「やばい」「ひどい」と言われるスーパー銭湯『東京湯楽城』に行ってみた正直な感想 / 成田空港からバスで25分! ただし……
成田空港近辺のスーパー銭湯と言えば『空の湯』が有名である。でも、空の湯は行ったことがあるので、成田空港に来たついでに別のスーパー銭湯はないかと検索したところ『東京湯楽城』というのがヒットした。城とは凄い名前。だがしかし……
「東京湯楽城」で検索すると、関連キーワードに「東京湯楽城 やばい」と「東京湯楽城 ひどい」と表示された。なかなかのトップ2。なんなら予測検索には「潰れる」とも表示される。一体どんな場所なのか? 行って確かめてみることにした。
・衝撃
「やばい」「ひどい」「潰れる」という声には口コミからブログまで存在するのだが、今回は詳細を見ずにいきなり行ってみたい。そういう意見は知りすぎると時にフィルターになることがある。まずは、フィルターを通さず、一旦素の私(中澤)で東京湯楽城を見たいのだ。
成田空港から東京湯楽城へは無料バスが出ているらしい。第1ターミナルだと16番乗り場から。ここは色んなホテル行きのシャトルバスの発着場になっているようだ。
え~と、東京湯楽城へのバスは次いつだろう? あ、これか! 今15時21分だから、「インターナショナルリゾートホテル湯楽城」への次のバスは……
16時35分……
_人人人人人人人人_
> 本数少なッ! <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄
1時間に1本ない。やはり無料バスだからか。そこでタクシー乗り場に行ってみたのだが、運賃を聞いたところ「東京湯楽城までだと5000円くらいかかる」とのこと。
・陸の孤島み
公式サイトのアクセスを見ると、いちおう京成成田駅からもバスが出てるらしいけど、本数は空港からよりさらに少ない。というわけで、1時間ちょっと待ってバスに乗った。現地に着いたのは16時59分だったので、成田空港からは25分くらいだけど、1時間半かかった気分である。
なかなかの陸の孤島っぷりなのだが、さらにインターナショナルリゾートホテルの敷地は広大だった。門をくぐってから坂を上ってバスはホテルの前に到着。それだけ外界と隔てられているだけあって、バスを降りた瞬間から非日常感が漂っていた。
・テンションがもう違う
庭には東屋もあって歩いていると時の流れがゆっくりに感じる。すれ違う人が外国人ばかりというのもこの非日常感に関係しているかもしれない。こんな場所あるんだねえ。
その庭を抜けると大きな建物が見えた。大きすぎて壁みたいになってる。うっすら工場みすら感じたのだけれど、ぐるっと歩いて建物の前に回ってみると……
これが東京湯楽城であった。
デッカイなー。何か良いことでもあったんだろうか。建物の前には奥が遠くて見えないほど永遠と続く噴水。その噴水沿いに歩いていくと、入口への橋がかかっていた。サイズだけでなくテンションがもう違う。何か良いことでもあったんだろうか。
それだけのデカさゆえに、中も凄い。まず入口入ってすぐにシャンデリアがお出迎え。
さらに受付はダンスホールだ。
貴族の館かよ。歩いているだけでRPGゲームでもしているみたい。「ザッザッザ!」という画面切り替わりの音が聞こえてきそうである。なお、入館料は平日1800円で土・日・祝は2200円。タオルと館内着付きなので手ぶらでOK。
・まずは更衣室で着替える
更衣室の奥にリラックススペースがあって一番奥が浴場になっている。ちょっと変わってるように感じたのは、更衣室からリラックススペースへの道が足湯になっていること。しかも、真っ暗だ。真っ暗な廊下の床にお湯が流れているのである。
まさかの強制足湯!? と思いきや、後に、更衣室入口の反対側がリラックススペースに繋がっているのを発見した。
どうやら強制的に足湯を通らねばならないわけではなかった。嫌な人は着替えた後、更衣室を出てダンスホールを渡れば足湯を通らずに進めることを追記しておきたい。そんなわけでリラックススペースに行ってみよう。ザッザッザッ!
・アミューズメント色強め
ホゲエエエエエエ! なんか異世界にやってきた。お食事処やゲームコーナーにステージなどバラエティーに富んだコーナーが通路沿いに並びちょっとしたストリートのようになっている。デザイン的には江戸なのだが、サイバーなカラーの照明がどことなく怪しい雰囲気を漂わせている。ネオ・EDOという感じ。
そのストリートは、言うまでもなく普通のスーパー銭湯よりアミューズメント色強めだ。しかし、端の方には寝ころんだりマンガを読んだりできるフリースペースもあった。温度差がエグイ。
なんなら熊野神社まである。外観の迫力を思い出す広大さ。そのストリートをずーっと奥まで行くと浴場の入口があった。ザッザッザッ!
・浴場
浴場は内湯に湯舟が大小3個くらいあって水風呂とサウナ室がある。露天風呂にはメインの露天風呂の他に壺湯が3個くらいあった。私が入った時、サウナ室は88度で水風呂は温度計がなかったけど多分15度くらいだったんじゃないかと思う。
ひと通り入ってから、露天風呂のリクライニングチェアーに寝ころぶと夕暮れの空が見える。建物に切り取られた空はまだギリギリ青い。ととのいながらこう思った。「丸い」と。
その過不足のなさでパラメーターを書くとグラフが丸くなりそうなのだ。内湯は普通に広いし、普通に露天風呂もある。平均的だ。強いて言うなら、サウナーとしてはリクライニングチェアーが余裕で利用できたところは良かった。
露天風呂のととのい椅子はリクライニングチェアー2個を含めて4個くらいと多い方ではないんだけど、浴場の利用者がそこまで多くない上、家族連れ率が高めで、リクライニングチェアーとかほぼ放置状態なのでサ活がスムーズなのである。
・風呂上りの時間重視のスポットか
ただ、リラックスタイムということで言うと風呂上りの方がむしろととのった。店員さんに聞いた話によると、マンガのある寝ころびスペースの奥からバルコニーに出られるらしい。それで最後に行ってみたところ……
バルコニーが凄い。
なんかカーテンがついて椅子自体がちょっとした部屋みたいになってる貴族的な椅子が並んでいるのだ。さらに、大音量でクラシックがかかっている。この椅子に座りながら色が変わる噴水を見ている時の優雅さよ。
確かに外観と比べると浴場自体は平均点すぎる印象ではあった。ただ、この風呂上りのバルコニーに漂う有閑な空気はここならではのものであると言えよう。
・答え合わせしてみた
というわけで、特にヤバイことやひどいことは感じられなかった。むしろ、どういうところがヤバイと言われてるんだろう? もうフィルターはかからないので、そういったネットの声が指摘している詳細を見てみたところ、まとめると以下のような点があげられていた。
「ガラガラ」
「アクセスが悪い」
「真っ暗な足湯を通る動線が不快」
「サウナあるのに水風呂なし」
「風呂にガッカリ」
「温泉じゃなくてただの風呂」
「浴槽とか館内が汚い」
「客層が悪い」
「接客が悪い」
──などなど。中にはもの凄くキレてる口コミもある。これを行く前に見てたら行く気が失せてたかもしれない。ただ、体験してから見ると、ちょっと違うことを思った。実感を交えた私の正直な感想を以下にまとめると……
「ガラガラ」→ と言うほどではない。良い感じに空いてた
「アクセスが悪い」→ これはそう。車なしで行くのは大変
「真っ暗な足湯を通る動線が不快」→ まあ、気になる人はいそう。でも前述の通り嫌なら通らなくても入れる
「サウナあるのに水風呂なし」→ 水風呂あった
「風呂にガッカリ」→ どちらと言うと外観などが凄すぎる。そこから入ったら風呂が普通すぎるように感じるのは確か
「温泉じゃなくてただの風呂」→ 個人的にはそこまで気にならないけど、源泉がある方が良いのはまあ確かか
「浴槽とか館内が汚い」→ 特に感じず
「客層が悪い」→ 特に感じず
「接客が悪い」→ 特に感じず
──以上。接客が悪いとか客層が悪いなどの声は、人それぞれ感じ方が違うことではあると思うけれど、少なくとも、私が行った時のスタッフさんは普通に説明もしてくれたし、丁寧に案内してくれた。バルコニーも店員さんに聞いたし。
水風呂の件を見ると、多分、施設側で見直した点とかもあるのだろう。風呂を比べると、成田空港近くの『空の湯』が圧倒的に良いというのも不利な点かもしれない。
だが、総合的に見ると独特の雰囲気には面白スポット感を感じる。「潰れる」というのは客が少なすぎることに対する懸念だけど雰囲気は独特なので頑張ってほしいところだ。
・今回紹介した店舗の情報
店名 東京湯楽城
住所 千葉県富里市七栄650−35 インターナショナルリゾートホテル内
営業時間 13:00~22:00
定休日 月曜日
参考リンク:東京湯楽城
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.