【ピエール瀧が行く ファンキー!公園】日本でここだけ⁉ 競馬場を一般開放する浦和記念公園(さいたま市)でキャッチボールに興じるの巻
毎月ピエール瀧さんと一緒に公園の魅力を探求していく「ファンキー!公園」!今回は、埼玉県さいたま市の浦和記念公園からお届けします。
ピエール瀧
1967年、静岡県出身。1989年に、石野卓球らと電気グルーヴを結成。音楽活動の他、俳優、声優、タレント、ゲームプロデュース、映像制作などマルチに活動を行う。
近著は『ピエール瀧の23区23時 2020-2022』(産業編集センター)。
競馬開催のない日に場内を一般開放
公園といっても、ここは浦和競馬場なんだよね? 初めて来たな~。
—— そうです。浦和競馬場が、競馬開催のない日は「浦和記念公園」として場内を開放しているとのことで。今回は埼玉県浦和競馬組合の関隆介さんにご協力・ご案内いただいて探索していきます。関さん、よろしくお願いします!
関:はい、よろしくお願いします。
ピエール瀧です、よろしくお願いします。ここって本当に無料で一般開放しているんですか?
関:そうですね。普通に公園として利用する分には、ふらっとやって来ていただいて大丈夫です。開放日はホームページに記載しているので、そちらをご参考にしていただければ。
—— ネットで拾った情報ですけど、元々公園の方が先にあって、そこに競馬場が作られたんですよね?
関:その辺は、昔の話すぎて断言ができないんです。なにしろレース初開催が1948年なので。
ここって24時間いつでも開いてるわけではないですよね?
関:そうですね。夏は5時から19時まで、その他の期間は6時から19時まで開放しております。競馬場で、公園という形で入れるようにしているのは日本でここだけだと思います。
そうですよね。僕も聞いたことないですもん。じゃあちょっとお邪魔しましょうか。ここが入り口?
入っていいって言われなかったら、間違って入り口が開いているって思っちゃうわ。うわ、すげえ! このダート通っていいんですか?
関:はい。芝生部分に行くために、ダートを通っていただく分には問題ありません。こちら、砂の地面は深さが10cmあります。
すげえフカフカしてる。上等なビーチって感じ。公園の中をジョギングしてる人もいるね。っていうか、本当に普通の公園の雰囲気なんですね。お弁当とか持ってきてもいいんですか?
関:はい。火気厳禁なのでバーベキューとかはできないんですけども、お食事をしていただくくらいでしたら大丈夫です。
日本でここだけ⁉ 開放的で自由すぎる理想の公園
ここは子供連れてくるの最高だよね。車に気を付ける必要が全くないじゃん。好きに走り回っても、事故に遭う心配をしなくていいもんね。そして川というか水路も流れてる。
コイやカメがいるね。関さんすみません、競馬にあんまり詳しくないんで聞きたいんですけど、あの「16」っていうのはなんの数字なんですか?
関:1600mのレースをする場合、あそこからスタートする、という意味ですね。コース一周が1200mなので。
なるほど。コース周辺のお宅からは普通にレースが見えるんですね。あの家の2階のベランダとか超VIP席だなあ。今日の雰囲気から察するに、平日の明るい時間帯は地元の皆さんがトレーニングというか運動用に使ってらっしゃる感じっすね。子供用の遊具とかはあんまないのかな?
—— 競馬場脇に太田窪四丁目公園というところがあって、そこは遊具があるみたいですね。向こうを園児たちが歩いてますけど、多分その公園に行くんじゃないかと。
本当だ、競馬場のコースを抜け道みたいに使ってるんだな。あ、簡易トイレもあるんだ。ベンチもある。
これなら結構のんびりと休憩や日向ぼっこに使えるよね。そして、あっちにはグラウンドゴルフやってる人たちがいる。ここさ、移動式の遊園地とか呼んだら楽しそう。それこそメリーゴーランドとか(笑)。フリーマーケットとかも良さそう。
関:そういうイベントもやりたいんですけど、なかなか実現できていなくて。
向こうには、ワンちゃんを散歩させてる人もいるよ。でも日陰はあんまりないから夏は暑そうだね。俺たちも飲み物を持ってくればよかった(笑)。サッカーをやってる人たちもいますけど、球技もOKなんですか?
関:はい、やっていただいて大丈夫です。
—— こんなこともあろうかとグローブとボール持ってきたんで、キャッチボールしませんか?
いいね、じゃあやろうか。競馬場でキャッチボールか(笑)。
スパン スパン ポスン スパン
スパン スパン スパン ポスン(数分経過)
—— ……あ、しまった。集中して、普通にキャッチボールしちゃいました(笑)。すいません無言で。
いいよ。キャッチボールは、このボールの交換が会話だから(笑)。でもみんなが呆れてるからこんぐらいにしとこうか。
—— はい、ありがとうございました! 都内だとキャッチボールをするにも野球場借りてる人もいるのに、これだけ自由に球技ができるのはいいですね。
そうだよね。
あの大型ビジョンでかいなぁ。そしてこの辺りにはようやく木陰がちらほらと。で、ツツジで「ウラワケイバ」って書いてある。こういうのでカタカナは珍しいっすね! アルファベットは多いけど。このビジョンがあるんならさ、騒音の問題はあるけど映画鑑賞会とかならできそうだよね。それこそBluetoothでみんなにヘッドホンつけてもらって。ここでコンサートやれたらいいなって一瞬思ったんだけど、住宅が周りを取り囲んでるからね。どんなイベントならいいかな? 100人かくれんぼとかどうかな(笑)。上から見られるタワーもあるしさ。
—— 向こう側に、遊具ではないですけど成人向けの健康器具がいくつか置いてあるようですね。
じゃあそっちも見ておこうか。あっ! 藤棚がある。日陰最高。藤棚をこんなにありがたいと思うこと珍しいわ。
健康器具は背中と腰を伸ばす運動、前屈座り、階段昇降、腕立てか。お年寄り向けだな。こっちはふらつかない運動? なんだ「ふらつかない運動」って(笑)。
これで公園内はひと通り見られたかな。いやあ関さん、ありがとうございました!
関:こちらこそありがとうございました!
いやー面白かった。こんな親しめる競馬場があったとは。公園としても、ここまでオープンで自由なところはなかなかないよね!
浦和記念公園
激レア度 ★★★★★
のんびり度 ★★★★★
直射日光度 ★★★★☆
水飲み場:なし トイレ:あり
自販機:なし 灰皿:なし
浦和記念公園
住所:埼玉県さいたま市南区大谷場1-8-42/営業時間:5:00~19:00(夏場以外は6:00~)/定休日:競馬開催日以外入園可(競走馬調教中など入園不可の時間帯あり)/アクセス:JR京浜東北線・武蔵野線南浦和駅から徒歩15分
構成=カルロス矢吹 撮影=横井明彦
『散歩の達人』2024年8月号より