犬が食べると危険な『年末年始の食べ物』4選 絶対NGな理由や誤食を防ぐ方法まで
年末年始はおいしいご馳走がたくさん…犬は誤食に注意
年末年始には、多くのご家庭でたくさんのご馳走が食卓に並びます。家族全員で食卓を囲み、ご馳走に舌鼓を打つ様子を見て、愛犬が羨ましそうに眺めていることもあるでしょう。
そんな年末年始のおいしいご馳走の中には、犬が口にしてしまうと中毒症状や窒息など、危険性のある食材も含まれています。したがって、愛犬が誤食しないよう特に注意が必要な季節です。
犬が食べると危険な『年末年始の食べ物』4選
犬が食べてしまうと危険な『年末年始の食べ物』には、どのような食材が該当するのでしょうか。与えるべきではない理由も解説します。
1.おもち
おもちは12月に入るとスーパーなどでもよく見かけるようになる年末年始の定番食材です。さまざまな調理方法が楽しめるので、多くのご家庭で使われることでしょう。
おもち自体には有毒性はありませんが、犬は食べ物をよく噛まずに飲み込んでしまう傾向が強いため、おもちを口に入れてしまうとそのまま飲み込んでしまい、窒息する危険性が非常に高いです。したがって、与えないように気をつけましょう。
2.生の甲殻類
おせち料理やお正月のお祝い料理としてカニやエビといった甲殻類が調理されることも多いです。しかし、犬に生のまま甲殻類を与えることは絶対にやめてください。
生のカニやエビには、チアミナーゼという酵素が含まれています。これはビタミンB1を分解する働きがあり、犬が摂取してしまうとビタミンB1欠乏症を発症し、ふらつきや食欲低下、麻痺などの症状が現れる恐れもあります。
加熱すればチアミナーゼは分解されるので、もしもエビやカニを一緒に楽しみたいという場合は、必ず加熱して与えるようにしてください。
3.おせち
おせち料理を愛犬と一緒に食べたい、と飼い主が食べる分のおせちから少しだけ取り分けて愛犬に与える人がいます。しかし、人間用のおせちは調味料が多く使われていたり、犬にとって中毒症状を引き起こす食材が使われている恐れがあるので与えてはいけません。
最近では『犬用のおせち』も販売されているので、一緒におせち料理を楽しみたいという方はぜひ犬用おせちを事前に予約・購入しておきましょう。
4.お寿司や刺身
お寿司やお刺身も年末年始に食卓に並ぶご家庭が多い料理です。しかし、生魚にも前述したチアミナーゼが含まれていることが多く、ビタミンB1欠乏症を発症するリスクが考えられます。
また、犬は人間以上に食中毒症状が重くなりがちです。もしもお寿司やお刺身に食中毒の原因となる寄生虫がついていた場合、症状が重症化する恐れも懸念されるので、与えないように注意してください。
犬の誤食を防ぐためにやるべき対策は?
飼い主がおいしそうに料理を食べていると、愛犬も欲しがる様子をみせるでしょう。愛犬が隙をついて誤食しないよう、なるべくダイニングテーブルなどの高さのあるテーブルで食事をとるようにしてください。
愛犬が激しくごはんを欲しがるという場合は、食事中だけでもケージに入っていてもらったり、近くにサークルを作り、その中で過ごしてもらうなど、行動範囲に制限をかけることで誤食を防ぎましょう。
まとめ
年末年始には、さまざまなご馳走が食卓に並びますが、基本的に人間の食べる食べ物を犬に与えることは避けてください。どうしても一緒に楽しみたいという場合は、味付けをしていない状態で安全な食材のみを取り分けてあげるなど、愛犬が安全に食材を楽しめるよう配慮してあげましょう。
(獣医師監修:寺脇寛子)