Yahoo! JAPAN

小泉今日子が“憧れの向田邦子”を鹿児島で朗読。「声で届ける向田邦子〜色と猫とテレビと、時々音楽と♬」

Dig-it[ディグ・イット]

2024年12月15日、向田邦子が故郷のような場所と愛着を抱く鹿児島市に構え、約12,000点のゆかりの品を収蔵している「かごしま近代文学館」にて小泉今日子の朗読会『声で届ける向田邦子〜食と猫とテレビと、時々音楽と♬』が開かれた。このイベントは11月6日〜1月27日まで開催中の展覧会、『向田邦子のおいしい時間』に関連して行われたもの。『風を聴く日』(1995年)、『終わりのない童話』(1998年)などの向田邦子原作ドラマ作品に出演し、向田邦子脚本のドラマ『阿修羅のごとく』が2022年に舞台化された際には、主演のひとり(四姉妹の長女・綱子)を務めた小泉今日子にとって、向田邦子を憧れの人だという。 

小泉今日子が創出する“向田邦子の世界”

「食」「猫」「テレビ(ドラマ)」の3つのテーマを軸に、10作品を朗読した本編では、小泉今日子の可憐で魅惑的な声に、たとえば「水羊羹」にはミリー・ヴァーノンの「スプリング・イズ・ヒア」というようにエッセイにまつわる曲や向田邦子が所蔵するレコードからセレクトされた音楽が重ねられる。

そこには向田作品が醸すピリッとした小気味いい触感と、ステージに置かれたアンティーク家具、ステージ上から照らす柔らかな光、そして小泉今日子の凛とした佇まいが絶妙にあいまって創出する“向田邦子の世界”がしっかりとあった。耳元で囁くような優しい声で向田作品の文章を聞いていると、まるで小泉今日子に向田邦子が憑依したかのような感覚になる瞬間さえあった。

デビュー以来親しんできた耳馴染みのある小泉の声に包まれ、宙に浮いているような心地よさでその世界に没入していると、あっという間に1時間半が過ぎてしまう。

小泉今日子の経験を積んだ巧みな演技力

朗読の合間には、向田邦子と付き合いの深い演出家の久世光彦氏との思い出や、向田邦子と小泉今日子がともに愛する猫についてのエピソードも披露された。

「向田邦子脚本、久世光彦演出、小泉今日子出演で作品を作れるとしたら」という問いには「役者はオファーをいただいて演じるものなので」としつつ、ドラマ版『阿修羅のごとく』に出演し小泉今日子と同じく四姉妹の長女を演じた加藤治子に触れ、「加藤治子さんのような役者になれたら」と語り、大いに腑に落ちる。

今回の朗読会は、人間の感情の機微をとらえる向田邦子の文章の素晴らしさと、小泉今日子の経験を積んだ巧みな演技力があいまって、朗読というものの魅力を再認識するいい機会となった。

【関連記事】

おすすめの記事

新着記事

  1. “ふわトロ”の幸せをあなたに「おむらいす亭」北九州イオンモール八幡東店が6/30グランドオープン【北九州市八幡東区】

    行こう住もう
  2. 【シンプルにおいしい 夏野菜レシピ】夏野菜と海鮮のからしあえ

    NHK出版デジタルマガジン
  3. 【長岡発祥の味を再現】ノンフライカップ麺「ニュータッチ 凄麺 長岡生姜醤油ラーメン」7月21日発売 ご当地シリーズ29品目として追加

    にいがた経済新聞
  4. 神戸元町のお洒落なバル『Roy.』で味わう特別なフレーバーのジェラート♡ 神戸市

    Kiss PRESS
  5. 6/20(金)オープン『無印良品 飯田アップルロード』 飯田市初登場の無印良品は「地域の暮らしに寄り添う」フレンドリーなお店だった♡@長野県飯田市

    ARURA(アルラ)
  6. 「覚えていない」教師の証言 裁判記録から浮かび上がる「異様な状況」:看護師になりたかった…⑪

    SODANE
  7. YO-KING×奇妙礼太郎、10年ぶりツーマンライブ開催が決定 渋谷La.mama『Wordplay vol.161』にて

    SPICE
  8. 小千谷市、オペラ『ラ・ボエーム』11月に上演 市民合唱団の参加者を募集中

    にいがた経済新聞
  9. 7/20(日)『第38回須坂みんなの花火大会』須坂の夏の風物詩!約1,000発の大輪が夜空を彩る夏祭り@長野県須坂市

    Web-Komachi
  10. Root mimi、地上波初レギュラーラジオ番組決定!

    Pop’n’Roll