富山まちなかの定番ランチ「天ざるうどん」【鶴喜】つるっとコシある手打ち麺にさっくり海老天2本で世代を問わず大人気
暑くなってくると俄然、ざるそばや冷やし中華といった冷たい麺が恋しくなってきますよね。
つるつるっとすすれるのどごしは、食欲がわかない夏場でも心地よくさっぱりと食べられます。
そんな冷たい麺類を食べたくなった時の富山のランチとして定番なのが、老舗の手打ちうどん店「鶴喜(つるき)」の天ざるうどん。もちっとソフトな食感と心地いいのどごし、さっくりと揚げたての海老天がおいしい人気店です。
富山駅近くのオフィス街に店を構えて半世紀以上
ランチタイムは行列ができる人気店
店があるのは、富山市役所のすぐそば。
富山駅から南に伸びる城址大通りを歩いて数分、周囲には背の高いオフィスビルが立ち並ぶ中、銘木を使った柱や青い瓦屋根が特徴的な情緒ある店が佇んでいます。
麻の暖簾をくぐって店内に入ると、手入れされた坪庭の緑色と鮮やかなもうせんの赤色のコントラストに目を奪われます。
店の名前は、創業者が修行した滋賀県大津の蕎麦の老舗「鶴喜」から。比叡山延暦寺の門前町で300年以上受け継がれてきた歴史ある店で味と技術を学び、富山県魚津市で創業しました。
「富山市内に店を構えたのが昭和37(1962)年ごろ。昔は蕎麦もやってて、おいしかったんですよ」
こう話すのは、2代目の店主。
「蕎麦は引き算、うどんは足し算だと思うんです。蕎麦はお客さんに提供するまで、どれだけ風味を損なわないようにできるか。逆にうどんは、グルテンのおいしさをどれだけ引き出せるか。加算方式なんですよね」
「鶴喜」ではかつて蕎麦も提供していましたが、満足のいく蕎麦粉の入手が難しくなったことから、現在はうどんの提供だけに絞っています。
毎朝、5時からうどん生地と向き合う日々です。
店主の言葉にある通り、こだわりが「グルテン」。
うどんの生地に適度な力をさまざまな方向から加えることで、グルテンを鍛えていくんだそう。
「毎日同じ作業のように見えますが、その中に新しい発見もあって、マイナーチェンジを繰り返しながら改良し続けています」(店主)
多い日には客の8割が注文
つるっとのどごしが心地よい「天ざるうどん」
「鶴喜」の代名詞とも言える人気メニューが、「天ざるうどん」。
多い日は、実に客の8割が注文します。
竹ざるに、うどんと存在感のある大きな海老天が2本。
見た目はシンプルですが、麺の量は一般的な店よりも多めで、ボリューム感があります。
「おなかを空かせて訪れる人にも満足してもらえたらと思っています」(店主)
つやつやに輝きを放つうどんは、口に入れるとソフトでもちっとした食感。コシはありますが強すぎず、ほどよい弾力なので、小さな子供やお年寄りでも安心して食べられます。
昆布とカツオなどで丁寧にとった出汁つゆのポイントは、温度管理なんだそう。魚介のおいしさを最大限に引き出そうと、うどんと一緒に今も試行錯誤を続けています。薬味のネギやわさびもたっぷりついてきて、醤油の香りを引き立ててくれます。
うどんは、食感やのどごしと噛みごたえのバランスを考えた絶妙な太さ。
つゆの甘みや小麦の香りが噛むほどに口の中に広がります。
揚げたての海老天は衣がふっくら、さっくさく。つゆにつけると油の甘みが広がり、味わいがまた変わってうどんが進みます。
大きな海老天がしっかり2本、それだけでも食べごたえはありますが、海老天を追加する客も少なくないんだとか。
よりよい味を求めてマイナーチェンジを繰り返す、老舗の手打ちうどん。
さっぱりいきたい季節にはオススメな富山の定番ランチです。
店舗情報
【鶴喜】
住 所 富山県富山市新桜町6-2
営 業 11:30~14:00(L.O. 13:40)
電 話 076-441-8496
定休日 日・月曜、祝日
駐車場 なし
記事編集:nan-nan編集部