「いい友だち」で終わっちゃう…恋愛にたどり着けない“貧乏くじ”脱却に必要なこととは【お悩み#90】
はーい皆さん、ごきげんよう!満島てる子です。
前回のコラムでは、ど頭で勝手に失恋報告をさせていただいたわたくし。
自分のこころの傷を癒すべく、現在積極的にリハビリ中。
珍しくマッチングアプリをしっかり活用したり、直接殿方と知り合えるわけでなかったとしても、新しい人間関係を作ることで出会いをつかんでみようとするなど、様々な試行錯誤を繰り返しております。
とはいえあたしは、自他ともに認める「恋愛下手」。
駆け引きもできないし、かといって初手からグイグイいけるわけでもないし。
唯一できることといえば「ちょっとだけユーモラスに仕立てた、続けるに心地よいと思ってもらえるかもしれない会話」だけ。
でもこれって、相手との関係をしっかり深めることには、確実につながるんだけれど。
それしかしていないと、向こうのこちらに対する印象というのは、結局「恋愛対象」ではなくて「良い友だち」で終わってしまうらしくって。
なかなか「おお!来た!」って確信できるような、ロマンスのビックウェーブに乗ることにはつながらないのよね。とほほ。
……おや?応募フォームに、似たようなかほりを漂わせているお手紙が……?
紹介させてもらおうと思います。
読者のお悩み 長年恋愛の相手ができず…どうして「良い人」で終わってしまうの?
なんとー!K. Yさん。
ようこそあたしの相談ルームへ。
シンパシー抱いちゃうわ。
あなたもあたしと同じ「良い人どまり」の星を持つ方なのね。
なんなのかしらね、人によってはほぼ宿命みたいになってしまうこの傾向。
「もうわけがわかりません」の一言、全くもって同感です。
不思議ですよね。
望んだタイミング、望んだ相手に恋愛対象として見られることがないという、一種呪いのようにも思える出来事。
それがなぜか、特定の人物には立て続けに起きる。
これはどうも、繰り返されがちな事柄のようで。
いろんなドラマやアニメ作品などにも大抵、こうした役柄を押し付けられているキャラクターが以前から登場しているように思います。## いざ現実の世界でそんな役回りになると…
にしてもです。
フィクションの中では、独特の味があるこの立ち位置。
とはいえ、いざ現実の世界で自分がそういう役回りになってしまうとなると、その人がロマンスを求める人だった場合は「なんでだよ!!」ってなるに決まっています。
K.Yさん、あたしたちってば、完全な貧乏くじを引いちゃったらしいわね。笑
直感的な話でしかなかったりはするんだけれど、その手の不運を引き寄せるタイプって、えてして周りから「明るい人」「人当たりのいい人」と思われているような気がしますし、本人もなぜかそれに準じた振る舞いを、いつの間にかしているように思います。
何人かの集団で行動しているなら、思わず盛り上げ役(というか、時には汚れ役に近しい立場)を買って出てみちゃったり。
気になる相手と2人でいるときもその空間に、なんと言うべきか、"So fun (あるいはfunny)"な空気が流れるようにと、無意識の間に注力しちゃったり。
その際、みずから"ブス"しちゃうというか、いじられたり笑われたりしやすい方向性、言ってしまえばモテない方向性に、あえておのれを持っていきがちだったりもして。
…って、今書いてて思ったけれど、これあたし個人の癖じゃね!?
何の暴露大会やねんな!失敬失敬。笑
とはいえ、これ以外のパターンも存在するとしても。
「良い人」に終始してしまうというループにハマっている人は、様々な要因で「色気」というものから距離ができていたり、そこから離れた方向へ歩みがちな方が多い気がします(自分も含め)。
何がセックスアピールになるかは様々です。
一概にこれとは全く言えないほど、「素敵…なんだかときめく!」と思わせ、他者を惹きつけることとなる要素というのは、ひとりの人間の中に実はわんさか溢れています。
でも、そうした要素を上手に「色気」として発露することができるかは、どうやらまた別の問題のようで。
何も考えずとも色気がダダ漏れている人もいれば、試行錯誤しようにもうまくいかず、「もー!色気ってなんやねんな!」となってしまう人もいる。
それがこの世の中の常らしいのよね。
そしておそらくK. Yさんとあたしは、等しく後者に該当しているみたい。とほほ。
「良い男友だち(男として見られない)で終わってしまう」という、K. Yさんの告白。
「実はあたしもそうなのよ!」とあたしとしては共感しつつも。
共感しているだけではどうしようもない「モテ」「色気」といったものの難しさというか、他者が向こうから自分を好きになってくれるなどという贅沢な好機が、人によってはどんなに希少なものなのか。
それを同時に痛感し、ひとりの「良い人どまり」な人間としては「ううむ」と頭を抱えたりもしているのでした。
あたしなりのAnswer
さて、K. Yさん。
ここまでさんざん書いてきた通り、あなたの現在置かれている境遇には、似たシチュエーションに数多遭遇してきた自分としては、並々ならぬ同情を抱かざるをえないんだけれども。
ここからは、あなたに素敵なパートナーができる日が来ることを願いつつ、そのためにもはっきりぱっきり、自分の思うことを綴らせていただこうと思います。
その中であたし、K. Yさんにとって決して耳ざわりがいいとは言えないことも文章化するかもしれないけれど、どうぞお許しあれ。
で、ですが。
あたしね、今回のお手紙を読んだとき、最初に「なるほど」と感じたことがあったの。
それはね、K. Yさんのロマンスに関する基本的な姿勢が、実はすごく受け身なんだなってこと。
「会う人会う人に『なんで彼女いないの?』と言われる」という部分からは、相手の発言を駆け引きの中心軸に置いている姿勢が垣間見えるし。
それが「お世辞で言われている」のか、「男として見られている」のか、その発言をどう解釈したらいいのか迷うというK. Yさんの様子は、あなたの恋愛のスタンスが「向こうから好かれているか否か」から出発するものであることを、少なからず暗示しているように思います。
それでね、K. Yさん。
あたし思うんだけれど、多分あたしやあなたのようなタイプは、こと恋愛において受け身でいちゃいけない。
自分から、自分が相手と何がしたいか、どうなりたいかを発信できるようじゃなきゃいけないと思うのよ。
羨ましいなぁと思うことはあたしもあります。
自ら何をどうせずとも、誰かから「素敵だ」「付き合ってほしい」と言ってもらえる、一部の色気ある人たちのこと。
なんなら「なんで僕ではなくてあんな奴が!」と、理不尽かつ憧れに近いような嫉妬を抱いてしまった経験も、過去にある。
K. Yさんも、きっと似たような感情にさいなまれたこと、今までの人生のなかであるんじゃないかしら。
でもね。
色気については、ある程度自分で努力できたところで、望みの相手に自分が刺さる存在であれるのかどうかというのは、アンコントローラブル。
というかそもそも、相手が自分のことをどう思うのか、魅力的だと自然と感じてくれるようになるかなんて、神のみぞ知る話。
そう、ロマンスにおいて「向こうの気持ち」というのは、K. Yさんやあたしはもちろん、誰にとってもどうにかできる範囲の外側の事柄だと思うんです。
ロマンスを求めるあたしたちにできる最善ってなんだろう
だからこそ。
K. Yさん、あなたやあたしはまず自分でどうにかできる範囲のこと、そう、自分自身のこころや振る舞い、相手への対峙の仕方や意思表示の方法と、しっかり向き合うべき。
自分が相手のことをどう思うのか、相手に何を望むのかを、自分主体として考えた上で、自分から、自分の言葉で、自分の行動として、向こうにはっきりそれを伝えるように意識する(シンプルに言うなら「付き合いたいなら、自分からそう伝える」)。
それが今、ロマンスを求めるあたしたちにできる、最善のことなんじゃないかしら。
もちろんこう書いたところで、あたしやK. Yさんに付きまとっている「良い人どまり」の星が消えるわけではないのかもしれません。
「そんな相手として意識したことはなかった」「付き合ったりはできない」と返答されてしまうのがオチな場合も、これからもあるでしょう。
でも少なくとも、わかるはずのない相手の気持ちに振り回されて「もうわけがわからない」と混乱するリスクは、この自分軸の考え方に立てば少なくなるはず。
それに、「自分は君が好きだ」「自分は付き合いたい」と、おのれのあり方を恋愛に関して明確にしていくことは、ひとつのロマンティックな感情の発露というか、それこそゆくゆくは一種の「色気」につながっていくのではないでしょうか。
K. Yさん、ぜひどうか今後も、誰かとロマンティックな関係になることを諦めず、自分から/自分中心で動いてみてください。
それがきっとあなたに、他者を惹きつける新しい魅力を授けてくれるはずだから。
同じ星のもとで悩む、似た立場の仲間として。
あなたのことをこれからも、あたしは応援していますよ!
ま・と・め♡
ということで、今回は恋が「良い人どまり」で終わるという、あたし自身も腐るほど経験してきた問題について思いを馳せてみました。
しんどいよねぇ…。
誰かと一緒になりたいと願っても、向こうからそでにされてしまうっていう、あの手の経験はさ。
でも自分からその状況に飛び込み、それを自分ごととして重ねていった先に、素敵な「運命の出会い」的なものが待っているのかもしれません。
ふふふ、あたしもいつか最高のダーリン、見つけちゃうもんね!
ではでは皆さん、Sitakkeね〜!
***
読者の皆さんからのお悩み募集中!
★お悩み大募集中★
日常のモヤモヤからガチ相談まで…随時、応募フォームで受け付けています!みなさんからの投稿、お待ちしています!
***
文:満島てる子
イラスト制作:VES
編集:Sitakke編集部あい
***
満島てる子:オープンリーゲイの女装子。北海道大学文学研究科修了後、「7丁目のパウダールーム」の店長に。 2021年7月よりWEBマガジン「Sitakke」にて読者参加型のお悩み相談コラム【てる子のお悩み相談ルーム】を連載中。お悩みは随時募集しています。