【姫路周辺】播州秋祭り!「灘のけんか祭り」など、2024年の開催日や見どころを紹介
太鼓の練習をする音が聞こえてくると、まもなく播州の秋祭りシーズン。「灘のけんか祭り」をはじめとした各地の開催情報と例年の見どころを紹介!豪華賢覧な神輿や屋台による練り合いや、獅子舞による演舞はまさに圧巻です。氏子たちの熱気が伝わってくる威勢のよいかけ声とともに秋の祭りを楽しんで。
【最新版】2024年の秋祭りはどうなる?
毎年秋に播州地域で行われる祭り「秋祭り」。「灘のけんか祭り」をはじめ、数多くの祭りが播州各地で開催される季節がやってきます。毎年の開催を楽しみにしている人も多いのでは?
本記事では、例年の播州秋祭りの見どころとともに、2024年の開催状況を詳しく紹介します。
1.灘のけんか祭り(松原八幡神社春季例大祭)<姫路市>
【祭り名】灘のけんか祭り(松原八幡神社春季例大祭)
【2024年の日程】10月14日(月・祝)、15日(火)
【アクセス】松原八幡神社
山陽電車「白浜の宮駅」南西 徒歩約5分
宵宮(よいみや)は灘地区旧七ヶ村の屋台が次々と松原八幡神社に到着し、各村の神事などをとり行います。
本宮(ほんみや)は神社へ宮入りをすませた後、舞台を御旅山(おたびやま)に移し、松原村の露払い(つゆはらい・獅子屋台荒練り)の後、その年の練番の村が3基の神輿(みこし)をかつぎ登場。
麓にある練り場では「けんか祭り」の由来とされている神輿練りを行い、その後6台の屋台が次々と練り込んできます。
■見どころ その1
一般の人が屋台をじっくりと観るなら、御旅山山頂へ登る道中がおすすめ。真近に観ることができ迫力も十分です。
また宵宮の楼門到着時は特に元気がよく、男衆が一年間待ちに待った喜びを爆発させて屋台を練り合わせる様子も見どころ。
楼門前ではより気合いが入り、屋台を差し上げる高さや揺さぶる激しさは圧巻です。
■見どころ その2
拝殿前から楼門前鳥居で行われる神輿合わせ。
7年に一度の練り番になると、本宮では一の丸、二の丸、三の丸が「灘のけんか祭り」といわれる神輿合わせを披露します。
■祭り飯
灘のけんか祭りといえば「このしろ寿司」やシャコ(地元ではシャクとも呼ぶ)、ワタリガニなどですが、「このしろ寿司」は各家庭で作るもので、シャコやカニは祭り当日は価格が高騰し売っている店もないため、一般の人はなかなか食べられません。
地元の人がおすすめする祭りグルメは、松原屋台蔵前の老舗「小松屋」の甘酒。祭り当日に男衆が甘酒をたしなむそうで、地元では「こまっちゃ」と親しまれています。当日はお店で甘酒と自慢の味噌田楽を販売。
2.大塩天満宮秋季例祭<姫路市>
【祭り名】大塩天満宮秋季例祭
【2024年の日程】10月14日(月・祝)、15日(火)
【アクセス】大塩天満宮
山陽電車「大塩駅」南 徒歩約1分
豪華な屋台の練り合わせ、一ツ物(ひとつもの)神事、御面掛神事、兵庫県指定重要無形民俗文化財の「毛獅子」の舞が行われます。
■見どころ
境内で舞う毛獅子舞。兵庫県指定重要無形民俗文化財に登録されている「大塩天満宮獅子舞」。8地区(小林丁、牛谷丁、東之丁、宮本丁、中之丁、西之丁、北脇丁、西濱丁)から毛色や表情の違う8頭の毛獅子が登場します。
鳥居から拝殿まで8頭が一列に並んで豪快な舞を見せる道中舞は圧巻。その後披露される地舞(じまい)では、丁ごとに異なる舞で一つのストーリーを表現。「セーイ、セーイ」の掛け声とともに荒々しく毛を振り乱します。
3.魚吹八幡神社秋季例祭<姫路市>
【祭り名】魚吹八幡神社秋季例祭
【2024年の日程】10月21日(月)、22日(火)
【アクセス】魚吹八幡神社
山陽電車「山陽網干駅」北 徒歩約15分
2日間で「提灯練り」、3基の神輿渡御、檀尻(だんじり)4台と屋台(やったい)18台の練り出し、檀尻芸奉納、獅子舞奉納などが行われます。
18村の屋台の重厚な漆屋根や細部にまでこだわった彫刻、豪華な隅絞りや伊達綱(だてづな)は圧巻の美しさ。檀尻の重さは約3.5トン。子どもから大人までが力を合わせて檀尻を引く勇壮な姿も見逃せません。
■見どころ
10月21日(月)19:00~22:00に楼門前で行うちょうちん練り。御旅所までの渡御の道中、灯りを点けて神輿にお供したことが始まりとか。
海に近い7町が「御神燈(ごしんとう)」と書かれたちょうちんを壊れるまで激しくぶつけ合います。町によって異なる練り方をしているので見比べてみて。
「チョーサー」の掛け声と共に、一気に屋台を差し上げる屋台練りも参詣者を魅了します。
4.曽根天満宮秋祭り<高砂市>
【祭り名】曽根天満宮秋祭り
【2024年の日程】10月13日(日)、14日(月・祝)
【アクセス】曽根天満宮
山陽電車「山陽曽根駅」北 徒歩約3分
宵宮、本宮の両日ともに勇壮な屋台の練り合わせ、一ツ物神事(ひとつものしんじ)、竹割りが行われます。
屋台は2トン近くもある「布団屋台」で、屋根に布団を三層重ねたような形になっています。他の祭りの屋台とは違い、色があって華やかなのが特徴。町ごとに布団の色が違い、屋根の上は市松模様の布で覆われていて、曽根西之町だけ梅鉢の文様が描かれています。
また、曽根天満宮内と周辺には150店ほどの露店が並び、数万人もの人々が訪れてにぎわいます。
■見どころ その1
まず一つ目は、時代絵巻さながらの古風な方法で行われる「一ツ物神事」。
一ツ物とは、神様が憑依して神の意思を受け取る人とされていて、毎年曽根、伊保、東西阿弥陀の4町から児童が一人ずつ選ばれます。頭に山鳥の羽根をつけ尾花を持つ一ツ物は大切に扱われ、地面に足をつけないように1日目は肩車をされて、2日目は馬に乗って登場します。
■見どころ その2
二つ目は「竹割り」。長さ10mほどの青い真竹を、播州地搗歌(じつきうた)の囃子(はやし)に合わせて粉々に割れるまで地面に叩きつけます。
珍しい神事で、楽しみに観に来る人も多いそう。真竹は一ツ物の先導と露払い、遠くからでも分かる目印としての役割を持っています。
5.大宮八幡宮 秋まつり<三木市>
【祭り名】大宮八幡宮 秋まつり
【2024年の日程】10月12日(土)、13日(日)
【アクセス】大宮八幡宮
神戸電鉄「三木駅」徒歩約6分
三木市本町にある「大宮八幡宮」で行われる秋まつりは、播州三大祭りの一つとして有名。各地区の屋台8基が、急な石段を上り下りする宮入宮出が最大の見どころです。境内にそろった屋台による練り合わせは圧巻で、会場は参拝者と担ぎ手の熱気に包まれます。
■見どころ
夜宮(宵宮)の日(12日)の午後には、屋台8基が「三木鉄道記念公園」に集結。その後、明石町を先頭に、新町、全末廣、下町、栄町、平田、高木の順に宮入りします(13日は・・・高木、平田、大村の順)。刺繍や木彫、錺金具の伝統的な職人の技が一体となった華麗な屋台は一見の価値あり。
見どころは何といっても85段の急な石段を登る宮入り。暗闇に浮かび上がる豪華絢爛な屋台が、威勢のある掛け声とともに一段一段上っていく姿は迫力満点です。
宮入りする際、大村地区を除く7基の屋台は命綱をつけて行いますが、大村地区だけは命綱をつけないそう。緊迫感あふれる宮入りをぜひ目に焼き付けて。
6.恵美酒宮天満神社秋季例大祭<姫路市>
【祭り名】恵美酒宮天満神社秋季例大祭
【2024年の日程】10月8日(火)、9日(水)
【アクセス】恵美酒宮天満神社秋季例大祭
山陽電車「飾磨駅」南西 徒歩約10分
24人で泥台を担ぐ「台場練り」が有名。300年前から続く、8年に一度の本神事の年がある。
■見どころ
「姫路市重要無形民俗文化財」にも認定された「台場練り」。総勢24人が屋台の下に潜り込み、肩で泥台を担ぎ上げて地区を練り歩きます。重さ約2トンの屋台が浮いているかのように見える様子は、見ごたえ抜群。力と経験に自信のある段集による“命がけの技”を見届けて。
7.荒川神社秋季例大祭<姫路市>
【祭り名】荒川神社秋季例大祭
【2023年の日程】10月14日(土)、15日(日)
【アクセス】荒川神社
神姫バス17系統「井ノ口」下車 徒歩約5分
「小芋祭り」とも呼ばれ、本宮の日に行われる「階段登り」は観客も手に汗を握ります。
灘の宇佐崎、飾磨の中島と並んで播州三太鼓の一つといわれる玉手の太鼓。丸味を帯びた胴の形が特徴で、力強い音は町の隅々まで響き渡り、余韻がいつまでも残ります。玉手の宝として代々受け継がれています。
太鼓の後ろに配された水墨画は玉手出身の金澤徹さんの作品。太鼓同様に大切にされています。
8.英賀神社秋季例大祭<姫路市>
【祭り名】英賀神社秋季例大祭
【2024年の日程】10月17日(木)、18日(金)
【アクセス】英賀神社
JR「英賀保駅」南西 徒歩約15分
2019年には、英賀(あが)神社の拝殿新築工事が完了し、拝殿練り(はいでんねり)が復活!拝殿の中で差し上げる拝殿練りや高町のはしご獅子、英賀保駅前の10町練りなど見どころが多い祭り。
■見どころ
「城南町」の屋台は、ほとんど手に入らない樹齢約400年の木曽ヒノキを使用。伊達綱のあかね色は「町民の情熱」を表し、金色は「町民の心の豊かさ」の思いが込められています。
挟間(さま)を付ける前だからこそ見られるのが屋台の天井。「英賀清水町」の屋台には、神社仏閣などに使用されている「二重折り上げ格天井(ごうてんじょう)」と呼ばれる技法が用いられています。脇棒受けには「清水」にちなんで湧水と、町民の輝きを表現した紅葉が彫刻されています。
「英賀西町」の屋台の挟間には英賀神社のご祭神・英賀彦神、英賀姫神(前)と菅原道真公(後)を彫刻。屋台は町内の工務店が屋台製作所の指導を受けながら製作。2019年に英賀神社への敬神の念と匠の技を継承する屋台が新調されました。
9.津田天満神社秋季大祭<姫路市>
【祭り名】津田天満神社秋季大祭
【2024年の日程】10月12日(土)、13日(日)
【アクセス】津田天満神社
山陽電車「西飾磨駅」東 徒歩約10分
■見どころ
氏子(うじこ)による4町の大屋台(おおやたい)4基と子ども屋台2基、獅子舞壇尻1基が各町を練りまわります。狭い拝殿内で泥台を地に付けた状態から屋台を差し上げる一気差しは見どころ。差し方は町ごとに違うので見比べてみて。
10.湊神社秋季例大祭<姫路市>
【祭り名】湊神社秋季例大祭
【2024年の日程】10月13日(日)、14日(月・祝)
【アクセス】湊神社
山陽電鉄本線「的形駅」西 徒歩約7分
湊神社と山陽電車「的形」駅前で行われる荒々しい7台の屋台による練り合わせは見どころの一つ。
7台の屋台のうち、福泊(ふくどまり)の屋台は2000年から使用しているもので、装飾の一部は1928年に新調した屋台から受け継いでいました。2015年から水引幕や高欄掛(こうらんかけ)、伊達綱(だてづな)の順に取り替え、2017年には89年ぶりに露盤(ろばん)を新調。摂播五泊の一つとして栄えた福泊らしく海の神話「干珠満珠物語(かんじゅまんじゅものがたり)」がモチーフ。代々継承してきた龍を正面に、播磨ゆかりの神々を三方に配した図柄です。
11.正八幡神社秋祭り<姫路市>
【祭り名】正八幡神社秋祭り
【2024年の日程】10月12日(土)、13日(日)
【アクセス】正八幡神社
JR播但線「溝口駅」東 徒歩約15分
6台の屋台(宮脇、中野、上野、八幡、御立村本村、御立村大澤)が境内に入ると、宮脇地区による龍王舞(じょまいじょ)、中野地区による獅子舞を奉納。
■見どころ
境内で行われる中野獅子舞。雨乞いを祈願する中野獅子舞は、高さ5.4mの三間梯子(さんげんはしご)を2本組み合わせた舞台で離れ業を演じます。頂上で獅子が直立し、にらみを利かせた後、頭から下りていく様子は見応え十分。
12.浜の宮天満宮秋季祭典<姫路市>
【祭り名】浜の宮天満宮秋季祭典
【2024年の日程】10月8日(火)、9日(水)
【アクセス】浜の宮天満宮
山陽電車「飾磨駅」南 徒歩約15分
大屋台(おおやたい)4台、小屋台3台、 壇尻1台が練り歩きます。
■見どころ
姫路市無形民俗文化財に指定されている「台場差し(だいばさし)」。「チョー」の掛け声で練り子が屋台を差し上げた後、「サーイーテーバ・チョーサー」の掛け声で屋台の泥台(台場)の下に入った差し手24人だけで屋台を頭上高く差し上げる荒業で、維持できる時間を競います。披露するのは、須加・宮・天神・西細江の4地区。長く美しく静止する屋台。差し手の力強さに魅せられます。台場差しは、境内で実施。
※記事内で使用している写真は、いずれも2019年の取材時に撮影、または提供されたものです。