寝たまま簡単だから続けられる! 動ける体・歩ける足腰になるための【関節のゆるめ方】
いくつになっても自分の足で歩ける暮らしを手に入れるために、今できることからはじめてみませんか? 続けられるポイントは「がんばりすぎない」こと。今回は鍼灸師・柔道整復師の笹原健太郎さんに「寝たままラクに行えるエクササイズ」を教えていただきました。〝動ける体〞になるために、毎日試してみませんか?
寝たままラクに無理しない!
体の動きをスムーズにするための、
関節のゆるめ方
~関節をゆるめることで
筋肉が動き、歩ける足腰に~
「骨と骨をつなぎ、動く上で欠かせない関節。人間には260カ所以上の関節があると言われていて、この関節に問題が生じると痛みが出て、うまく動けなくなってしまうことも。関節をなめらかに保つためには運動が大切なのですが、いきなり激しい運動を行うのは逆効果。まずは関節をゆるめ、関節の周囲の筋肉を動かすことからはじめてみましょう。ここで紹介するエクササイズは、寝たままできる簡単なものばかり。毎日繰り返し、動ける体・歩ける足腰を作りましょう」(笹原さん)
【足首】
立ち、歩き、走る。そうした動きにとって大切なのが足首。足首まわりをしっかりゆるめることで、ふくらはぎや膝の動きがスムーズになります。
1.仰向けに寝転び、手や足をまっすぐに伸ばします。
2.足首を外まわし・内まわしの順で、交互にぐるぐるとまわします。
3.つま先をしっかり伸ばしながら、足首を上下に動かします。
【膝】
太ももとふくらはぎをつなぐ膝は、筋肉や腱、軟骨などが集まる重要な部分。膝関節をしっかりゆるめることで、なめらかな動きが維持しやすくなります。
1.仰向けに寝転び、手足を伸ばします。
2.かかとを床につけたまま左足をスライドさせ、膝を立てます。
3.かかとを床につけたまま左足をスライドさせて(1)の体勢に戻します。
(2)~(3)の動きを10回繰り返す
4.かかとを床につけたまま右足をスライドさせ、膝を立てます。
5.かかとを床に付けたまま右足をスライドさせ、(1)の体勢に戻します。
(4)~(5)の動きを10回繰り返す
<ポイント>
膝は痛みが出やすい関節。動かせるよう
であれば無理のない範囲で動かしゆるめ
たほうが効果的です。
【股関節】
骨盤と足をつなぐ股関節は、背骨を支える重要な場所なので、意識してゆるめることが大切。血流が促進され、冷えやむくみの改善につながることも。
1.仰向けに寝転び、手足を伸ばします。
2.片側の膝を曲げ、真上に引き上げます。
3.足を下ろし、(1)の体勢に戻します。
左右ともに(2)~(3)の動きを10回ずつ行う
4.膝をななめ45度外側に向けるように曲げ、できるところまで引き上げます。
5.足を下ろし、(1)の体勢に戻します。
左右ともに(4)~(5)の動きを10回ずつ行う
<ポイント>
膝を引き上げる動きに慣れてきたら、少しずつスピードアップを。素早く動かすことで、関節がよりなめらかに動くようになります。
【肩~胸の関節】
歩くときは全身を使うもの。
胸まわりを大きく動かしてゆるめ、上半身の関節や筋肉の動きをなめらかに保ちましょう。肩こりや腰痛の改善にもつながります。
1.左横向きに寝転び、膝を曲げます。両手はできるだけ遠くに向け、ひじを曲げないように伸ばします。
2.ひじを伸ばしたまま、右手を大きく広げます。
(1)~(2)を10回繰り返す
3.体の向きを変え、同様に膝を曲げ、両腕を伸ばします。
4.ひじを伸ばしたまま、左手を大きく広げます。
(3)~(4)を10回繰り返す
<ポイント>
胸まわりの関節が固まってしまうと、膝や腰など別の場所に影響が出ることも。しっかりゆるめることで、全身が健康に!
※この記事は紙&WEBマガジン『毎日が発見』2024年11月号に掲載の情報です。
構成・取材・文/和栗 恵 撮影/齋藤ジン モデル/氷川よし子(splash)