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【吉川弘文館「本郷」第176号】 静岡大の教員が文系理系の壁を越えて集結。地域の知恵者と酒を開発

アットエス

静岡新聞論説委員がお届けするアートやカルチャーに関するコラム。今回は2025年3月1日発行(表4表記)の吉川弘文館のPR誌「本郷」第176号を題材に。
奇数月発行の同誌に、昨年9月発行の第173号から「文化財取材日記」というタイトルで寄稿している。静岡県内の「食の文化財」とも言うべき「酒造り」にまつわるあれこれをつづる。今回が4回目の執筆となる。

過去3回はクラフトビールの醸造所やウイスキーの蒸留所を取り上げ、酒のつくり手とその周辺をリポートした。第1回は現在のクラフトビールブームの源流とも言うべき「ベアードブルーイング」(伊豆市)。第2回は県内最古の醸造所である「御殿場高原ビール」(現GKB、御殿場市)をテーマとした。第3回は「静岡市のウイスキー」に目を向け、南アルプスから流れる大井川水系、安倍川水系の水を用いた「ガイアフロー静岡蒸溜所」「十山井川蒸溜所」を訪ねた。

第4回はかなり趣を変え、静岡大の文理融合プロジェクトについて書いた。静岡大の教員が文系理系の壁を越えて集結し、地域の知恵者たちを仲間に加え、静岡ならではの酒の開発に取り組んでいる。

「発酵とサステナブルな地域社会研究所」は、徳川家康ゆかりの神社で採取した酵母を使ったビール「家康公クラフト」や南アルプスの植物から採った花酵母で製造したウイスキーなど、地域の資源を生かしたブランドを次々に誕生させた。

筆者は2021年の発足時から折に触れて取材を続けているが、この研究所は時を経るに従ってアメーバのように取り組みが増殖している。たいへんスリリングな展開になっていて、ウォッチするこちらも楽しい。国立大の教授、准教授らが通常の研究業務から離れた領域で試行錯誤している姿は尊敬に値する。彼らが酒を愛し、静岡を愛しているのが伝わってくる。

今回の「文化財取材日記」を読めば、静岡大の気風の一端を感じてもらえるのではないか。
(は)

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