関川水系河川整備計画変更案を公表 保倉川放水路の津波対策など盛り込む 年度内に変更
国交省高田河川国道事務所は2024年12月2日、保倉川放水路整備を含む関川水系河川整備計画の変更案を公表した。放水路整備では、地域住民の意見を踏まえ、能登半島地震で被害が発生した津波対策や海水流入による影響を検討することを盛り込んだ。関係省庁との協議などを経て、本年度内に整備計画を変更する。
変更案は、同日、上越市本城町の高田城址公園オーレンプラザで開かれた関川水系の治水対策を検討する有識者会議「関川流域委員会」で、委員が合意した。
《画像:関川水系河川整備計画の変更案が示された関川流域委員会》
同事務所は2023年12月に保倉川放水路の具体的なルート図と関川水系河川整備計画の変更原案を公表していたが、今年元日の能登半島地震で市内で津波被害が発生。地域住民から放水路整備による津波被害や、通常時の放水路に海水が入ることによる塩害などを懸念する声が相次いだため、計画変更を1年遅らせ、治水対策・防災まちづくり検討部会の設置や環境調査検討委員会での検討を行っていた。
変更案は、最終的な放水路の形状、道路や橋梁(きょうりょう)などの関連施設の整備、防災施設のあり方、環境影響などは、防災まちづくり検討部会や環境調査検討委員会、地域住民の意見を踏まえて検討し、水害に強いまちづくりに向けて取り組むとした。
会議では委員から、放水路整備によって家屋移転を余儀なくされる住民への配慮を記載するよう求める意見や、経済界からの視点として早期完成を求める声があった。
同事務所の桶川勝功副所長は「整備計画の変更後は、流域委員会の専門部会である防災まちづくり検討部会や環境調査検討委員会で検討を進め、放水路事業の施設計画の熟度を高めていきたい」と述べた。
第27回 関川流域委員会 – 高田河川国道事務所( https://www.hrr.mlit.go.jp/takada/iinkai/river/sekikawa/sekikawa_iinkai/11651/index.html )