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「突然、財源が!と言い出した」103万円の壁議論を経済のプロはどう見ている?

文化放送

11月11日(月) 寺島尚正アナウンサーがパーソナリティを務めるラジオ番組『おはよう寺ちゃん』(文化放送・月曜日~金曜日 午前5時00分~9時00分)が放送。月曜コメンテーターで経済評論家の上念司氏と、年収103万円の壁について意見を交わした。

これは定期的に行われていたことです

寺島アナ「自民党と国民民主党は所得税がかかるようになる基準を指す「年収103万円の壁」を引き上げる議論を始めました。所得税は年収103万円まではかかりません。国民民主党は10月の衆議院選挙でこの基準を178万円に上げる公約を掲げました。衆議院選挙で過半数の議席を得られなかった自民、公明両党は国民民主の求める政策を受け入れることで、政権運営への協力を取り付けようと動き出しています。103万円の壁の見直し、最初の試金石です。国民民主の公約が実現した場合、年収100万円台のパートタイマーの手取りはどのくらい増えるのか、第一生命研究所が会社勤めの夫を持つパートタイマーの女性のケースを試算したところ、年収110万円なら手取り増は1万円。年収150万円なら4万円、年収180万円では11万円でした。パートタイマーで年収150万円以上の人は大企業で27%、中小企業で22%に過ぎません。7割超の人にとって手取り増の効果は5万円に満たないと言います。上念さんは103万円の壁議論をどう見ていますか?」

上念「これは1995年まで、まだ日本が戦後からずっとインフレが続いていた頃においては、定期的に行われていたことです。だから、玉木さんが何か新しいことをやるということではなく、平成6年ぐらいまでは普通にやってたことです」

寺島「はい」

上念「何年かに一回見直しをしましょうと。なんでかというと、インフレで給料が上がるから、実質増税効果で政府が税金を取り過ぎているので、これを返さなきゃいけないということで、基礎控除の金額は随時引き上げられてここまで来たわけですよ。ところが、それ以降デフレになって、給料が増えないものだから、やらなくていいやと30年サボったんですね。でも、もう今インフレ始まったでしょ。2020年以降、インフレモードになって4年ですよ。それで、これを復活しようよと言ったら、突然「財源が!」とか言い出したんですよ」

寺島「ええ」

上念「1995年まで、平成6年までは誰もそんなこと言ってなかったんですよ。昔の大蔵省ではそんなこと言ってなかった。デフレが終わった後の財務省は「財源が!」とか言って、ご説明回って、全力妨害で、と。自民党も公明党もやっと重い腰をあげて、本気で議論するようになったみたいな感じですけど。よく考えてみると、昔こんなこと言ってなかったでしょ、それで終わりだと思うんですよね」

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