ぽっちゃり女、マチアプでの悲劇。緊張で「寄行」に走った結果、まさか自分が“モンスター”側になるとは…
【ぽっちゃり女、婚活市場に殴り込む】
次は街コンより「効率がよいツール」に挑戦
世田谷乃たらこと申します。30歳でフリーランス(とは名ばかりのフリーター寄り)ですが、この度婚活を始めることにしました。
恋愛的な大波乱やトラブルなく30代に突入。ふと「あれ?私このままだと結婚できなくね? 人生で一回くらいは体験したいんだけど」と気付き、慌てて重い腰を上げることに。その奮闘記を記録します。
【第1回目はこちら!】これぞ「ぽっちゃり」街コン! 黒沢かずこ似の30女が参戦したら、鬼のように楽しかった話。色気より食い気よね
どうしても30代で結婚したくなった私・世田谷乃たらこ。前回は婚活市場へ殴り込むための肩慣らしとして、ぽっちゃり合コンに参戦。自身の脂身多めの体型が幸い&参加者の皆様に恵まれ、とても楽しい時間を過ごせました。
「これは行ける! 婚活楽勝! すぐに結婚できるぞ!」と鼻息荒く、次の街コンを探して怒涛のネットサーフィンを行っていたのですが……。街コンは基本的に週末しかやっておらず、私はフリーランス(というかフリーター)故に、土日が必ずしも空いているわけでもなく、なかなか日程があわない。
また「街コンでいい人を見つける→連絡先を聞く→メッセージのやりとりする→ご飯の約束をする→ご飯に行く」という流れがあまりにも面倒くさい……。
婚活界の覇者・マッチングアプリ!
これらの問題点にぶちあたり、婚活はさっそく停滞。悩んだ挙句に「できるだけ早く結婚を前提とした彼氏が欲しい」という目的を達成するために、マッチングアプリに手を出すことを決意しました。
マッチングアプリ——。それは現在の婚活界の覇者。
政府の調査によると、既婚者が配偶者との出会いで、最も高いのはマッチングアプリ(約25%)、次いで、「職場や仕事関係・アルバイト先(約20%)」となっており、「知り合いと自然にいい感じになって結婚する」は夢のまた夢だと痛感してしまいます。さらに、既婚者の約6割がマッチングアプリを利用したことがあるとのデータも。
「結婚するにはマッチングアプリから逃げられない!」と実感。ということで、久しぶりに登録してみました。
新規登録ブースト、サイコ~!
約10年ぶりくらいのマッチングアプリ。記憶より大分細やかになった仕様に驚きつつも、できるだけ盛りすぎない顔写真をチョイス。「もうちょっとカワイイ映りのほうがいいかしら?」と迷っている間に、新規登録ブーストで結構「いいね!」的な反応をいただきました。サイコ~!
わたしは何を隠そう、LINEなどのメッセージのやり取りがすごく苦手。なので、マッチ次第、さくっと会えそうな人とデートのお約束をとりつけました。
今回会うことになったのは年上の公務員Aさん。真面目そうな方で、服装も素朴な感じ。ルックスはタイプではなかったものの、あちらとしても「想像以上に太いな……」と思われてるかもしれないので勝負は五分。カフェ巡りが趣味というAさんは、おすすめの高級オシャレカフェを予約してくれていて、スマートさに好感度◎。
向き合うように座り、「お好きなものどうぞ」「ええ~! いいんですか♡」なんて会話をかわしながらメニューを開いてびっくり。小さいケーキが一皿2000円くらいするし、これにドリンクを頼むとさらに値段はかさむ。
「たぶんAさんは奢ってくれるつもりっぽいし、それを見込んで高いケーキをさっさと頼むのはマイナスポイントじゃないか?」「一番安いのは吹き寄せ(小さい煎餅などの盛り合わせ)だけど、初デートで吹き寄せを食べる女ってどうなの?」など、いろいろな思考が頭をグルグル……。
迷った結果、「Aさんのおすすめってどれですか?それにします」と苦し紛れにメニューを閉じました。Aさんは「そうですか、ではフォンダンショコラにしましょう」とスマートに注文してくれました。よし、これで正解っぽい。
「お仕事は?」「ご趣味は?」という基礎質問を繰り返していると、フォンダンショコラが到着。悲劇はここからだった——。
緊張のあまり…ケーキを丸のみする寄行
こだわりの皿にちょこんと乗った、小ぶりなフォンダンショコラ。会話を途切れさせないように「わー、かわいい! 美味しそう。それでAさんは~」と感想を織り交ぜつつ会話に戻ろうとした瞬間、なぜか私は一口でフォンダンショコラを丸のみしてしまったのです……。
今思っても、なぜそんなことをしたのか、自分でも分かりません。「初めてマッチングアプリで人に会う」ということで、自分が緊張しているのは分かっていたものの、想像以上に緊張していたのでしょう。
Aさんも驚いていたと思いますが、自身の奇行に自分が最もパニック。濃厚なフォンダンショコラにむせそうになりアイスコーヒーもほぼ一気飲み。入店からわずか数分で完食してしまいました。ものすごい食べっぷりに、「もしかしてカバ?」と思われたかもしれません。
好きなカフェの質問に「ドドールですかね…」
ここまででも大分悲惨なのですが、おそらくカフェデートはコーヒーやケーキも嗜みつつ、ゆっくりと食べ終わると同時に会話もひと段落して、1時間くらいで退店するのが相場だろうと思います。
ただ私が獣のように丸のみしてしまったので、既にもう手持ち無沙汰。優しいAさんは「飲み物おわかりしますか?」と聞いてくれたのだが、逆に顔から火が出そうになり固辞してしまいました。
私の奇行のせいで、急に滞りだす会話。Aさんも私の食べっぷりに焦らされたのか、数分後には完食。ああ、高級ケーキが……。
お互いが「もう帰りたい」と思っているのは丸わかりでしたが、不幸にも高級カフェの雰囲気が即退店を許さず、二人とも空の皿とグラスのまま、なんとか身のない会話を1時間ほど繰り広げました。
ほぼ何をしゃべったか記憶にありませんが、Aさんの「そういえば、たらこさんもカフェ巡りが好きってプロフィールに書いていましたよね。お気に入りのカフェはありますか?」という質問に、本当はカフェ巡りなんてしたことがないので「そうですね、ドトールですかね……」と正直に答えて、死ぬほど重い沈黙が流れたことだけ覚えています。
自分がまさかモンスター側に回るとは…
初めてのマッチングアプリでデートは惨敗。お相手には問題がなく、むしろ私の準備不足&緊張しすぎのせいで、自ら負けルートを爆走してしまったといっても過言ではありません。
ネット上にあふれる婚活体験談では「出会った相手がモンスターだった!」みたいなものはよく目にしますが、自分がまさかモンスター側に回る日が来るとは露とも思いませんでした。ええ。
しかし、私はこんなことではへこたれません。ぽっちゃり街コンの楽しかった思い出は、こんな時でも背中を押してくれます。ということで、マッチングアプリ編はまだまだ続きます。
<本日の戦歴~>
恋愛度 ☆☆
楽しさ度 ☆☆
気まずさ度 ☆☆☆☆☆
収穫:オシャレな女性と思われたいがために、「カフェ巡り」とか嘘の趣味をプロフィールに書くのは悪手という反省
(世田谷乃たらこ)