【京都・伏見】老舗酒蔵・山本本家が手掛ける京都初の鶏料理専門店
日本有数の酒処でもある京都伏見には日本酒や地ビールはもちろん、それらをより引き立てる“うまいもん”が数知れずあります。そのなかでも今回は私も長年通っている鶏料理専門店をご紹介します。豊富な焼き鳥や鳥料理に合わせるのは蔵元直送の日本酒。昼間から味わうお酒って、罪深いけどやめられません。
【画像】大正時代初期の酒蔵を改装した店内で味わう「とりめし定食」
300年以上受け継がれる酒造りの伝統と革新
江戸時代初期の1677年(延宝5年)に伏見七名水のひとつ、白菊水の湧く伏見区上油掛町で創業した山本本家。幕末の鳥羽・伏見の戦いでは建物が全焼しましたが、すぐに再建した本社社屋は現在も健在。以来、老舗酒蔵として『神聖』『松の翆』『かぐや姫』などの銘酒を世に送り出しています。 私も大好きな『神聖』ブランドのラベルは、8代目の当主源兵衛と懇意だった富岡鐵斎翁より贈られた毛筆文字だそう。純米大吟醸やたれ口など豊富なラインナップがありますが、私のお気に入りは「源兵衛の原酒」。リーズナブルかつ濃醇のコクと爽やかなのどごしが特長で実家に帰るときは必ず買って帰ります。
蔵元直送の日本酒とおいしい鳥料理が味わえる
1976年(昭和51年)に開店した鳥せい本店の起源は、1966年10月22日、時代祭の日に京都初の鶏料理専門店「鳥せゑ」として四条木屋町の地で営んだことにさかのぼります。月曜日以外の午前11時から午後10時まで営業する鳥せいは、居酒屋というジャンルに入るお店ですが、築100年の酒蔵を改装した店内は重厚で高級感のある空間です。
通いはじめて20年以上になると思いますが、最も注文しているのが「とりめし定食」。モモとムネの唐揚げに甘辛い味付けが美味なとりめし、サラダ、味噌汁がついて、なんと1000円以下! この日はもう少し食べたかったので、焼き鳥を追加。
食後は直売所でおみやげ購入が定番ルート
心も体も満たされてお会計をすませたら、吸い寄せられるようにお隣へ。こちらは鳥せい本店と直結する「神聖 酒蔵直売店」なのです。限定酒やお酒のスイーツをはじめ、有料試飲もあり、食後に立ち寄りもよし、直売所だけを訪れるもよし。店内には店の奥までずらりとお酒が並んでいます。日本酒に詳しくなくてもスタッフの方が丁寧に教えてくれるのでご安心を。 私のおすすめは11月頃から3月下旬に発売される酒粕です。酒粕なんてどれも大差ないでしょ? と思われるかもしれませんが、こちらは山田錦純米大吟醸35%の最高級の酒粕なんです。これを使うと、本当に上品で美味な粕汁になります(笑)。
■鶏料理専門店 鳥せい本店 住所:京都市伏見区上油掛町186 電話番号:050-5486-1416 アクセス:京阪本線・近鉄京都線「伏見桃山」駅から徒歩5分、京阪電車「中書島」駅から徒歩7分 営業時間:11:00~22:00(L.O.21:30) 休日:月曜日定休 駐車場:30台 URL:https://k006500.gorp.jp/
今回の「乙な京都」はいかがだったでしょうか。大阪は昼(朝)から呑めるお店がたくさんありますが、京都市内ではまだまだ少ないですよね。休日になると少し増えますが、平日から本格的なお料理と蔵元直送の銘酒が味わえるなんて、さすがは酒処伏見。まさに至福のひとときが味わえます。
TEXT by 乙な京都™