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闘将の軌跡・星野仙一「夢の軌跡」展(2025年3月1日~3月30日開催)〜 野球への熱い魂を感じました

倉敷とことこ

闘将の軌跡・星野仙一「夢の軌跡」展(2025年3月1日~3月30日開催)〜 野球への熱い魂を感じました

2012年、倉敷のマスカットスタジアムにて、東北楽天ゴールデンイーグルスの秋季キャンプがおこなわれ、見に行ったことがあります。星野仙一監督は一塁側ベンチ前にいて選手の練習を熱心に見ていた姿を覚えています。

この翌年、楽天イーグルスはリーグ優勝、さらにセリーグ覇者の読売ジャイアンツと対戦、最終の第7戦で日本一を勝ち取ったのです。星野氏にとって現役時代も含めて初めての日本一でした。

そんな星野仙一氏のゆかりの品々が展示されると聞き、足を運びました。

小学校4年生のときの思い出のグローブから優勝の胴上げ写真やユニフォームまで、100点以上の展示に、星野氏の歩んできた長い道のりを知ることができました。熱い魂のこもった展示についてレポートします。

闘将の軌跡・星野仙一「夢の軌跡」展の概要

展示は2025年3月1日(土)から2025年3月30日(日)まで、倉敷市立美術館のエントランスホールにて開催。

子どもの頃に使っていたグローブ、岡山県立倉敷商業高校のときの写真や新聞記事、選手や監督時代に優勝をしたときのユニフォームなど、星野仙一氏の熱き魂を感じさせる大変貴重な品々が約100点展示されていました。

これらは、2021年に閉館した星野仙一記念館から倉敷市へ寄贈された品々とのことです。

星野仙一氏の人生を感じる品々を見て思いを馳せる

最初に展示場所に入ったときに、目に入ったのは優勝が決まり、胴上げされている星野監督の写真でした。当時のユニフォームやシューズも展示されていて、しかも至近距離で見ることができました。

プロ野球チームを3球団とも優勝に導く偉業を成し遂げた監督にも、倉敷でコツコツ積み上げてきた時代があり、そのゆかりの品々も並べられています。

開催時は春休みだったのもあり、家族で見にきている人もいました。ゆっくりと展示を見ている人が多く、それぞれの心の内で星野氏を思い懐かしんでいるように思えました。

お母さんが小学校4年生のときに初めて買ってくれたグローブ

展示で印象的だったのは「お母さんが初めて買ってくれたグローブ」です。

展示の説明書きによると、これは星野仙一氏が小学校4年生のとき、お母さんに初めて買ってもらったグローブだそうです。当時のお金で1,000円だったとのこと。

お父さんが亡くなった後、お母さんは星野氏と姉2人の子ども3人をひとりで育てていました。お母さんの給料が1か月7,000〜8,000円といわれていたそうなので、相当高価なグローブだとわかります。

買ってもらった星野少年はどんなにうれしかっただろう、初めてグローブに手を入れたときはどんな感触だったのだろうかと想像しました。

小ぶりなグローブで、色は剥げているところが多いですが、保存状態がとても良いように思いました。

実はこのグローブは、星野氏が姉の友人の息子さんに贈っていたそうです。その息子さんが長い間保管していて、星野仙一記念館が設立されるときに戻してくださったとのことです。

星野氏の野球選手としての始まりを物語るグローブでした。

小学校・中学校・高校で倉敷にいたときの星野氏

展示されていた古い本に記載されていた「星野君と定金(さだかね)君」のエピソードから星野氏の小学生時代が垣間見えました。

星野氏の同級生の定金君は筋萎縮症という病気を患っていて歩けません。そこで星野氏が定金君を背負って学校へ30分かけて行っていたとのことです。心優しき星野氏の姿が目に浮かびます。

上の写真が倉敷市立水島中学校の野球部の写真。星野氏は後列の真ん中です。下の写真は倉敷商業高等学校のクラス写真。一番後列の向かって右端が星野氏です。

倉敷商業高等学校野球部の集合写真、星野氏は後列の向かって左から4人目です。当時の新聞記事もありました。惜しいところで負けてしまい、結局甲子園出場はかないませんでした。

新聞に大きく名前が載っていることから、かなり注目されていた選手であるとわかります。星野氏が倉敷出身とは知っていましたが、小学・中学・高校時代のようすは知りませんでした。改めて、倉敷で野球に打ち込んでいた星野氏の姿を感じました。

闘将・星野仙一氏の「夢の軌跡」を感じる胴上げ写真

明治大学を経て、ドラフト一位で中日ドラゴンズに入団。1974年にはリーグ優勝します。リーグ優勝を決めたときの写真です。

この年に、もっとも活躍した投手に贈られる沢村賞を受賞しています。当時の歓喜が伝わってきます。

闘志あふれるプレーから「燃える男」と言われるようになったそうですね。

展示でジーンと胸が熱くなったのは、監督としての三度の優勝と胴上げシーンです。

1988年に中日ドラゴンズがリーグ優勝をしたときの胴上げ写真です。

2003年、阪神タイガース監督としてリーグ優勝を成し遂げます。

そして2013年には東北楽天ゴールデンイーグルスをリーグ優勝と日本一に導きます。星野氏が66歳のときです。

胴上げで宙を舞う星野氏の写真を見ていると、胸が熱くなります。何年もかけて日本一へとたどり着いた闘将の軌跡を、深く味わいました。胴上げされているときの、星野氏の最高の笑顔と、胴上げで宙を舞う姿もよく見るとそれぞれの優勝時で違い、感慨深いです。

おわりに

星野氏にゆかりのある貴重な品々を見て、星野氏の野球魂を尊く感じました。倉敷で生まれ育ち、野球に打ち込んだ青年が、まっすぐに野球人生を生き抜いたあゆみを感じられる展示でした。

星野氏は2018年、70歳で逝去されています。もっと星野氏が考える野球論を聞いてみたかった、と思いを馳せました。

また、星野氏が初めてお母さんから買ってもらったグローブを見て、自分は幼い頃に母からこんなものを買ってもらったな、私は息子に何か心を込めて渡せているだろうかと考えるいい機会になりました。

倉敷マスカットスタジアムでは毎年プロ野球の試合がおこなわれています。これからますます野球を見るのが楽しくなりそうです。

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