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「ヒーローになる」ということ 『TO BE HERO X』ナイス/リン・リン役・花江夏樹インタビュー①

Febri

TOPICS2025.05.07 │ 12:00

「ヒーローになる」ということ 『TO BE HERO X』ナイス/リン・リン役・花江夏樹インタビュー①


4月に放送がスタートした『TO BE HERO X』は、bilibiliとアニプレックスがタッグを組んで制作する完全オリジナルアニメ。さまざまなヒーローが登場する本作は、エピソードごとに主人公が切り替わる群像劇として注目を集めている。第1話から第4話の主人公であるナイス/リン・リンを演じた花江夏樹のインタビュー前編では、壮大なプロジェクトや世界観、そしてナイス/リン・リンの人物像について聞いた。

取材・文/福西輝明

※本記事には物語の核心に触れる部分がございますので、ご注意ください。

TO BE HERO Xインタビュー_TOPICS声優花江夏樹

中国と日本のアニメ技術の融合に対する期待

――『TO BE HERO X』にメインキャストのひとりとして参加することになった際の思いについて聞かせてください。
花江 bilibiliとアニプレックスがタッグを組んでアニメを作るという時点で、これまでにない大規模な企画になるのではと感じました。また企画書を拝見したときに、それぞれのアニメ制作の技術や魅力的な部分が融合して、きっと面白いものができるに違いないという期待もありました。今作には10人のヒーローが主人公として登場するんですが、僕が演じるナイスはそのトップバッターです。非常に豪華な出演キャストの中で重要な役割をいただきプレッシャーもありましたが、それ以上にうれしさのほうが大きかったです。

――第1話から第4話の「ナイス編」は3Dアニメとして描かれましたが、合間にアメコミ風の2Dアニメに切り替わる演出もありました。それも踏まえて演じる際に意識したことはありましたか?
花江 一見すると登場人物はアニメキャラらしいデザインなんですが、3Dで作られているので不思議とリアリティも感じる。そんな独特の雰囲気を持つ作品なので、収録の際も洋画の吹き替えに近い表現のほうが映像にマッチするかもしれない、と考えながら役作りをしました。ただ、合間に2Dアニメのカットが挟まれたりするのでアプローチの仕方が難しくて。大幅には変えていませんが、要所で「洋画のようなお芝居」を意識しました。

「企業の思惑がヒーローを生み出す」独特の世界観

――本作では、人々から寄せられた「信頼値」がヒーローの力になるという設定をベースに物語が描かれています。この独特な世界観に触れた印象は?
花江 やっぱりその特殊な世界観に心惹かれました。たくさんの人々から信頼を集めれば一般人でもヒーローとしての力に目覚めるし、信頼を失えばパワーを失ってしまう。本作の世界では、そうして力を得たヒーローが多く存在しますが、そうした社会背景の裏側が描かれているのも面白いですよね。たとえば、企業が大々的にイメージ広告を打つことで、人々の印象を操作したり注目を集めてナイスのようなヒーローを作り上げている、とか。王道的な要素だけでなく、その裏にあるリアルな実情も描ける、秀逸な設定だと思いました。

その点、第2話に登場したナイスの宿敵・キング・デストラクションは印象的な存在でした。ナイスとキング・デストラクションは、かつて一緒にヒーローになろうと努力してきた親友同士なのに、企業の方針でライバル同士の設定にされ、挙句の果てにキング・デストラクションはナイスの引き立て役にされてしまうという。表面上は華やかに見えるヒーローの活躍も、裏に回ると企業や組織の思惑の上に成り立っている。それでも、ヒーローたちはそれぞれの思いを胸に日々戦っている――。そんな、ヒーローたちの悲喜こもごものドラマも新鮮で面白かったです。

本物のヒーローとなったリン・リンの成長

――第1話から第4話ではナイスの物語が描かれましたが、この「ナイス編」全体を振り返った感想はいかがでしたか?
花江 第1話の冒頭で本物のナイスがビルから飛び降りてしまい、そこからリン・リンという別人がなり代わるという展開に、皆さんも驚かれたのではないでしょうか。ですから表向きは「ナイス」と名乗っていますが、本当は「リン・リン」なんですよね。ヒーローに憧れていたリン・リンは、顔が似ていたという理由でナイスの身代わりとなって活動することになりました。

最初はヒーローの実情に触れて戸惑い、振り回されるだけだったリン・リンが、やがては自分自身の思いに従って敵に立ち向かう決意を固める。そして最後は「ナイス」ではなく「リン・リン」として人々に認められて信頼を集め、本物のヒーローになっていく。そんな彼の心の移り変わりが4話分かけてじっくり丁寧に描かれていたので、演じていてすごく気持ちを入れやすかったですし、第4話の展開にはグッとくるものがありました。それに「多くの人の信頼がヒーローを形作る」という根幹の設定が、リン・リンが本物のヒーローになるという最後の盛り上がりにつながる流れはとても王道的だし、練りこまれたシナリオだと感じました。

花江夏樹はなえなつき 6月26日生まれ。神奈川県出身。アクロスエンタテインメント所属。主な出演作は『鬼滅の刃』(竈門炭治郎)、『ダンダダン』(オカルン)、『SAKAMOTO DAYS』(南雲与市)など。後編(②)へ続く作品情報

好評放送中

©bilibili/BeDream, Aniplex

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