ソフトバンク今宮健太が史上初の通算400犠打&100本塁打、犠打数ランキングから見える価値
8月27日の楽天戦で達成
ソフトバンクの今宮健太がNPB史上4人目の通算400犠打に到達した。8月27日の楽天戦(秋田)に7番ショートでスタメン出場し、4回無死一塁から打球の勢いを殺して捕手に取らせる絶妙の送りバント。続く柳町達がタイムリーを放って追加点を奪い、3-1の快勝で連敗ストップに貢献した。
猛追する2位・日本ハムを再び1差リード。400犠打は地味ではあるが、チームのために自分の役割をきっちり果たしてきた職人の勲章だ。
今宮は明豊高から2009年ドラフト1位で入団。高校時代は通算62本塁打をマークした強肩強打の内野手として高評価されていたが、身長172センチと大きくないこともあり、プロでは主につなぎ役の2番打者としてレギュラーに定着した。
400犠打を達成し、広報を通じて「プロ野球選手としてスタートをして、まず自分ができることは守ること、バントをすることでした。そんな中で、400という大きな数字まで積み重ねてこれたと思います」とコメント。さらにこう続けた。
「まだまだ上には3名ものレジェンドの方々が存在します。そこに近づいていくには怪我をせず、試合に出続けることが最低条件だと思います。とにかく自分はチームの勝利へ貢献していくこと、そしてチーム内の競争に負けないようにすること。僕の中では犠打を積み重ねていくことは、プロとして活躍し続けることとイコールの関係。これからもっとこの数字を伸ばしていけるように日々鍛錬をしていきたいと思います。とにかく400犠打が得点に繋がって良かったです」
そう、犠打は試合に出場して走者がいる場面でないと記録できず、400犠打は長くレギュラーを張っていることの証明なのだ。そして、今宮が言う“3人のレジェンド”がまだ上にいる。通算犠打数ランキングは下の通りとなっている。
TOP3は川相昌弘、平野謙、宮本慎也
1位は533犠打の川相昌弘。巨人で長く2番打者として活躍した“バント職人”だ。現在は巨人の二軍野手総合コーチを務めている。
2位は451犠打の平野謙。中日、西武、ロッテとわたり歩き、1986年には盗塁王に輝いた。
3位は408犠打の宮本慎也。PL学園高、同志社大、プリンスホテルと大卒社会人出身ながら2000安打もマークした名ショートだった。
上位3人はどちらかと言えば巧打者タイプだが、今宮はパンチ力も持ち合わせており、これまでの“バント職人”とはイメージが違う。実際、400犠打、100本塁打をダブルで記録したのは史上初なのだ。
5位以下を見ても100本塁打以上を放っているのは菊池涼介(370犠打、134本塁打)と伊東勤(305犠打、156本塁打)のみ。このあたりも今宮の記録の価値を高めている。
チームは優勝争いの真っ只中。金字塔を打ち立てた今宮は今後もチームを献身的に支えていく。
※成績は2025年8月27日終了時点
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記事:SPAIA編集部