全九州総合選手権県予選 バレーボール男子 大分南が鍛えたメンタルで粘りのプレーを展開し頂点 【大分県】
全九州バレーボール総合選手権県予選
男子決勝 4月20日 大分南高校体育館
大分南2(25-12、25-23)0大分工業
近年、し烈な優勝争いを繰り広げている大分南と大分工業。ライバル対決となった決勝戦は、大分南が2-0のストレートで勝利し、頂点に立った。
第1セットから大分南が序盤から流れをつかみ、勢いに乗る展開となった。井手平夏和(いでひら・なお、3年)や嵯峨史都(2年)のサーブが冴え、何度もブレークに成功。攻撃陣は高い打点から次々とスパイクを打ち込み、会場を沸かせた。粘り強い守備で、相手に一度も主導権を渡すことなく、25-12のダブルスコアで圧倒した。
しかし、第2セットに入ると流れが一変。「サーブで崩される負けパターンにハマった」と井手平が語るようにリズムを崩し、1点を追う苦しい展開が続く。それでも選手たちは集中力を切らさず、ボールをつないで粘りのプレーを展開。中盤で逆転に成功し、25-23で優勝を決めた。苦しい場面を勝ち切ったのは技術の高さに加え、気持ちの強さがあったからに他ならない。5年ほど前から取り組むブレイン(メンタル)トレーニングの成果が着実に現れつつある。
チームに勢いをもたらした井手平夏和
県高校総体の前哨戦となる今大会。大分南は1月に開催された県高校新人大会より大きく成長した姿を見せた。中でも注目を集めたのはキャプテンの井手平。サーブ、スパイク、レシーブと攻守にわたって存在感を放ち、勝利の原動力となった。柿原茂徳監督は「今日はまずまずの出来。特に1セット目は井手平のサーブが走って、勢いに乗れた。高校選抜候補合宿に参加したことで技術的にも精神的にも大きく成長し、他の選手にもいい影響を与えている」と目を細める。普段は辛めの評価が多い柿原監督の「まずまず」という好感触の言葉からはチームの状態が上向きであることが伝わってくる。
もちろん、活躍したのは井手平だけではない。宮永晃宏(3年)や芦谷稔(同)、嵯峨など2、3年生に加え、1年生も貴重な経験を積んだ。特に中学時代に大分県選抜のキャプテンを務めたリベロの森山慎平(1年)は今後大きな力になってくれそうだ。試合を通して守備やサーブなど課題も見つかったが選手たちの表情は総じて明るい。井手平は「1セット目は自分たちらしい試合ができた。2セット目で見つかった課題を改善して本戦(全九州総合選手権)でも優勝を目指したい」と力強く語り、さらなる飛躍を誓った。
全九州総合選手権での優勝を目指す大分南
(甲斐理恵)