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上越市の福祉施設でセクハラ 加害者は組織のトップ ハラスメント対策掲げる企業グループ

上越タウンジャーナル

新潟県上越市の社会福祉法人が運営する高齢者福祉施設で、70代の施設長が40代女性職員に対し、性的な嫌がらせを繰り返し、女性は就業できない状態になった。女性が運営法人に被害を申告した後も、女性に対する組織的な無視や理由のない叱責などパワハラとみられる行為が続いたという。同法人は21社の企業群を束ねる企業グループの傘下にある。この企業グループではハラスメント対策を大々的に掲げ、組織を挙げて取り組んでいるとして傘下の地域メディアなどで盛んに広告してきたが、今回のケースは100人を超える職員を擁する施設のトップ自らが加害者だ。

施設長が執拗なセクハラ

医師である施設長が着任したのは2024年4月。着任後まもなく「(施設の)近くにホテルがあるだろう。休憩は〇〇円だから今度どうだ」など性的関係を求めるような言葉によるハラスメントが始まる。

同年秋には、この女性から報告書類を受け取る際、女性の両手に触れて指をゆっくりとさすって笑みを浮かべるなど、身体的な接触を求めるようになった。こうした行為はその後も繰り返された。

女性は施設長からの執拗な食事への誘いを断り続けていたところ、施設長の事務作業を補助する職員も同席させると言われ、断りきれずに子どもを連れて参加した。12月中旬、施設近くの料理店での食事会の席上、施設長は「こんなところで不倫したらすぐにばれるな」と子どもの前で、何度も発言した。

食事会の数日後、女性は施設長によるセクハラ被害を上司に伝えた。その日の夜、女性の担当部署の職員全員が帰った後、施設長は女性のいる部屋に「頑張っているな」と言いながら入って来た。デスクでパソコンに向かっていた女性の背後に立ち、無言で両手で女性の頬を包み、耳に向かってゆっくりなでて出ていった。

このほか12月上旬には、男性職員1人が体調不良を訴え休んだ際、施設長は男性の容態を聞きたいと女性を呼び出し、「君だったら、おしりに指を入れて診てあげる」と発言。男性職員に対しては医療機関を受診するように指示していたという。

処分は口頭注意のみ 「この件広めないように」

女性が直属の上司にセクハラ被害を伝えたのは12月19日。翌20日には副施設長とハラスメント委員と呼ばれる担当者との面談の場が設けられたが、副施設長は開口一番「この件は広めないように」と口止めしたという。

女性は施設長の処分と事案の職場内での公表を求めた。その後今年1月になって、法人の専務理事と法人本部ハラスメント委員から「施設長はセクハラ行為をすべて認めた」と聞かされた。しかし、2月25日に法人の専務理事らから聞かされた施設長への処分は、口頭注意のみだった。また、処分もセクハラが起きたことも職場内に知らされなかった。

被害申告後に叱責や無視も

この間、女性によると、副施設長らから一方的に業務内容の転換を求められたり、理由なく叱責を受けたり、同僚の職員との間の情報を遮断されたり、施設長の事務作業を補助する職員から露骨に無視されたりといったパワハラ的な行為が続いたという。女性は心身ともに疲弊し今年3月、精神疾患と診断され、就業が継続できなくなった。

企業グループ「ハラスメント対策」大々的に

一方、同法人を傘下に置く企業グループではハラスメント防止対策に力を入れているとして、各社・各法人にハラスメント窓口を設置し、担当者を置いている。こうしたことをグループのウェブサイトで大々的に喧伝しており、グループ代表は次のようなメッセージを掲載している。

ハラスメント防止における代表のメッセージ

私たちは長年、職場のハラスメント、職場の発達障害の研修を続けてきました。その結果、ハラスメントを個人の問題で片付けず職場内で話し合いを持つ会社が現れました。また、仕事上で困り感を抱えた同僚に対して、できること、得意なことを探し、共に働くことに取り組む職場もあります。これは研修の成果です。

グループ代表 ◯◯◯◯

また2023年2月、グループ傘下の地域紙に「ハラスメント対策に注力 相談・対応力を向上 働きやすさと良好な関係性」との見出しで、同法人の取り組みを紹介した記事広告を掲載している。

《画像:地域紙に掲載された記事広告(写真の一部を加工しています)》

女性「法人は味方をしてくれなかった。悔しい」

同法人の本部長は上越タウンジャーナルの取材に対し「個人情報、プライバシーであり、事案の詳細については答えられないが、セクハラの事実はあった。ハラスメント委員による聞き取りなどルールに沿って対応し、最終的には理事長が判断して処分も行い、処理は終了している」と答えた。

法人は処理済みの案件という認識を示しているが、女性は3月18日、あらためて法人に対し事案の公表と損害の賠償を求める文書を送っている。

女性は「最初は我慢していたが、ハラスメント委員会があるからと勇気を出して申告したのに、法人は味方をしてくれなかった。結局、上司である加害者が守られ、被害者が追いやられて働けない状態になった。本当に悔しい」と話した。

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