コミュニティスクール 松田町が来年度導入 足柄上地区は全校導入に
松田町教育委員会は、2025年度にコミュニティスクール(学校運営協議会制度)を導入する。南足柄市、中井町、大井町、山北町、開成町では、すでに導入されており、松田町で足柄上地域全体に導入されることになる。
地域と学校が一緒になって子どもたちの教育を担っていく「コミュニティスクール」。文部科学省が2005年度に創設した制度だ。同スクールは委員として任命された住民、校長、教育委員会が連携して運営。校長を中心とした学校が主体となり行ってきた学校運営に対し、住民の意見が反映されることによって地域に即した特色ある学校づくりを進めていくことが期待されている。23年5月1日現在で、全国公立小中学校の52・3%にあたる1万8135校(前年比2914校増)が導入している。
25年度に導入を予定する松田町教育委員会は「導入は遅れたが、地域の協力を得て、連携を深めながら制度への理解・推進を図っていきたい」と話す。町は導入にあたっては22年度に「コミュニティスクール導入推進委員会」を設置。「松田町は放課後子ども教室など地域と学校が協力し合い教育を行なっている地域」とし、これまで、専門家を招いた研修会や会合を重ね、児童数や特色の違う松田小学校、寄小学校にどのよう形での導入の形が良いのかを話し合ってきた。「導入による変化は大きくないかもしれないが、制度化すればさらに緊密な連携が増え、住民、教諭双方の意識も変わってくる」と期待する。
同教育委員会は8月22日、主に教諭を対象にした導入説明会を松田中学校で実施した。説明会ではコミュニティスクールマイスターの講演や町が目指すべき制度像などを説明した。参加者からは「地域と学校の連携は大切だと改めて感じた」「当事者意識を持ち、やりがいのもてる制度にしていきたい」などの感想が聞かれた。
11月17日(日)には、住民向けの説明会を生涯学習センターで開催する。
1市5町の現状は
足柄上地区の他の自治体は、開成町が開成小学校と文命中学校が2010年度、開成南小学校が12年度に導入した。山北町が19年度、大井町が21年度、南足柄市と中井町が22年度に導入している。
足柄上地区で先駆けて同制度を導入した開成町は「地域と学校が一緒にこどもを育てていくのはとても大切なことです。各々学校によって課題は違いますが、導入の効果はあったと思います」と話した。