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犬用の『日焼け止め』って売ってるの?人間と同じように塗ったほうがいいの?

わんちゃんホンポ

愛犬にも紫外線対策をしていますか?

日差しが強い季節になると、紫外線から肌を守るための「日焼け止め」という言葉をあちこちでよく見聞きするようになります。実際、飼い主のみなさんもお使いなのではないでしょうか。

では、愛犬には「日焼け止め」をお使いでしょうか。そもそも、犬用の「日焼け止め」など販売されているのでしょうか。

私は犬と暮らして30年ほどになりますが、私にもあまり馴染みのないものです。

しかし、紫外線が犬の皮膚に強い刺激を与えていることはよく理解しています。お出かけやお散歩の後、ひどく痒がるとき、(紫外線を浴びてしまったからかな…?)と心配することがあります。

犬の表皮は人間の表皮よりも薄く、その厚さは人間の3分の1程度である、とされています。私たち人間よりも、さらに皮膚がデリケートなのです。そのため、人間と同じように紫外線を浴びてしまうと、熱傷のような症状が出ることがあるかもしれません。

犬用の「日焼け止め」とは

犬用の日焼け止めには、次のようなものがあります。

✔日焼け止めシート
✔日焼け止めスティック
✔UVミスト
✔UVスプレー

日焼け止め、紫外線対策として、どのような成分が配合されているのか、主な成分を調べてみました。

✔オクチルメトキシシンナメート(紫外線を吸収する働きがある)
✔紫外線吸収剤(紫外線を吸収して熱に変える化学物質で様々な種類がある)
✔二酸化チタン(光の散乱と紫外線を吸収する働きがある)
✔フラーレン(メラニン色素の生成を抑える働きがある)

これらの成分は、人間用の日焼け止めや化粧品にも配合されています。

よく、「犬に人間用の日焼け止めを使ってもいいのか?」と聞かれることがありますが、主成分としては、犬用も人間用もほぼ同じであることが分かりました。しかし、含まれている成分に中毒を起こすことがあるため、人用の日焼け止めは使わない方がよいでしょう。また、日焼け止めを塗った肌を犬に舐めさせないようにした方がよいでしょう。

犬用の日焼け止めには、「人間用のSPF15相当」と表示されている商品があり、SPFとは「UV-B」という紫外線が肌に吸収されることを阻害するもので、紫外線による肌の炎症を予防します。

ただし、犬用の日焼け止めには「PA+」という表示がないため、「UV-A」という紫外線への防止作用がないのでは…と思われます。「UV-A」とは、皮膚をすぐに黒くしてしまう紫外線です。

犬も人間も紫外線を浴びるとすぐに皮膚が黒くなってしまうことがありますが、これは、紫外線が皮膚の奥深くまで入り込むことを防ぐための防衛反応で、メラニン色素の働きです。

犬用の日焼け止めを購入されるときは、日焼け止め、紫外線対策として、どのような成分が配合されているのかを必ず確認することをおすすめします。

紫外線には「UV-A」と「UV-B」があります。どちらの紫外線からも愛犬の健康な皮膚を守ることができる日焼け止めが理想的なのではないでしょうか。

犬にも日焼け止めを塗った方がいい?

犬には強い日差しや紫外線を防ぐための被毛という天然の日焼け止めが備わっています。特別に日焼け止めを塗る必要性はないと考えます。

鼻、耳の内側、お腹の一部分など、被毛がなく皮膚が露出している部分は、日差しや紫外線の影響をダイレクトに受けてしまうかと思います。日焼け止めが必要であるならば、この部分でしょう。

我が家の愛犬たちには皮膚に症状が起きたことが何度かありますが、日差しや紫外線の影響だと診断されたことはありません。

直射日光を浴びることがないのであれば、日常生活に日焼け止めは必要ないのではないでしょうか。

また、愛犬に「日焼け止め」はなるべく使いたくないけど、どうしても日差しは浴びてしまう…という場合でも工夫できることはあります。

たとえば、日差しのない曇り空でも紫外線の強い日があります。そんな日の散歩では、愛犬に服を着せてはいかがでしょうか。皮膚病や脱毛があり、被毛が薄くなってしまった愛犬への対策としておすすめできます。

さらに、自宅で留守番をさせている間に室内に入り込む紫外線にも対策をしたい場合には、UVカット機能が付いたレースカーテンをおすすめします。

遮光カーテンのように室内が暗くなってしまうことはありませんし、我が家でも使っていますが、犬にも人間にも嬉しいアイテムです。

まとめ

犬用の「日焼け止め」は実は販売されていて、主に通販サイトで購入することができます。

購入の際に注意したいことは、本当に日焼け止めとしての効果があるのかどうか、という点です。

『天然成分で紫外線吸収剤フリー』と表示されている商品がありますが、どのように紫外線から犬の皮膚を守ることができるのか、成分等を調べて確認してから購入することをおすすめします。


(獣医師監修:後藤マチ子)

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