ここでしか観られない!? 静岡市出身の版画家・月見里茂さんとの共同作品も!「ひこねのりお展 富士山を見にお出かけ編」
88歳のみずみずしい感性に驚き!駿府博物館「ひこねのりお展」
皆さんこんにちわ。静岡市駿河区にある駿府博物館・副館長の杉山渉です。
静岡市駿河区の駿府博物館で7月19日から9月15日まで、展覧会「ひこねのりお展 富士山を見にお出かけ編」が始まります。ひこねさんは戦後を代表するアニメーター、イラストレーター。代表作に「カールおじさん」「パピプペンギンズ」があります。
ひこねさんは88歳ですが、旺盛な創作意欲で、今回の展覧会でも多くの新作を出品しています。ちょっと違った角度から、展覧会を見てみましょう。
“ひこねさん夫妻”が来館者をお出迎え!
展覧会場の入り口では「ドレミロとソレミロ」というキャラクターが、皆さんをお出迎えします。
なぜ、この2人が「お出迎え役」を務めているのでしょうか? それは2人がひこねのりおさんと妻まふみさんの分身として表示されるキャラクターだからです。
キャラクターたちは、資源のない星で芸を売って暮らす「おめでた星」で暮らしています。まふみさんはのりおさんの創作活動を全面的にサポートしています。
学芸員の提案をきっかけに、夢のコラボが実現!
駿府博物館では静岡市出身の版画家・月見里茂さん(1928~1999)の作品を所蔵しています。 富士山、日本平、三保の松原を表現した素晴らしい作品ですが、なかなか博物館で展示されることがありませんでした。
そこで、学芸員の黒井莉香さんが「ひこね先生と月見里先生の作品の色調が合うと思ったことや静岡らしさ」を考え、ひこねさんに、 月見里さんとの“共同制作”を提案。すると見事に時間を超えたコラボが実りました。当館でしか鑑賞できない作品です。
何百年後には富士山を見に、宇宙人がやってくるかも!?
「何百年後には富士山を見に、宇宙人がUFOでツアーを組んでやってくるかもしれない」と考えるひこねさんは「UFOツアー」という14点のシリーズ作品を新作として発表しています。タイトルも1作品ずつ、ひこねさんが付けました。
「気をつけておりろよ」、地球の虫とコミュニケーションを図る「宇虫人のごあいさつ」、宇宙人と河童が酒を酌み交わす「まぁ一杯!」、一品一品の作品が、物語を紡いでいます。 「頭をカラッポにして、キャラクターたちを楽しく見ていただき、そして和んでいただけたらうれしい」とひこねさんは祈っています。
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■ひこねのりお展 富士山を見にお出かけ編
会場:静岡市駿河区登呂3-1-1 静岡新聞放送会館別館2階
開館時間:午前10時~午後5時
入館料:高校生以上800円
駐車場:駿府博物館北側駐車場(障がい者用を含む5台)