港南区在住疋田さん 認知症カフェを新設 上大岡で月1の開催
港南区在住の疋田奈緒美さん(68)が5月11日、ギャラリー伽羅(上大岡西2の10の31)にて、認知症カフェ「いまを楽しむKoKo.カフェ」を初開催した。初回は10人が参加。今後は月1回のペースで開催する。
認知症カフェとは、認知症患者やその家族を中心とした地域住民が交流を深められる場所。港南区内では地域ケアプラザなどで開催されていて、区の職員は「ケアプラ以外の場所で、個人が認知症カフェを行っている事例は認知していない」と話している。
叔母の入院が転機
2015年の7月、疋田さんは母方の叔母が熱中症で倒れて入院するとの連絡を受けた。入院にあたり叔母の家へ訪れた時のことを「ごみで溢れて足の踏み場が無く、すごく衝撃的だった」と振り返る。その後、叔母は認知症と診断。「以前から物忘れが多くなるなどの違和感はあった。もっと密に連絡を取っていれば助けられたかもしれない」と当時の心境を明かした。そして、「母方の親戚に認知症患者が複数人おり、将来自分も認知症になるかもしれない。ならば、自分が当事者になった時に行きたい場所を作りたい」と思うようになった。
そして、2017年頃から認知症カフェの開設を目指し始めた。理解を深めるため、同年に認知症当事者や家族の見守りを行う認知症サポーターの養成講座で講師を務めることができる「キャラバン・メイト」という資格を取得。昨年には精神的な病を抱える人の相談業務などを行える精神保健福祉士も取得した。現在は「KoKo.カフェ」を介護福祉士の知人をはじめとした数人で運営している。カフェの初日に訪れた参加者は「コーヒーを飲みながら楽しく話せてよかった」と微笑む。今後について疋田さんは「認知症カフェではあるが、さまざまな人が訪れて、多様な交流が生まれれば」と期待を込めた。次回の開催は6月8日を予定している。