参議院選挙の投票。意識すべきは「物価高対策の早さ」?
ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日15時30分~17時、火~金曜日15時30分~17時35分)、7月3日の放送にノンフィクション作家の常井健一が出演した。参議院選挙で何が問われているか、投票の際に意識するポイントはどこか、解説した。
長野智子「今回の参議院選挙、何が問われているか、ということです」
常井健一「一言でいうと政治家の実行力を問う選挙なのでは、と思います。昨年の衆院選で少数与党国会になって。野党も政策実現が可能になりました。自公が多数だった時代、自民党が『実行力は自民党にしかない』『野党は理想ばかり言っている』と訴えればよかった。それが自民党選挙の常識でした。一方で公明党も『政策実現力が強みです』と訴えるのがスタイルだった。でもそれが通用しなくなった」
長野「確かに」
常井「国民民主の103万円の壁(見直し)、維新の高校教育無償化、確かに自公の協力を得て実現しましたけど。通常国会の最終盤、野党がまとまれば自公がいなくても衆議院史上初のことが次々と起きたでしょう」
長野「はい」
常井「野党一致で財務金融委員長の解任、ガソリン暫定税率廃止法案も衆議院だけだったけど通りましたね。でも自民党はいまだに、実行力を誇張しているんです。きょうも小泉進次郎さん、第一声で『今回の選挙は実行力が問われている』と。私と同じことを言っている、と思ったんですけど(笑)。それは我々にしかできないと心の底から思うんですと訴えていたけど、少数与党国会にしては自民党のオールドスタイルだな、と思いました」
長野「反応はどうでしたか?」
常井「シラ~ッ、という感じです。人が集まっていなくて、盛っても200人ぐらい。自民党関係者によると動員していないからだ、と言いますけど。それにしても小泉進次郎さんの街頭演説って2010年からずっと、500回以上聴いていますけど、初日で200人というのは異例です。0がひとつ違いますね」
長野「なるほど」
常井「小泉進次郎さんでもお寒い風が吹いている自民党です。実行力とは自民党や公明党の専売特許ではない、と皆さん、意識をアップデートしましょう。今回、物価高対策がテーマといわれていますけど、物価高対策はいうなれば給付と減税しかない。どっちかしないか、どっちもやる。どの党もやるべきことって変わらないんです。どこで差がつくかといえば、結局、早いか遅いかの違いなんです」
長野「はい」
常井「しかし早さという点で自公政権というのは備蓄米の放出を見ても、遅いわけです。ならばどの政党に力を与えて強くすれば給付や減税が早く行われるのか。これを考えていくのが今回の選挙だな、と。与党をもっと強めれば早くなるのか、野党を強くすれば早くなるのか。それとも少数政党にアクセルやブレーキ役を任せるか。要するに早さです。どこに力を与えればいいのか、と投票行動のとき考えてほしい、と思います」
このあとも参議院選挙についての解説が続いた。