生麦事件参考館 再開へ“プレオープン” 市の助成事業に向け再始動
生麦事件の貴重な資料などを集めた私設の「生麦事件参考館」=生麦1丁目=が、再開に向け”プレオープン”を始めた。館の修繕費などの確保を目的に昨年度応募した市の助成事業では最終審査で次点となったが、今年度の応募に向け、地元住民らプロジェクトメンバーが決意を新たに動き始めている。
大名行列に立ち入った英国人を薩摩藩士が殺傷し、日本開国に大きな影響を与えた生麦事件。
参考館は、地元で酒屋を営んでいた故・浅海武夫さんが「地元の責任として記録を残しておかなければ」と、1994年に自宅敷地内に開館。国内外から集めた事件の錦絵や写真、文献など約150点を展示する貴重な資料館だった。
それから20年。大人だけでなく、地元の小学生も訪れるなど親しまれてきた同館だったが、浅海さんが23年に亡くなり、閉館していた。
しかし、再開を求める声が多く、歴史団体「鶴見歴史の会」や地元有志らで再開を目指す実行委「生麦事件参考館リユースプロジェクト」を昨年に結成。老朽化した同館を改修し、住民が集える場づくりのために横浜市の助成を得ようと「まち普請」事業に応募。1次審査は通過したが、最終の2次審査で1ポイント差の次点で涙をのんだ。
改めて館の大切さ実感
「昨年度の応募では、審査まで時間がなく準備不足だった」と振り返る鶴見歴史の会の酒井晴雄会長。「でも、準備を進める中で多くの方が参加してくれて、飛び込みで清掃などを手伝ってくれた人もいた。みんなが再開を望んでいて、改めてここは鶴見の後世に残すべき大切な場所だという認識を強めた」と話す。
実行委では、生麦事件に関する講座やホームページの開設など活動を活発化させている。今後も地域と対話を重ね、展示内容や運営方法を一緒に検討していく。次回のプレオープンは4月26日、27日。その後は毎月第2、4週の土日を予定。日程や時間など詳細は酒井さん【携帯電話】090・9855・7386へ。