国スポ目指すサッカーU-16男子静岡選抜の佐野泰聖(静岡学園高)と河波飛和(清水エスパルスジュニアユース)をピックアップ!
<第40回静岡県ヤングサッカーフェスティバル・U-16静岡選抜 1−1 U-16東京選抜>
静岡県ヤングサッカーフェスティバルに出場したU−16男子静岡選抜は、今秋の国民スポーツ大会(滋賀県開催)に向けて結成された。早生まれの現高校1年生までが対象で、メンバー入りを懸けた競争がこれから本格化していく。
ヤングサッカーフェスティバルにフル出場した中盤の2人、佐野泰聖(静岡学園高)と河波飛和(清水エスパルスジュニアユース)を紹介する。
MF佐野泰聖(静岡学園高)「静学らしさ、出さないと」
今秋の国民スポーツ大会で全国制覇を狙う静岡選抜の攻撃にアクセントをつける役目を担ったのが、トップ下に入った静岡学園高1年の佐野泰聖。テクニック集団の中で磨いている足技を駆使し、楽しそうにプレーする選手だ。
持ち味は前を向いてからのドリブルやスルーパス。狭い局面ではヒールキックやループパスを繰り出し、相手を惑わせる。ミスをすることもあるが、観衆を魅了するプレーに果敢にトライしようとする姿が印象的だ。
「中3の選手には負けられないし、強い気持ちでプレーしました。積極的に前にいくプレーが自分の強み。静学の試合ではなくても、『静学らしさ』はやっぱり出さないといけないなと思っています」。後半途中からは右サイドバックに位置を移し、最後までピッチに立ち続けた。
佐野は大阪府の千里丘FCから静岡学園に入学した。練習会に参加した時に自分の持ち味を全く出すことができず、「ここで通用する選手になる」と誓ったという。
静岡学園では現在セカンドチームでプレーしているため、4月からはプリンスリーグ東海が主戦場になりそうだ。「しっかり結果を残して、早く(プレミアリーグの)トップチームに上がりたいです。国スポでも、また静岡がサッカー王国と言われるように優勝したいです」。いくつもの目標を追う1年が始まった。
MF河波飛和(清水ジュニアユース)「憧れはイニエスタ」
静岡選抜の攻守のつなぎ役として、どこにでも顔を出していたのがボランチの河波飛和だった。ボールが足元に収まれば、軽やかなタッチを見せる。だが、それよりも目立ったのは守備時の献身性だ。165センチと小柄ながら、ひたむきにピンチの芽を刈り取りにいく。
「相手に前を向かせてしまうと、どんどん展開されてしまうので、前を向かせないことは常に意識しています」。敵が後ろ向きでトラップした瞬間を見逃さず、一気に距離を詰めて自由を奪う。「スピードはそれほど速くないです(笑)」。足りない部分を“読み”で補うことを意識しているという。
攻撃時は前線にボールをつけて自分も前に出ていくスタイルだ。参考にしているのは元スペイン代表のイニエスタ。アスリート能力ではなく、足元の確かな技術で世界的なスターとなったテクニシャンから勇気をもらっている。
藤枝市出身で、小学時代はキューズFCエスパルスから清水エスパルスU-12清水へ。清水の指導陣からは「これから球際の強度がどんどん高くなっていく。そこで負けないように」と課題を与えられている。チームの仲間たちと筋トレにも励む日々だ。
静岡選抜は昨年、52大会連続出場中だった国民スポーツ大会(旧国体)の出場を逃した。
「自分たちが目標としているのは全国優勝なので東海では負けていられない。これからの県選抜の活動で、みんなで高め合っていきたいです。攻撃でも守備でも、チームを助けるような役割ができると思っています」。
汗かき役としてチームに欠かせない存在になっていくつもりだ。