『ヤッタ~!』と喜んでいる。喜んでくれてうれしいよ…しかし母はオタクなので仕上がりがイマイチな事に心が痛むのである。できることなら引っぺがして一からやり直したい。しかし再度40分の作業にお互い耐えられるとも思えないのでその希望をグッと堪え次は次女の番である。長女の希望である『濃い青』とは違い『薄いピンク』希望なのでガッタガタでも目立ちにくい。目立ちにくいが7歳の爪は小さく、さらにものすごい深爪なのでめちゃくちゃ塗りにくいのである。塗るというよりハケでつつくみたいな感じで塗っていかなければならない。基本色を塗って硬化し、小さいネイルストーンを貼っていくわけだが前座40分の作業のあとではもう体力がキツいのである。み、みえない…。
弱っている母に代わり長女が次女の爪にラインストーンを並べてゆく。姉が妹のネイルを施術するというわりと優雅なシチュエーションであるがヘトヘトであると優雅に鑑賞できないのである。ついでに乱れた子ども部屋で作業しているので映える写真も撮れないのである。映える写真にはシチュエーションだけでなく体力と整頓された部屋が必要なのだ。
美しく並べられたストーンの上にトップジェルを塗り硬化させ、と1行で済ませているが長女からの慣れない一連の作業は計1時間半を超えたが完成した。ヤッタァアアアア!
が、完成後1時間にて次女のネイルが2枚剥離し、翌日までに姉妹とも半分以上のネイルが剥がれ落ち、そういえば下地とかサンディング(ジェルネイルを塗る前に下処理で行う爪やすりのこと)とかあったなあ(やってない)と思い出すのであった。(おわり)
御手洗直子
Profile pixivで大人気。累計閲覧数1100万を誇る爆笑コミックエッセイスト。なんでそんなにネタ満載人生を・・・という謎の人。既刊に「31歳BLマンガ家が婚活するとこうなる」「31歳ゲームプログラマーが婚活するとこうなる」(共に新書館)、「腐女子になると、人生こうなる!~底~」(一迅社)、「つっこみが止まらない育児日記」「さらにつっこみが止まらない育児日記」(ベネッセコーポレーション)など。たまひよのサイトで、数話限定公開中。
御手洗直子X(旧twitter):mitarainaoko