全国高校選抜大会 ボウリング男子 大分が地元開催で日本一に 【大分県】
地元・大分で開催されたボウリングの全国高校選抜大会。団体男子の部で圧倒的な強さを見せつけたのは、大分A(佐藤優成・巽洸一)の2年生2人だった。各6ゲームの合計スコアを競う団体戦で2826点を記録し、2位チームに259点の大差をつけて優勝した。個人総合男子でも巽が2位に入り、その実力を証明した。
大分Aの2人が強さを発揮した要因の一つは、地元開催の利点を存分に生かしたことだ。会場のOBSボウルは、普段から練習を重ねている場所であり、レーンの特徴やオイルパターンを熟知していた。ボウリング場ごとに微妙な違いがある中で、慣れた環境でプレーできたことは大きなアドバンテージとなった。また、移動による疲労がないことも選手たちにとって有利に働いた。他チームは試合前日に移動し、コンディション調整が難しい一方で、大分Aの2人は普段と変わらないルーティンのまま試合当日を迎えることができた。そして何より、地元の大きな声援が彼らの背中を押した。会場には多くの応援が駆けつけ、温かい声援が彼らの集中力とモチベーションを高めた。
個人総合2位となった巽洸一
個人総合2位の巽は、小学1年からボウリングに打ち込んできた。しかし、大会直前に肘を負傷し、本格的に投げ始めたのは試合の1週間前。それでも巽は、試合までにコンディションを整え、優勝へとチームを導いた。高速スイングとパワーを生かし、結果を残した。巽の強みは、レーンの特徴を素早く見極め、最大限の力をボールに伝える技術。昨年の準優勝の悔しさをバネにし、「優勝しか考えていなかった」という強い意志で挑んだ。
高校からボウリングを始めた佐藤は、驚異的なスピードで成長し、優勝に貢献した。水泳で鍛えたフィジカルを生かし、「ストロングスタイル」のパワフルな投球を武器にした。巽の存在が大きな支えとなり、アドバイスを受けながら実力を伸ばしてきたという。慣れ親しんだ会場は、戦いやすく、自信を持ってプレーできた。
今回の優勝で、巽と佐藤は「地元開催のプレッシャー」を「勝利への原動力」に変えた。チームとしての結束力が、圧倒的な強さを生んだ。巽はさらなる個人の飛躍を、佐藤も新たな目標へ向けて歩み始める。「ボウリングの甲子園」とも呼ばれる全国高校対抗ボウリング選手権大会で日本一を目指す。
団体で日本一になった巽洸一(左)と佐藤優成
(柚野真也)