患者に寄り添う心学ぶ 県立釜石病院で看護体験 命に向き合う中高生、やりがい実感
釜石市甲子町の県立釜石病院(坂下伸夫院長)は14日、ふれあい看護体験を行い、市内の中高生16人が患者への対応や感染防止対策などに理解を深め、命と向き合う仕事のやりがいを体感した。
釜石中、甲子中、釜石高の生徒が参加。白衣に身を包んだ生徒は手洗いや消毒など感染予防対策の重要性を学んだ後、2~5人の班に分かれて病棟や手術室での実習に取り組んだ。
小児科、泌尿器科、緩和ケアなどの5病棟では中高生4人が入院患者の手浴に挑戦。緊張しながらも「熱くないですか」などと声をかけ、丁寧に洗った。患者から「気持ちよかった」との気持ちを表現するうなずきが返ってくると、生徒たちは肩の力を緩めた。
食事の配膳、患者役・介助役となり車椅子による移動を体験したり、食事の介助も見学。現役看護師の岡崎琴音さん(27)が「患者さんと向き合う時、見えているところがすべてではない。ほんの小さなことでも変化があれば、他の看護師、医師に伝えたりする。やることに集中しながらも、いろんなところにアンテナをはるのが大事。看護の難しいところであり、やりがいでもある」と、自分の体験を交えて助言した。
産婦人科の分娩(ぶんべん)業務が休止された同病院では、平日にデイサービス型の産後ケアを開設し、助産師の指導で授乳や入浴などの支援を行っている。この日は休息にやってきた親子がおり、生徒たちは新生児を抱っこする体験も。「かわいい」と愛らしい姿を見つめ、ぬくもりを実感した。
甲子中3年の菊池夏希さん、釜石高3年の伊藤智哉さんはそれぞれ看護師の家族の影響で同じ道を志す。菊池さんは「人に寄り添えるのはすてきなこと。いろんな事に気を付けて、てきぱき動いていてかっこいい」と興味を深めた。伊藤さんは「繊細な仕事のイメージがあったけど、スピード勝負な場面もあると感じた。一人一人に合わせて対応し、ちょっとしたことでも連想して頭を働かせていると知り、新鮮だった。実際の仕事は大変そうというより、楽しい気持ちが強かった。患者さんに『担当してもらえてよかった』と思ってもらえる看護師になりたい」と意欲を高めていた。
髙橋佳世子副総看護師長(教育専従看護師兼務)は「体験を通じて患者さんの笑顔に触れ、やりがいを感じ、職業意識を高めてほしい。誰かのためにできる仕事、医療、看護の道を志し、共に岩手で頑張ってもらえたらうれしい」と期待した。
体験は看護週間(11~17日)に合わせて実施。16日にも行われ、高校生16人が参加した。