「ちゃお」も「りぼん」もナンバーワン!? 令和の少女まんが誌を大人が本気で比べてみた
子どもの頃、私はれっきとした“ちゃおっ子”だった。
毎月付録にワクワクし、まんが自体も読み終えると、すぐ次号が待ち遠しかったのを覚えている。
りぼん、なかよし、ちゃお……少女まんが誌にはそれぞれ派閥があり、ロケットニュース読者の中にも、自分の愛読誌を胸にトキメかせていた人も多いだろう。私にとってはそれが「ちゃお」だった。
そんな私が先日、本屋で最新号を手に取ったときのこと。思わず目を疑った。
「ちゃお」も「りぼん」も、どちらも堂々と“少女まんが誌ナンバーワン”と書いてあるではないか。
……ナンバーワンってひとつじゃなかったっけ?
気になって、思わず両方の雑誌を買い込み、分析してみることにした。
・果たして “ナンバーワン” とは?
実際のところ、「ナンバーワン」が指すのは何なのか?
調べてみると、発行部数は、現在この2雑誌が拮抗しているらしい。
1990年代は、「りぼん」と「なかよし」が二大巨頭だったのに対し、2000年代からは「ちゃお」一強時代へ……。
よく見ると、ちゃおには「少女まんが誌No.1」、りぼんには「少女まんが誌発行部数1位」の文字が書いてある。
言葉の揚げ足取りみたいだが、りぼんはたくさん印刷されているということなのか。
さらに調査の末わかったのは、どの期間でのカウントか、表紙にいつナンバーワンと書き始めたか、見るべき数字のポイントなど、一概に決めがたい。
じゃあ、私なりのナンバーワンを勝手に決めてみようじゃないか。
・安易なところで重さ
価格は、どちらも税込730円。
ぼんやりとした記憶では、400円くらいのイメージがあったが、物価の高騰などもあり、徐々に値上げ傾向のようだ。
次は、なんとなく重さを比較してみる。
実際に測ってみると……「ちゃお」が828g。
「りぼん」が920g。
70周年記念号の影響かと思うが、今回はりぼんの方が厚みもあり、ずっしりしていた。
・令和の付録スゴイィィ
それでは、ワクワクの付録を見ていこう。
ちゃおの付録はかばん。
素材は、付録感が否めないものの、長さ調整可能で大容量。
表紙にもなっている「Shining!(シャイニング)」のロゴが付いているが、全体的に大人っぽいデザインで、遠目では大人が使っても違和感なし。
ハンディファン、お茶、ポーチ、財布、スマホなどを入れてみたが、十分な大きさだ。
一方、りぼんは「本気でまんが家デビュー10大セット」。
あこがれのお仕事の一つでもある、まんが家になるべく、画力向上するための方法や、トーン、ブラッシュペン、コミックペン……。
さらに、編集部直通の投稿用封筒まで付いているところが地味にすごいと思う!
あまり芸術センスに自信がない身としては、使う予定はなさそうだが、まんが家を目指す “りぼんっこ” にはこれ以上にない最高の付録だ。
・中身はどうなんだ?
久しく読んでいなかったけど、果たして大人でも内容に付いていけるのだろうか。
まずは、ちゃおから。
パラパラめくっていると「こっちむいて!みい子」を発見。今も連載中であることに感動!
また、「ミルモでポン!」を描いていた篠塚ひろむ先生が、別作品で今も描き続けていることにもビックリする。
そして、個人的に気になったのが、コラボまんが「KAWAII戦士♡きゅーすと伝説」。
いま大人気の「CUTIE STREET(通称 きゅーすと)」をテーマにした作品だ。
私はこのグループに詳しいわけではないけど、子ども時代は大のハロプロファンで、ミニモニをテーマにした作品が載っていたのがとても嬉しかった。
こうしたアイドルグループとのコラボも、ならではの魅力であり、思わずノスタルジックな気分に浸ってしまう。
続いて、りぼん。
りぼんはたまに読む程度だったが、藤井みほな先生の「GALS!」とか好きだったなぁ。今でも単行本全巻を大切に保管しているほど。
今回は70周年特別号ということで連載作品のキャラクターが裏表紙を飾っていて華やか。
中身を見ていくと……「霧島くんは普通じゃない」を発見!
小学生の娘が、小説版ではまっている作品だ。新感覚の小説コミカライズ新連載として2025年8月号から登場しているらしい。まんがなら読みやすいし、子どもとの共通の話題として、いいきっかけになった。
というか、ちゃおもりぼんも大人でも全然楽しく読めるじゃないか!
・結論! 全部ナンバーワンでオンリーワン
いろいろと比較して行きついた結果、どちらがナンバーワンかは決められなかった……。
発行部数で見るなら、りぼんが現在首位だが、広告展開や小学生女子層への浸透度では、ちゃおが強さを見せる。
そして何より、どちらも少女まんがの王道として、子どもから大人まで心を掴み続けているのは間違いない。
あと、どちらにも相変わらずめちゃくちゃ夢が詰まっている!!!
ぜひ一度、昔の愛読少女まんが誌を手に取ってみてはいかがだろうか?
参考リンク:ちゃお公式・りぼん公式
執筆:夏野ふとん
Photo:RocketNews24.