特養ホームなどを上越老人福祉協会に無償譲渡へ 上越市のフランシスコ第三会マリア園
新潟県上越市で特別養護老人ホームや認定こども園などを運営する社会福祉法人フランシスコ第三会マリア園(西城町2、伊能哲大理事長)は、2026年4月1日に全ての高齢者福祉事業を同市内の社会福祉法人上越老人福祉協会(上真砂、川室優理事長)に無償譲渡する。理事長職を務めるカトリック高田教会の将来的な無人化が検討されていることや、国が進める介護現場を担う社会福祉法人の大規模化などが理由。「マリア愛児園」などの認定こども園や母子生活支援施設の児童福祉事業は継続する。
《画像:フランシスコ第三会マリア園が運営する特別養護老人ホーム「さくら聖母の園」(西城町2)》
マリア園は1932年(昭和7年)に、カトリック高田教会(西城町2)の神父が信者集会所に子どもを集めて幼児育成事業を始めたことに由来する。キリスト教精神に基づき、保育園と母子生活支援施設を運営し、1957年に社会福祉法人となった。高齢者福祉事業は1992年に特養ホーム「さくら聖母の園」(西城町2、定員100人)の開設から手がけ、ほかに軽費老人ホームやデイサービスなどを運営している。
上越老人福祉協会は、1878年(明治11年)に開院した現在の川室記念病院を母体とし、1973年に社会福祉法人として設立された。翌年に上越地域で初めての特養ホーム「いなほ園」を開設するなど、地域の高齢者福祉の先駆的法人。特養ホーム3施設(地域密着型含む)、軽費老人ホーム3施設(指定管理含む)、介護老人保健施設1施設をはじめグループホームやデイサービスなど幅広い高齢者福祉サービスを提供している。
高齢者福祉事業の譲渡は、マリア園側からの打診を受けて約3年前から協議を重ね、2024年8月に基本合意した。特養ホームのほか、さくら聖母の園内にある軽費老人ホーム「ケアハウスさくらの郷」(定員18人)、デイサービスセンター(定員23人)、老人介護支援センター「さくら」と、デイサービス「デイホーム金谷」(大貫2、定員25人)の土地・建物を含む全ての事業を無償譲渡する。
譲渡施設に勤務しているマリア園の約110人の職員は、本人の意向を確認した上で、上越老人福祉協会に転籍となる予定。また2施設あるデイサービスはデイホーム金谷に集約する。
高田カトリック教会主任司祭でマリア園の伊能理事長は「50年以上の歴史を持ち、地域の老人福祉事業に従事してこられた上越老人福祉協会が私どもの事業を引き受けてくださったことに感謝申し上げます」としている。
上越老人福祉協会の川室理事長は、同じ医療・福祉グループの高田西城病院と高田カトリック教会は共に西城町2で100年以上の歴史があり「昔から縁が深い」と話し、「利用者の視点を大事にし、より質を高め、上越地域の高齢者が快適に利用できる施設にしていきたい」と語った。
社会福祉法人 フランシスコ第三会 マリア園( http://www.francisco3.jp/index.html )
いなほシニアネット 社会福祉法人 上越老人福祉協会( https://www.inaho-s-net.com/ )