94歳で学術発表 神奈川区在住 白井さん
人生100年時代を体現しているのが、神奈川区在住の白井正子さん。94歳の白井さんは昨年12月、西区で開かれた民俗芸能学会神奈川大会で学術発表を行った。
一級建築士として働いていた白井さん。建造物への関心からその背景にある歴史や人々の暮らしについて理解を深めようと73歳で神奈川大学大学院に入学した。約16年にわたる研究過程を経て2020年、90歳で博士号を取得。今回、同学会からの推薦を受けて発表を行った。
テーマは長年研究してきた、東北や北陸地方の神社に見られる拝殿「長床(ながとこ)」。現地調査を踏まえた研究内容を発表した。
年齢を重ねても尽きない探究心の源は何なのか。白井さんは死と隣り合わせの状況の中で偶然に生かされてきた戦時中の経験を挙げ、「何事にもくじけない精神が好奇心につながったのかも」と語った。