東島京「人生に大きく影響を与える作品だと思います」~ミュージカル『チョコレート・アンダーグラウンド』日比谷フェスティバルで歌唱とトークを披露
2025年6月、東京・大阪・富山にて上演される、ミュージカル『チョコレート・アンダーグラウンド』。4月26日(土)に行われた日比谷フェスティバルに出演者たちが登場。東島京、平野綾、岡田浩暉、土居裕子、浦嶋りんこ、まりゑ、小松季輝、佐藤匠、中川賢、陰山泰、石丸さち子が日比谷ステップ広場に登壇し、歌唱パフォーマンスとトークショーを行った。
本作は、日本でもファンの多いアレックス・シアラーの人気小説『チョコレート・アンダーグラウンド』(金原瑞人訳・求龍堂刊)を脚本・作詞高橋亜子、音楽オレノグラフィティ、演出石丸さち子という3人のトップクリエイターによって世界で初めてミュージカル化した作品。さまざまなジャンルの舞台で積極的な活動を行なっている少年忍者の北川拓実が主演を務める。
この日の日比谷フェスティバルでのパフォーマンスは、石丸が役柄や物語を説明しながら、キャストたちが全9曲を歌唱。メインナンバーである「チョコレート・パラダイス」や「ガラクタ市場へようこそ〈露天商バージョン〉」などポップで楽しいナンバーから、平野演じるモファットが心情を歌い上げる「愚かで美しいこの世界」、岡田が演じるブレイズが革命を先導する「切り抜けられるとしたら」、土居が演じるバビおばさんのキュートさが光る「あなたもきっと魔法使い」、そして東島が逮捕されてしまった友達を思って歌う「二人を守って」などのしっとりしたナンバーまでキャッチーで耳なじみの良い楽曲が初披露された。
パフォーマンス後には、東島、平野、岡田、土居、石丸が囲み取材に応じ、本作への意気込みを語った。
まず東島は「今は緊張が落ち着いてきましたが、(この日のパフォーマンス)2回目もあるので、少しでも作品の魅力をお届けできるよう頑張りたいと思います」とパフォーマンスを終えたばかりの心境を語る。まだ本稽古には入っていないというが、「役に入り込みすぎてぼろぼろ泣いてしまいました。2回目はさらに涙を流していければと思っています」と照れ笑いを浮かべながら意気込んだ。続けて、「ここから稽古を重ねて、石丸さんと話し合いをしながら、どんどん濃いものになっていくと思いますし、関係性ができてくるとより鮮やかな曲になっていくと思うので、そこも楽しみです」とこれからの稽古にも期待を寄せた。
革命を先導するブレイズを演じる岡田は、「革命をやるという役なので、かなりヒートしてしまって」と苦笑いでパフォーマンスを振り返り、「ブレイズは過去を反省している人なので、次はもう少し冷静に青年たちと一緒に革命していく姿をお見せできたらと思います」と力を込めた。
平野は「ステージを終えて、いよいよ始まるんだなと『やるぞ』という気持ちが湧いてきました。オリジナルミュージカルの初演なので、たくさんの方に届くように頑張りたいと思います。こういう作品ですというのが今日のステージだけでも十分伝わったんじゃないかなって思います」と笑顔でコメント。
土居も「本当にいいチームだなと感じています。すでに我が家のように居心地が良いので、これから稽古を重ねていくのが楽しみになっています」と楽しそうに話し、「『チョコレート戦争? ファンタジー?』と思ってしまう大人の方もいるかもしれませんが、石丸さんがそういう方向に持っていきたくないとおっしゃっていました。チョコレートがなくなるかどうかというお話ではありますが、その奥にあるものを掴み取っていただきたいと思います」と呼びかけた。
また、演出の石丸は「ずっとやりたかった作品です。入り口が広く誰でも楽しめる物語ですが、読み方によっては大人にとっても奥が深い物語です。これをなんとかミュージカルにしたいと思って、高橋亜子さんとオレノグラフィティさんに最強タッグを組んでいただきました。素晴らしいキャストチームも集まってくれ、良い作品を届けたいと気合いが入っています」と熱く語った。
演出については「てんやわんやでみんなで走ります。みんなで転換をします。でも、繊細なところはリアルな芝居でお見せします」と言及し、「胸が締め付けられたり、甘酸っぱい気持ちになったり、ワクワクしたり、ジェットコースターのように心が動いて、最後は温かい気持ちになっていただけると思います」と自信をのぞかせた。
そして、最後に東島は「世界初演を担う不安とプレッシャーもありますが、僕はこの皆さんとなら絶対に大丈夫だという自信があります。ただのハッピーミュージカルではないので、観る方によって受け取り方も変わってきます。生半可な気持ちで観たらこの後の人生に大きく影響を与える作品だと思います。そうした作品になるよう頑張りますので、ぜひ劇場に足を運んでいただけたら嬉しいです」と呼びかけて、囲み取材を締めくくった。