日本酒とチーズは相性バツグン!?おすすめペアリング4選を比較
日本酒に合わせるおつまみとして、チーズは日本酒と相性の良い食材です。口の中でそれぞれが溶け合い、さらなる旨味を生み出します。今回は、日本酒に合うチーズやペアリングのポイントを解説!日本酒ビギナーでもチャレンジしやすい、おすすめのペアリング3選も紹介します。
1.日本酒とチーズは相性バツグン!
日本酒とチーズには、どちらも「発酵食品」という共通点があります。日本酒は米を、チーズは牛乳を発酵させたものです。
発酵食品は旨味のもとであるアミノ酸を豊富に含んでいます。そのため、それぞれが1つになることで味の相乗効果が生まれるのです。
日本酒とチーズの組み合わせもそのひとつ。発酵食品同士を組み合わせることで、それぞれの栄養価もアップするといわれています。
2.日本酒に合わせるチーズ7タイプ
チーズは製造方法により「ナチュラルチーズ」と「プロセスチーズ」の大きく2つに分類されます。
ナチュラルチーズは、生乳を固めて発酵させたもの。プロセスチーズは、ナチュラルチーズを加熱してさらに固めたものです。
加熱していないナチュラルチーズは、乳酸菌や酵母が生きているため時間とともに味わいが変化していきます。味のバリエーションも豊富で、日本酒とあわせるチーズにおすすめです。
代表的なナチュラルチーズは、以下の7タイプ。
フレッシュ白カビ青カビウォッシュシェーブルセミハードハード
ここからはそれぞれの味の特徴を紹介していきます。
2-1.フレッシュタイプ
「フレッシュ」の名のとおり、熟成させていないチーズです。水分量が豊富で、軽い酸味も感じられます。クセが少なく、食べやすいチーズの代表格です。
カッテージチーズクリームチーズマスカルポーネモッツァレラリコッタチーズ
2-2.白カビタイプ
表面に白カビを繁殖させたチーズです。皮のように白カビが外側を覆っています。中身はトロリとやわらかいのが特徴です。
カマンベールクロミエ
2-3.青カビタイプ
内側に青カビを繁殖させたチーズです。カットすると大理石のような青カビの模様が浮かび上がります。塩味と香りが強く、好みがわかれやすいタイプです。
ゴルゴンゾーラロックフォール
2-4.ウォッシュタイプ
塩水やお酒で洗いながら熟成させたチーズです。ワインやビール、ブランデーなどさまざまなお酒が使用されます。香りが強い反面、舌触りはマイルド。製造してから4~8週間寝かせた時期が食べごろです。
エポワスショーム
2-5.シェーブルタイプ
ヤギの生乳を原料にしたチーズです。ヤギ乳特有の風味が感じられます。外側に白カビを繁殖させたものや炭を付けたもびなど種類もさまざま。個性的な形が多いことも特徴です。
ヴァランセクロタン・ド・シャビニョル
2-6.セミハードタイプ
比較的水分量が少なく、硬いチーズです。クセが少なく保存性に優れています。熟成が穏やかに進むため、長期間食べごろを楽しめます。
ゴーダカンタル
2-7.ハードタイプ
さらに水分量の少ないチーズです。どっしりと重たく、味わいも濃いのが特徴です。旨味とコクが強く、料理に使われるものも多くみられます。
エダムカチョカヴァッログリュイエールコンテチェダーパルミジャーノ・レッジャーノ
3.「日本酒×チーズ」ペアリング3つのポイント
日本酒とチーズのペアリングのポイントは、個性の近いもの同士を選ぶこと!具体的には、以下の3点を意識するのがおすすめです。
日本酒のタイプにチーズを合わせるフルーティーな香りの日本酒を選ぶ日本酒の温度にチーズを合わせる
日本酒もチーズも、豊富なバリエーションが特徴であり楽しみのひとつ。それぞれの相性を見極めれば、より最適なペアリングが楽しめますよ。
3-1.日本酒のタイプにチーズを合わせる
日本酒は、香りと味の個性によって次の4タイプに分類されます。
タイプ種類特徴薫酒吟醸酒、大吟醸酒フルーティーで華やかな香り爽酒本醸造酒香り穏やかスッキリ系、端麗辛口醇酒純米酒コクと旨味がたっぷり、ふくよかな味わい熟酒熟成酒、古酒熟成感のある個性派
チーズは、それぞれの個性に応じたものを選ぶのがポイント。次のように、風味の似たもの同士を合わせると味わいが上手く調和します。
タイプチーズの種類特徴薫酒カマンベールお酒とのバランスが良く、白カビの風味もまろやか爽酒チェダーチェダーの酸味・旨みが引き立ち、日本酒の爽やかさも際立つ醇酒ゴーダゴーダのコクと醇酒のコクの相乗効果熟酒ゴルゴンゾーラどちらも単体だとクセがあるが合わせることによる相乗効果
特に醇酒はチーズやバター、生クリームといった乳製品とも相性抜群です。なかでも生酛(きもと)、山廃酛(やまはいもと)と呼ばれるお酒は、グラタンやチーズフォンデュのような料理とも良く合います。
3-2.フルーティーな香りの日本酒を選ぶ
日本酒とチーズのペアリングを試すなら、フルーティーな香りの日本酒から始めるのもおすすめです。フルーティな香りの日本酒には、ワインと同じ香り成分が含まれています。
両者に含まれる「エステル香」は、バナナやリンゴのような香りを持つ成分です。日本酒では吟醸香(ぎんじょうか・ぎんじょうこう)とも呼ばれています。
香り華やかでスッキリ飲みやすい日本酒は、日本酒ビギナーにもおすすめ。近年は、ワイン酵母を使った日本酒も生産されています。アルコール度数の低いものを選べば、白ワインのような感覚でチーズとのペアリングを楽しめますよ。
3-3.日本酒の温度にチーズを合わせる
日本酒は、冷酒から燗酒まで幅広い温度帯で楽しめるお酒です。それぞれの温度に合わせてチーズを選べば、さらなるペアリングを楽しめます。
冷やした日本酒には、フレッシュタイプのチーズがおすすめです。ドライな味わいの端麗辛口のお酒には、ピリッと塩味の効いた青カビタイプも良く合います。
燗酒にはトロリとした口当たりのウォッシュタイプを。燗酒が好まれる生酛や山廃酛は、熟成感のあるチーズとも相性ぴったりです。
冷酒チーズの種類タイプモッツァレラフレッシュタイプゴルゴンゾーラペラルドンシェーブルタイプ
燗酒チーズの種類タイプエポワスウォッシュタイプショームコンテハード、セミハードタイプゴーダ
4.「日本酒×チーズ」代表的なペアリング4選を比較!
日本酒とチーズの代表的なペアリングは次の4つです。
チェダーチーズ×爽酒カマンベールチーズ×薫酒ゴーダチーズ×醇酒ゴルゴンゾーラチーズ×熟酒
どれも比較的手に入りやすいチーズばかり。日本酒×チーズのペアリングに初めてチャレンジするときにもおすすめです。
今回は日本酒ラボ編集部にて、それぞれの組み合わせを比較していきます。
4-1.チェダーチーズ×爽酒
編集部員O
1つ目の組み合わせはチェダーチーズ×爽酒のペアリングです。
チェダーの酸味・旨みが引き立ち、日本酒の爽やかさも際立つ組み合わせかと思いますがどうでしょうか?
社長Nさん
後味に残るチェダーチーズの乳製品臭さ?がいい意味でなくなるなと感じました。
社員Tさん
爽やかな酸味のチーズであっさりしているので、日本酒のキレのよい後味と抜けるチーズの香りが親和性が高いです!
編集部員O
自分もチェダーチーズの残る乳製品感を爽酒がさっぱりさせてくれるのがいい組み合わせだと感じました!
4-2.カマンベールチーズ×薫酒
編集部員O
2つ目の組み合わせはカマンベールチーズ×薫酒のペアリングです。
華やかな香りの薫酒とその香りの邪魔をしないカマンベール、また白カビの風味も薫酒によってまろやかになるとのことでチョイスしました。
社長Nさん
日本酒のふわっと口の上側に広がる良い香りが、チーズで相殺されるのが少し気になりました。
カマンベールは香りが控えめなチーズですが、ここまで薫酒の香りと張り合うものなんですね。
社員Tさん
日本酒の香りの厚みに比べて、今回のカマンベールはマイルドすぎたのかも?トーンが合わないようにも思うが、互いに香りが重なりおいしいです!もっと熟成の進んだカマンベールで合わせてみたいと思いました!
編集部員O
個人的にはお互いがお互いを引き立て合うバランスの良さは感じました!ただペアリングとしてはややインパクトに欠ける印象です。
4-3.醇酒×ゴーダチーズ
編集部員O
3つ目の組み合わせは醇酒×ゴーダチーズのペアリングです。
ゴーダチーズのコクと醇酒のコクによる相乗効果があると思い、こちらチョイスしました。
社長Nさん
ゴーダ(旨味が強い)と合わせると、チェダーよりも味が融和する気がします。
「これがマリアージュって言うのかも?」という印象の、別の食べ物っぽさを感じられました。
社員Tさん
旨味が強くまろやかなチーズが日本酒の後味を和らげていてまとまりがあると感じました。ただ、チーズの美味しいところを犠牲にしてまとめてる感じがするのも少し否めないです。
編集部員O
今回は劣化を防ぐためにきっちり醇酒を使用したので、ややゴーダが勝っている印象があります。
醇酒を常温や熱燗にしたらかなり印象が変わってよりペアリングを楽しめるのではと思いました。
4-4.熟酒×ゴルゴンゾーラ
編集部員O
最後は醇酒×ゴーダチーズのペアリングです。
お互い個性のあるお酒とチーズですが、相乗効果があると思いチョイスしました。
社長Nさん
ブルーチーズの方が強いけど、少量のチーズと口の中で混ざると、甘みと熟成感にアクセントとしてブルーチーズの刺激が出てきてすごい面白い組み合わせです。
社員Tさん
はちみつのような香りの日本酒とブルーチーズがめちゃめちゃ好みです。パンとかピザにあるような「はちみつチーズ」が背徳感のかおり!!最高!
ちまちま小さいチーズと日本酒も香りを存分に吸い込んで少しずつ楽しむのが良いと思いました。
編集部員O
ゴルゴンゾーラの塩気とクセが、熟成酒との相性が良いと思いました!これは選ぶお酒とチーズにもよりますが、今回はややゴルゴンゾーラの味わいが強いと感じますね。
5.日本酒ラボが選ぶ最もおすすめな「日本酒×チーズ」のペアリングは?
編集部員O
4種類のペアリングを試してみました!
皆さんの中で、最も相性がいいと感じた組み合わせはどれでしたか?
社長Nさん
私は「4-3.醇酒×ゴーダチーズ」です。
味が融和する感じがあって、美味しさを言語化できないけど、マリアージュのような何か別の食べ物を食べたような満足感が一瞬りました。
社員Tさん
私は「4-1.チェダーチーズ×爽酒」です。
クセが少なく万人受けな感じが日本酒初心者の私にはちょうど良かったですね。
編集部員O
自分も同じく「4-1.チェダーチーズ×爽酒」です!
チーズの乳製品由来のコクを爽やかな飲み口の爽酒が流してくれる点に相性の良さを感じました。
まとめ
日本酒とチーズは相性の良い組み合わせ。お互いの個性が調和し、味の相乗効果が生まれます。ポイントは、似た者同士を組み合わせること!今夜は日本酒のおともに、チーズを選んでみませんか?