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サブスクでも見られる!心に響く「おすすめ映画」をコトブキツカサさんが厳選!

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Amazonプライム、Netflixなどでも人気の話題作、2025年の注目作品も紹介

2024年のベスト映画と2025年の注目作品について、これまでトム・クルーズやジョージ・クルーニーなど多くの映画俳優や監督にインタビューしている映画パーソナリティのコトブキツカサさん(富士宮市出身)に話を伺いました。聞き手はSBSの新城健太アナウンサー。

© 藤本タツキ/集英社 © 2024「ルックバック」製作委員会

藤本タツキ原作のマンガをアニメに。「ルックバック」

コトブキ:今年も素晴らしい映画がたくさんありました。その中から、私が選んだベスト映画、邦画1本と洋画1本をご紹介します。どちらもサブスクで見られるので、年末年始に時間があったら見ていただきたいです。

まず邦画ですが、6月に公開されたアニメーション映画「ルックバック」です。

新城:私の周りに「めちゃめちゃ良かった」って言ってる人がたくさんいました。

コトブキ:実は僕、最初に劇場で見た後は良い映画だけどベスト映画になるとは思わなかったんです。徐々に自分の中で熟成されていって、この年末、「これが1位でいいんじゃないかな」と感じました。

この作品は、学校新聞で4コマ漫画を連載している小学4年生の藤野という少女が主人公です。彼女はクラスメイトから「漫画がすごい」「天才だ」と絶賛されていました。ある日、不登校の同級生で家で漫画を描き続けている京本の4コマ漫画も学校新聞に掲せるようにようにと先生から言われます。藤野が京本の漫画を見てみると、まさに「天才」なんですよ。

新城:天才と言われてきた藤野が、京本こそ天才だと思うんですね。

コトブキ:それで2人で力を合わせて漫画を描き始め、漫画賞を目指すようになる…というストーリーです。

この作品はわずか58分の短編なのにズシンと胸に来るんです。内容は細かく言いませんが、必ずどんな世界でも自分より才能が上の人っているじゃないですか。

新城:はいはい。

コトブキ:それが先輩や同僚、後輩であれ、才能の壁にぶち当たったとしても、それでも生きていくしかないし、諦めるわけにはいかないじゃないですか。全ての人に通じるメッセージが含まれている作品だと思います。

新城:そうなんですね。

コトブキ:クリエイターにお勧めだと言う人もいるけど、僕はすべての人、特に学生にぜひ見てほしいですね。

新城:「チェンソーマン」の作者が描いた作品と聞きました。

コトブキ:そうです。人気漫画家の藤本タツキさんが「少年ジャンプ+」で発表した読み切り漫画を劇場アニメ化した作品です。ぜひ注目してほしいです。

アカデミー賞にダブルノミネート「パスト ライブス/再会」

コトブキ:続いて洋画ですが、「パスト ライブス/再会」という映画です。この作品は、第96回アカデミー賞で作品賞と脚本賞にノミネートされ、評価を受けている作品なのですが国内でなかなか知れ渡らなかったんですよね。

主人公は韓国人で12歳の少年・少女です。少女ノラと少年ヘソンは元々恋愛感情を抱いていたのですが、ノラが父親の仕事の都合で海外に移住することになり、離れ離れになってしまいます。その12年後、Facebookで再会し「また会いたいね」というのですが諸事情で会うことができず、さらに12年後、36歳になった時にやっとニューヨークで再会し、さあどうなるかというお話です。

新城:へぇ〜。じゃあお別れして24年後にようやく再会ということなんですね。

コトブキ:そうなんです。この映画は「イニョン」という言葉がキーワードになっています。韓国語で「縁」という意味です。人生において、好きな人も嫌いな人も、その出会いは縁でしかないということなんです。「パスト ライブス」は直訳すると「過ぎた人生」という意味合いもあります。映画を見終わった後にこのタイトルが胸に響くんですよね。

新城:へぇ〜。

コトブキ:オープニングから最高の映画で、バーで男性2人と女性1人がお酒を飲んでいるシーンから始まり、端のほうから「あの3人はどんな関係かな?」という会話から始まるんです。カメラがズームしていくと、飲んでいる女性がカメラ目線になるんです。キャストがカメラ目線するってあり得ないでしょう。

新城:ほとんどないですね。

コトブキ:舞台でお客さんの目を見るとか、映像系でカメラを見ることを「第4の壁を越える」って言うんですよ。「古畑任三郎」で田村正和さんが解説するときカメラ目線するじゃないですか。あれなんです。

女性がカメラ目線した後「パスト ライブス」ってタイトルが出るんですが、新城くん、これがすごいのよ。作品を見終わった後、もう1回そのシーンを見返したくなるんです。

新城:オープニングなのに。

コトブキ:オープニングタイトルが出てくるところに意味があるんです。見終わった後、オープニングをもう1回見ると、意味が分かります。めちゃくちゃ素晴らしい作品で、映画愛に溢れています。主人公のノラという女性は舞台関係や脚本、映像系で仕事をしています。ノラの部屋のシーンで後ろに映る本棚とか。

途中でもう一人の主人公ヘソンが「モントークってどこにあるの?」って聞くんです。この他愛もない会話が2004年の映画「エターナル・サンシャイン」に掛けてあるんです。この映画は恋人同士が別れるんですよ。出会った方がいいのか記憶を抹消した方がいいのかというメタファーなんです。

新城:どっちの布石なんだろうってことですね。

コトブキ:このあたりもめちゃくちゃ上手い。ですが、ピンと来なかったという人もいるから、好みが分かれる映画ですが、僕は大好きです。ただの恋愛映画じゃないのよ。ぜひ見ていただきたいと思います。

新城:なるほど、ぐっと引き込まれました。

2025年の注目作「ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング」「アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ」「室町無頼」

新城:来年の注目作品を教えてくださ

コトブキ:まずトム・クルーズ主演作品「ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング」が公開されます。そして大ヒットした「アバター」の3作目「アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ」が来年末に公開予定です。VFXを駆使していると言われています。

日本映画では、1月17日公開、入江悠監督の「室町無頼」がむちゃくちゃ評判がいいです。

新城:ポスターには大泉洋さんのイラストが添えてあってかっこいいですね。リスナーの皆さんに一言どうぞ。

コトブキ:今年は「教養として知っておきたい映画の世界」という本を出版できました。お手に取っていただければと思います。

新城:コトブキさん、ありがとうございました。

※2024年12月23日にSBSラジオ「IPPO」で放送したものを編集しています。今回お話をうかがったのは……コトブキツカサさん
映画パーソナリティ。

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