八幡上町商店街 山車と祭りの魅力を凝縮 冊子制作 買い物客に進呈
八幡上町商店街くらま会(中野智行会長)では現在、地元町会の山車や祭りの歴史と、その魅力を特集した冊子「鞍馬花車(くらまはなぐるま)」を5000部制作して同商店街の各店で買い物客に無料配布している。2月28日(金)まで。
これまでも冊子や短編映画の制作などを通じて地域活性化に取り組んできた同会。今回の冊子では山車の由来や変遷、彫刻の解説、まつりを支える人々へのインタビューや誂(あつら)え(服装)、山車の修繕や復元に向けた取り組みなどを紹介している。
通説覆す発見も
戦禍などで焼失する前の姿を憧憬し、冊子では山車を美称の『花車』と呼んでいる。制作に向けた取材や調査は、八幡上町出身で花車研究家の山下右京さん(24)を中心に行われ、中にはこれまで三国志の「劉備と孔明」といわれていた彫刻が、実は「周瑜と孔明」だったという通説を覆す新発見も掲載。山下さんは「伝統と聞くと堅苦しく感じるが、庶民の娯楽として親しまれてきたもの。冊子を通じてその魅力が伝われば」、写真撮影を担当した春日晃さん(46)は「由来などを知ることで山車や祭りの魅力を再発見し、地元愛を育んでもらいたい」と話している。
中野会長は「祭りオタクの情熱がこもった読み応えのある一冊。市内外の人に届き、そこから新しいつながりが生まれれば」と期待を寄せる。
今後は近隣小中学校や施設への配架、冊子を活用したイベントやウェブでの情報発信も検討しているという。問い合わせはイツミヤ【電話】042・622・8362。