新京成がメモリアルイヤーの幕開け飾るヘッドマーク電車運転 沿線高校生が干支をモチーフにデザイン(千葉県松戸市など)
新しい出発の年への期待と、78年の歴史のフィナーレへの寂しさが同居する……。複雑な思いで2025年を迎えるのは、新京成ファンかもしれない。
千葉県の準大手私鉄・新京成電鉄は2025年4月1日、親会社の京成電鉄に吸収合併。1946年10月の会社設立から、78年間の歴史に終止符を打つ。
【参考】京成電鉄と新京成電鉄の合併認可 新京成線は2025年4月から「松戸線」へ
https://tetsudo-ch.com/12965990.html
そんな新京成のメモリアルイヤー幕開けを告げるのが、恒例の「新年ヘッドマーク電車」。2019年にスタート、7年目の2025年も干支(えと)の蛇を沿線の高校生がデザインした。
「新年ヘッドマーク電車」は、1986年デビューで新京成では古豪の8800形1編成(6両)。掲出期間は2025年1月1~15日で、京成津田沼~松戸間の自社線内で運行する。
ファンにシャッターチャンスを提供するヘッドマーク電車、松戸、鎌ケ谷、船橋、習志野の沿線4市の高校から毎年1校にデザインを依頼。7回目の今回、千葉県立松戸高校の生徒2人がデザインした。
京成津田沼方先頭車、躍動する白蛇を迫力いっぱいに描いたのは国際人文科1年の小野由惟(ゆい)さん。松戸方先頭車、夜明けの空を進む蛇を3Dのような立体感満点にデザインしたのは普通科1年の窪田莉瑠(りる)さん。
小野さんは、デザインアプリを活用する現代的手法で作画。窪田さんは、アクリル絵の具を重ね塗りするオーソドックスな手法を使った(2024年12月13日の取材会で)。
デザインへのこだわりは、「新年らしい絵にしたかった。線に強弱を付けて蛇を目立たせ、細かいうろこにも時間をかけた」(小野さん)、「『新しい挑戦』がテーマ。蛇が初日の出を突き抜ける様子を想像し、竹を使って遠近感を表した」(窪田さん)。
2人はヘッドマーク電車と対面して感無量。小野さんは「電車が走ったら家族と見に行きたい」、窪田さんも「自分の絵がヘッドマークになってうれしい」と話した。
新京成ファンなら気になる次回以降については、「京成への合併後も継続するかは引き続き検討中」と総務人事部広報課。「沿線や鉄道ファンの皆さんに好評な企画だが、京成として継続すれば沿線が広域に及ぶので……」。新京成ファンは続報を待ちたい。
また、新京成は2024年12月16日から来年1月15日まで「年末年始1日乗車券」を枚数限定で発売している。期間中の1日に全線が乗り降り自由。1枚600円(子ども200円)で枚数限定。スマホアプリのRYDE PASSでも取り扱う。
記事:上里夏生