カタルーニャ最大級の組合から成るワイナリー「セジェールス・ウニオ」 ~「ガルナッチャ/グルナッシュ プレゼンテーション&テイスティング」レポート⑥
スペインのガルナッチャ・オリヘン協会とフランスのルーションワイン委員会は2024年11月7日、東京都港区の八芳園で「ガルナッチャ/グルナッシュ プレゼンテーション&テイスティング」を開催した。
同イベントでは、両団体がEUの協力のもと共同で展開する「ガルナッチャ/グルナッシュ ヨーロッパの高品質ワインプロジェクト」の一環として、スペインではガルナッチャ、フランスではグルナッシュと呼ばれるぶどう品種についてのセミナーと、同品種でつくられたワインの試飲会を実施した。
今回は、試飲会に参加した5ワイナリーの中から、スペインのセジェールス・ウニオ(Cellers Unió)を紹介する。
セジェールス・ウニオとは
セジェールス・ウニオは、スペイン・カタルーニャ地方のレウスに1942年に設立された同地方最大のワイナリー(協同組合)だ。
カタルーニャ州タラゴナの農業協同組合の設立40周年を記念して結成されたもので、地元農家が約2万もの組合員となって巨大組織を形成。ぶどう畑の総面積は約4400万㎡で、ワインの他にもナッツ、オリーブオイルなどの農産物を持続可能な方法で生産し、カタルーニャ地方の豊かな自然環境を守っている。
スペイン初の原産地呼称(DO)となるプリオラート(現在は特選原産地呼称のDOCa)を始めとして、タラゴナ、テラ・アルタ、モンサン、カタルーニャ、カバ(カヴァ)の全6銘柄の原産地の協同組合20社が集結。現在、タラゴナのビラリョンガ・ダル・カムにある醸造施設を中心に、品質を追求したワインの製造・研究を行っている。
セジェールス・ウニオの看板ワインは、プリオラートDOCaで生産している赤ワインの「リコレラ」だ。「リコレラ」とは、この産地特有のスレートと石英からなる痩せた火山性土壌のことで、非常に低収量で凝縮感のある最高品質のガルナッチャを育てるのに適している。
他にも、モンサンDOやテラ・アルタDOなど、ガルナッチャを100%使用した質の高いワインを生産している。
リコレラ クラシック
Llicorella Clássic
タイプ:赤
ぶどう品種:ガルナッチャ、マズエラ
色は紫がかった深いチェリーレッドで、黒い果実やバニラ、ローストしたアーモンドにマーマレード、ココアがほのかに香る。丸みを帯びた力強い味わいで、長く続く余韻とエレガンスさのバランスに優れたワイン。
ペルラート ガルナッチャ
Perlat garnatxa
タイプ:赤
ぶどう品種:ガルナッチャ100%
モンサンDOのガルナッチャ100%でつくられたワイン。イチゴやラズベリーなどのフレッシュな赤い果実にブラックベリーなどの熟した黒の果実が加わり、花やスパイス、バルサミコビネガーなどが合わさった複雑な香りが際立つ。ボリューム感があり、バランスの取れた酸味がフレッシュな印象を与える。
クロ・デル・ピネル
Clos del Pinell
タイプ:赤
ぶどう品種:ガルナッチャ100%
テラ・アルタDOのガルナッチャ100%でつくられたワイン。果実や花のアロマに、バルサミコビネガーが加わる。フルーティーで甘く、フレッシュで飲みやすい味わい。
同シリーズとして、赤(写真左)の他にもロゼ(写真中央)、白(写真右)も生産している。