腰痛を治すのに「下半身と背中の筋肉」をほぐすことが重要な理由とは?【専門医がしっかり教える 図解 腰痛の話】
太ももなどの緊張が腰痛に繋がる
腰痛を治す上で知っておきたいのが、腰痛に影響を及ぼすのは腹筋(腹直筋、腹横筋など)や背筋(脊柱起立筋、広背筋など)だけではないということ。腰は体の要として多くの筋肉と連動し、絶妙なバランスを保ちながら互いの機能を支え合っています。そのため、関連する筋肉に不調が生じると、たちまち腰にもダメージが連鎖してしまうリスクを抱えているのです。
例えば、ふくらはぎの筋肉(腓腹筋やヒラメ筋)は筋膜で腰と繋がっているため、ここが緊張すると腰痛を引き起こす場合があります。また、太ももの裏の筋肉(ハムストリングス)がかたいと、骨盤の動きが悪くなって腰に余計な負担がかかることに。腰痛持ちの大多数に、太ももの裏のこわばりが見られるのはこのためです。
ハムストリングスがガチガチの人は、ひざやお尻にも痛みが起きるか、すでに起きている可能性が高いといえるでしょう。ちなみに、腰痛の診察で太ももの裏やふくらはぎなど、腰とは関係のなさそうな部位を触診することがあります。これは連動する筋肉の状態を確認するためで、どうして腰痛が起こっているかを総合的に判断する必要があるからです。
紹介しているセルフケアやエクササイズは、「腰の健康」を支える様々な筋肉もターゲットにしています。より効率的で確かな症状の改善を目指し、また予防手段として役立ててください。
腰に関連する筋肉を知ろう
腰は多くの筋肉と連動しながら、全身のバランスを維持しています。腰まわりに限らず関連する筋肉もほぐすことで、腰痛を撃退しましょう。
出典:『専門医がしっかり教える 図解 腰痛の話』著/吉原潔