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くるめし創業者・石川さん 逗子市に7800万円寄付 「食育・体験学習に生かして」

タウンニュース

感謝状を手にする石川さん(右)と桐ケ谷市長

法人向けフードデリバリーサイト「くるめし弁当」の創業者・石川聡(そう)さん(41)が2024年12月、ふるさと納税を通じて逗子市に7800万円寄付をしたことに対し、市は4月9日、石川さんに感謝状を贈呈した。

寄付金は石川さんの要望で市の子育て、教育施策のために使われる。市立小中学校全8校での、体験学習の実施(286万円/2025年度から10年継続予定)、お楽しみ給食の実施(90万円/同10年継続)、食育に関する学校図書の購入(40万円)、その他、26年度以降の子育て施策に充てられる予定。

石川さんの3人の子どもが市内の小中学校に通っていることから寄付を考えたという。「今回の機会が子どもたちのより良い体験や、子育て世代の人たちの新たな生活につながることに期待する」と語った。

桐ケ谷覚市長は「子どもたちには山や海での体験を通した学びを実感してもらいたいが、予算を充てるのが難しかった。そうしたなか大変ありがたい申し出をいただいた。単年度ではなく長い期間、資金を活用し学びの場を増やしていきたい」と感謝を述べた。

ピンチをチャンスに

石川さんは都内の中学校を卒業後、大工として働き始め、18歳で独立。22歳の時、居酒屋で隣席の人の話を聞く中で、自分の人生の可能性について考えるようになった。事業を当時の仲間に任せ、インターネット関連の会社に就職、1年ほど業界について学び、株式会社くるめしの前身の会社を起業した。ウェブサイト運営の仕事をする中で、3代続く老舗の仕出し弁当屋のホームページを作り、売上を大幅に上げることに成功。法人向け弁当のネット展開にビジネスチャンスを見出し、「くるめし弁当」を開始。大手企業も参入してきて鎬を削っているところ、コロナ禍に。大手が次々と撤退するなかで、石川さんは「いつか必ず戻る」と信じ、事業を継続。コロナが終息する頃には、他の追随をゆるさないほどシェアを拡大していた。

逗子には子育てによい環境を求めて都内から移住し5年ほど過ごした。素晴らしい自然環境に「人生が変わった」と話す。以前は日々の95%が仕事だったという石川さん。一昨年4月に代表を退き、「これからは子どもとの時間を大切にしたい」と父親の顔をのぞかせた。

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