【大学入学共通テストって何?】知っておきたい大学入試のキーワード
2021年度から始まった大学入学共通テスト。2025年度は1月18日(土)・19(日)に実施されます。
大学入試の話題が増えると、小学生の保護者でも、お子さんにとっては少し先のこととは思いつつ、その内容や動向が気になるかもしれません。
今回は大学入学共通テストなど、大学入試のキーワードとともに、親世代とは異なる大学入試のしくみについてご紹介します。
大学入学共通テストとは?
高校での基礎的な学力の到達度を測る
2021年度から、それまで行われてきた大学入試センター試験が大学入学共通テストに変更されました。
高校での基礎的な学力の到達度を測る試験で、1月中旬〜下旬の土曜日・日曜日の2日間で、全国一斉に行われます。
大学入学共通テストの結果は、国公立大学はもちろん、多くの私立大学の入試にも利用されるので、多くの受験生が受験します。
どんな教科があるの?
大学入学共通テストで出題される教科は、2025年度から国語、地理歴史、公民、数学、理科、外国語、情報の7教科です。各教科に地理歴史なら「歴史総合、日本史探究」「歴史総合、世界史探究」など、理科なら「物理」「化学」などの科目があります。
どの教科・科目を受験するかは、受験生が志望する大学・学部によって異なります。
国公立大学をめざす場合は、多くの大学が6教科8科目を課します。
大学入学共通テストを利用して私立大学をめざす場合、志望する大学・学部によって課される教科・科目は異なります。1教科1科目から5教科7科目まで、多様な入試が実施されています。
出題の特徴は?
高校で2022年度から始まった学習指導要領では、主体的・対話的で深い学びが重視されています。大学入学共通テストもその方針に沿って作問されます。
つまり、教科書レベルの知識や技能が身についているかを問われるだけではなく、その知識や技能を活用して、思考力・判断力・表現力などを発揮して解くことが求められます。
また、どの教科・科目も、グラフや地図、会話文など、読み取る資料の分量が多いのも特徴で、そこから得た情報をもとに考察し、課題を解決する力を問う出題もあります。
解答はマークシート方式で行われます。
大学入試の基本
入試方式は一般選抜・学校推薦型選抜・総合型選抜の3種類
2020年度から大学入試改革が始まり、それまで行われていた入試方式の名称が変わりました。
一般入試は一般選抜、推薦入試は学校推薦型選抜(公募制・指定校制)、AO入試は総合型選抜と呼ばれています。
国公立大学でも私立大学でも3つの入試方式で試験が行われます。
一般選抜はどんな入試?
大学ごとに指定された試験を受け、その得点で合否が決まるのが一般選抜です。受験生の学力を評価する選抜方法です。
国公立大学の一般選抜
国公立大学の入試は、一般選抜が中心で、募集人員も多いです。
大学入学共通テストと、前期・中期・後期日程で行われる個別試験(2次試験)の結果で合否を判定します。
個別試験はそれぞれの大学で独自に作成し、筆記による学科試験や小論文、面接などが行われる場合が多いです。
私立大学の一般選抜
私立大学の一般選抜には、各大学で行う個別試験と、大学入学共通テストを利用する入試があります。
個別試験は3教科が基本ですが、1〜2教科で受験できる大学も増えています。また、個別試験に合わせて、実用英語技能検定やTOEICといった英語の取得検定・資格に応じた加点や判定の優遇を行う大学もあります。
大学入学共通テストを利用する入試には、大学入学共通テストの結果のみで合否を判断する形式と、個別試験の結果と合わせて合否を判定する形式があります。
学校推薦型選抜(公募制・指定校制)を受けられるのは?
学校推薦型選抜は、出願に出身高校の学校長の推薦が必要な入試です。また、大学が定める成績の評定平均などの出願条件があります。
公募制の学校推薦型選抜
学校長の推薦があり、出願条件を満たせば、どの高校からも出願できるのが公募制の学校推薦型選抜です。公募制の学校推薦型選抜は私立大学だけではなく、国公立大学でも実施していますが、募集人員が少なく、成績基準の評定平均も高く設定されています。
指定校制の学校推薦型選抜
大学が指定した高校からのみ出願できるのが指定校制の学校推薦型選抜です。指定校制では、1校から出願できる人数が限られているため、校内選考が実施される場合もあります。私立大学が対象で、書類選考と面接、小論文、大学入学共通テストや学力検査などが課されるのが一般的です。
総合型選抜で問われるのは?
総合選抜型は、各大学・学部・学科が掲げるアドミッションポリシー(どんな学生に入学してほしいかという方針)に基づいた選考を行う入試です。学校の調査書、受験生によるエントリーシート、志望理由書、活動報告書などを提出し、面接や小論文、プレゼンテーションなどを通じて、受験生の能力や適性、学習意欲などを総合的に評価します。
各大学が課す選考方法に、大学入学共通テストなどの試験結果や小論文など、基礎学力を確認する評価方法を取り入れることが定められています。
以前は私立大学が中心に行っていた総合選抜型ですが、国公立大学でも募集枠が拡大し、総合型選抜を実施する国公立大学の数は2024年度の105大学349学部から、2025年度の125大学472学部と増加しています。
年内入試って何?
学校推薦型選抜(公募制・指定校制)、総合型選抜は出願と選考の時期が早いため、「年内入試」と呼ばれることがあります。一般選抜は1月下旬から選考が始まり、3月下旬まで入試を行う大学もあります。近年の入試動向として、年内に合格が決まる「年内入試」を志望する受験生が増えており、 2024年度の年内入試での入学者は全体の51.1%を占めています(文部科学省 令和6年度国公私立大学・短期大学入学者選抜実施状況の概要より)。
今回は大学入学共通テストについて、また、大学入試に関するキーワードを紹介しました。親世代の大学入試とは、だいぶ事情が変わってきていますね。お子さんの大学入試を考える際の参考にしてみてください。