成都(中国)を訪ねて~作家・秋山秀一「旅の記憶(28)」
訪れた国や地域90以上、海外への旅は222回。
旅行作家の秋山秀一さんが、自身で撮影した写真とともに、世界の街を歩いた思い出をつづります。
秋山秀一さん 旅行作家、元東京成徳大学教授、NHK文化センター講師。日本エッセイスト・クラブ常務理事、日本旅行作家協会会員、日本外国特派員協会会員。『鎌ケ谷 まち歩きの楽しみ』『世界観光事情 まち歩きの楽しみ』『ウクライナとモルドバ』など著書多数。鎌ケ谷市在住。鎌ケ谷市国際交流協会(KIFA)会長、鎌ケ谷市都市計画審議会会長。
明清時代のレトロな雰囲気を楽しむ
三国志に登場する諸葛孔明を祀った武候祠(ぶこうし)が、四川省の省都・成都市内にある。
武候祠を訪れ、三国志の世界に思いをはせた後、錦里(きんり)散策を楽しんだ。
錦里と書かれた扁額の門から入ると、明清時代にタイムスリップしたかのような感じの世界。
レトロな街並みが続く。
2004年に年に明清時代の建物が再現されて造られた錦里には、カフェや土産物屋などの店、それに四川料理の店が並ぶ。
成都にはもう1カ所、街歩きが楽しくなる街並みがある。
寛窄巷子(かんさくこうし)である。
明清の時代の四合院(しごういん)も残るレトロな感じのこの街も、観光客に人気のエリアとなっている。
成都市民にとっての憩いの場、望江楼(ぼうこうろう)公園の散策は、朝がいい。
太極拳をする人など、市民の普段着の姿を見ることができるからだ。
成都といえば…パンダに四川料理を堪能
パンダ好きにたまらないのは、成都市内でパンダに会えることである。
場所は、成都パンダ繁育研究基地。
ここではパンダ本来の生息地に似せて造られた広い敷地内で、自然に近い環境での飼育を行っている。
その様子を間近で見ながら、園内を歩いて回った。
四川料理といえば、日本では麻婆豆腐が有名。
その麻婆豆腐の元祖といわれる店、陳麻婆豆腐店に行き、発祥の地の麻婆豆腐を食べた。
唐辛子の辛さは予想していたほど感じなかったが、山椒がかなり入っていた。
担々麺も成都が本場。
老舗の店内に、天秤棒を担いで担々麺を売り歩いていた昔の様子が描かれた絵が貼ってあった。
(文・写真/秋山秀一)