純正な素材を使った、自然な味わいの秘密 ユーハイムの神戸工場に潜入!食品添加物に頼らないお菓子作りを見学してきました 神戸市
神戸を代表する老舗菓子メーカー「ユーハイム」から、神戸工場の見学会のお話をいただいた編集部。ポートアイランドにあるユーハイムの本社に併設された神戸工場にやってきました。
まずは身支度を整え、ローラーや風圧で入念に埃を落とします。手洗いや消毒もしっかりと行い、いざ工場内へ。すでにこの建物に入った段階で、ほんのりとバターの良い香りがしました。
各フロアを巡ると様々なお菓子や「神戸牛のミートパイ」、期間限定のロールケーキなどが作られていました。お菓子がたくさん並んだ様子は圧巻。
使っている材料については社外秘ということでしたが、ストックされているものを見ると…バターや砂糖、小麦粉など、どれも「良いもの」を使用されている印象。特にバターは品質・産地にもこだわっており、型に塗るための一部を除き、お菓子自体にはバターしか使っていないそうです。
■ユーハイム「/0(スラッシュゼロ)」の取り組み
ユーハイムでは添加物に頼らないお菓子作りを掲げ、そんな自社の商品を『無添菓(むてんか)』と呼んでいます。実はケーキを膨らませるために使うベーキングパウダーなども食品添加物。そのため、代表商品・バウムクーヘンもベーキングパウダーなしで作られています。
「/0」のスラッシュとは、食品表示の「原材料名」欄で添加物を使用した時に「原材料」と「食品添加物」の間に表記がルール付けされている/のこと。スラッシュゼロは、そのスラッシュ以降がない=添加物を使っていないという意味なんです。
「添加物に頼らないお菓子作り」にこだわるべく、メーカーから仕入れるチョコレートなども特別に添加物抜きで作ってもらっているそう。安心安全のお菓子作りに対する創業以来の信念を感じました。
■バウムクーヘン
いよいよ、ユーハイムといえば!の「バウムクーヘン」の焼き上げエリアへ。
焼き上がったばかりのバウムクーヘンがずらり!いっそうバターと甘い良い香りが強まりました。
日本で多く見られるバウムクーヘンは柔らかく、どちらかといえばスポンジに近いものが多いそう。対してユーハイムのバウムクーヘンは、創業時の味を受け継ぐしっかりしたドイツ風。表面が波型になっているのも「これこれ!」という感じですよね。職人さんによる丁寧な手作業は時間を忘れて見入ってしまいました。
■ユーハイムクランツのクリーム塗りを体験
最後に、こちらもユーハイムを代表するお菓子「ユーハイムクランツ」のクリーム塗りを体験させてもらいました。3層になったスポンジにバタークリームをサンド、外側を同じバタークリームでコーティングしていくのですが、これが難しい!
ちなみにすっかりお馴染みの真っ白なクランツですが、外側にアーモンドシュガーをまぶしたのは創業者のカール・ユーハイムさん。日本のバターのおいしさに感銘を受け、純白のバタークリームとアーモンドシュガーのケーキに作り替えました。本場のドイツではクロカントと呼ばれるキャラメリゼしたナッツが使われています。
今回はそのクロカント版も特別に試食させてもらいました。
ゴリゴリ食感とキャラメルのほろ苦さがおいしいクロカント版。対して、いつものユーハイムクランツはバターそのもののおいしさを味わえるシンプルな味。正直どちらもおいしいですが、やっぱり「いつもの方」がしっくりくる気がします。
今回、工場内を回って何よりも驚いたのは、職人さんの手作業の多さ。お菓子工場ということで機械によるライン製造を想像していた筆者はびっくり。
ユーハイムのお菓子が、手作りのようなホッとするおいしさを兼ね備えているのも頷ける気がしました。