菅義偉前首相の発言でざわつく永田町。足元がぐらついた人物とは?
ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日~金曜日15時30分~17時)、7月1日の放送で「衆議院選挙をにらんだ永田町の動き」というテーマを取り上げ、ジャーナリストの二木啓孝が解説に登場した。
鈴木純子(文化放送アナウンサー)「国会閉会後の6月23日、菅(義偉)さんの発言でざわつき始めたんですね。『総理自身が派閥の問題を抱えているのに責任をとっていない。いつとるのか、いつ言及するのか。その責任に触れずにきょうまできている』。これが岸田おろしの号砲、ととらえる動きもあるんですが……」
二木啓孝「菅さんの後ろには『小石河』と呼ばれる、小泉進次郎さん、石破茂さん、河野太郎さん、もうひとりダークホースで加藤勝信さんがいる。菅さんが言って『さあ!』という。秋の総裁選では国民が刷新感を持つようしないといけない、と。もう岸田おろしに入ってしまった、というようなことで河野太郎さんも名乗りを上げ、石破さんも『考える』。茂木(敏充)さんは『この夏にゆっくり考える』と言う」
長野智子「(茂木さんの発言は)きのうね」
二木「順当に岸田さんが進むと思われていたのが、一挙に永田町、自民党がざわつき始めた。困ったのが麻生太郎さん。麻生さんって、派閥を解消しろというときに唯一しないで、55人を抱えているわけです。その力をもって岸田さんをコントロールしていた。コントロールしながら、政治改革でも『民主主義は金がかかるんだ』『パー券(の公開基準額)は10万円より下げちゃいかん』とガンガン言っていた」
長野「はい」
二木「コントロールして気を遣っていたんだけど、5万円(超)になったとき麻生さんは聞こえるように『なんだ、次も岸田でいいと思っていたんだけどな』と。それで岸田さんが『ご飯食べましょう』と言ったら、忙しいからと2回断った。麻生さん、ゆくゆくは仲のいい茂木幹事長を出すぞ、とやっていたら、斜め後ろから菅さんが出てきたから困った」
長野「そこに河野さんもいっていますもんね」
二木「河野さんと2回ご飯を食べているけど、二人で会ったとき河野さんが麻生さんに『私は総裁選に出たい』と言ったら、麻生さんは口をへの字に曲げて何も答えなかった。計算したの、河野太郎が出たら俺の立場がなくなるじゃん、と。麻生派55人のうち河野太郎待望論は半分以上いる。そうすると麻生さんの立場がなくなる。麻生さんがどうしたか。急に岸田さんとご飯食べ始めた。おもしろいねえ」
長野「大事な情報ですね」
二木「そういうことになってきて、わさわさして。岸田さんは恐らく、このまま麻生さんに支えられながら、茂木さんを幹事長につけながら、菅さんは何も言わないというかたちで秋の総裁選にいこうと思っていたけど、そうはいかなくなった」
長野「菅さんは菅さんで、岸田さんの代わりを具体的に思い浮かべているんですか?」
二木「カードを4枚持っています。河野太郎さん、小泉進次郎さん、石破茂さん、加藤勝信さん。河野太郎さんが出るとすれば、そのお父さん、河野洋平さんが言っているのは『おまえが出るなら派閥をやめろ。閣僚を降りろ。でないとちゃんとしたことはできない』と。(河野)太郎さんは悩むわけです、派閥をやめて出るのもね、みたいな。でも手を挙げたい。小泉進次郎さんも相変わらず人気はある、次の総理は誰、という世論調査で出てくる。こちらはお父さんの小泉純一郎さんが『おまえは50まで手を挙げるな』と」
長野「そう言っているという話ですね」
二木「だから出にくい。でも石破さんは恐らく出てくる。というかたちになってくるということで、岸田さんを支える麻生さんの足元がぐらついた、というのがいちばん大きいかな、と思いますね」