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坂本龍一が遺したものを共有化する初のプログラム展が銀座で開催

タイムアウト東京

坂本龍一が遺したものを共有化する初のプログラム展が銀座で開催

グランドオープン前の工事期間中である「銀座ソニーパーク(Ginza Sony Park)」で、坂本龍一が遺したものを共有化する活動団体「sakamotocommon」による初のプログラム展「sakamotocommon GINZA」が、2024年12月16日(月)~25日(水)に開催される。

「sakamotocommon」とは、次世代を担う若い才能が坂本龍一の精神を継承し、未来へと続くクリエーティブなコミュニティーを築くために、坂本の知的財産を公共的・文化的に活用して、未来へと残す活動を行う団体だ。

画像提供:sakamotocommon

同展では、坂本と真鍋大度によるコラボレーション作品「Sensing Streams GINZA」を地下空間に展示。人間が普段、知覚することのできない「電磁波」をセンシングし、可視・可聴化する。

これまでも札幌、ソウル、アムステルダム、サンパウロ、香港、北京、成都など、世界中のさまざまな都市で展開されてきた作品ではあるが、本展示では銀座を行き交う電磁波を計測し、ソニーの高画質LEDディスプレイ「Crystal LED」を使った新たな形で展示される。

画像提供:sakamotocommon

このほか、坂本が日々採集していた雨の音や風の音など、7つのフィールドレコーディング素材を同企画のために360 Reality Audio(サンロクマル・リアリティオーディオ)ミックスした立体音響と、坂本が制作に立ち会った最後のアルバム『12』の360 Reality Audioバージョンの音源を、ソニーの次世代エンジニアとともに、最新技術で音響設計を施した没入感のある立体的な音場で楽しめる。

坂本が遺した膨大な数のフィールドレコーディングのデータの存在を広く知らしめるとともに、次世代のクリエーターたちのための利活用の可能性を周知するための試みだという。

周りには、坂本が生前から進めていた図書構想である「坂本図書」を実現する場として、坂本が所蔵した書籍がフロア内に点々と置かれ、自由に閲覧できる。

2023年9月以降、完全予約制・住所非公開という形で都内某所で運営されてきた坂本図書の蔵書の中から一部の古書を用意。坂本自身が心を寄せられた書籍の一部を、日々収集をしてきたフィールドレコーディングの音源とともに、特別な読書空間を体験してほしい。

画像提供:sakamotocommon

別のフロアでは、「LIFE a ryuichi sakamoto opera 1999」のためにデザインされ、坂本が所有していたピアノ「Opera Piano」を空間中央に設置。坂本自身が残した演奏データが自動演奏される。曲目は、『Aqua』『energy flow』『put your hands up』『鉄道員』『Merry Christmas Mr.Lawrence』の5曲だ。

さらに、sakamotocommonのアドバイザーに名を連ねるパノラマティクスの齋藤精一や黒鳥社の若林恵によるトークイベントをはじめ、東北ユースオーケストラの演奏会、坂本龍一のピアノ調律師である酒井武による親子向けのワークショップも開催する。

なお、同プログラムに入場するには、sakamotocommonのクラウドファンディングへの参加(3,000円)が必須だ。「坂本龍一が遺したものはいかに共有されるべきなのか、そこに答えがあるわけではなく、考え続け、そして、問いかけ続けます」とsakamotocommonが同展のためにコメントを寄せている。ぜひ体感し、その投げかけに応えてみてほしい。

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