旭丘高校出身 阿武剋関が新入幕 大相撲九月場所で
新名学園旭丘高等学校(水野浩理事長・学校長/小田原市)出身の阿武剋(おうのかつ)関(24・阿武松部屋)が、9月8日(日)から始まる大相撲・令和六年九月場所で新入幕を果たした。小田原市内の高校出身者の幕内力士は、1995年に新入幕の朝乃翔以来という。
昨年の十一月場所で初土俵を踏み、1年足らずでのスピード出世だ。モンゴル出身の阿武剋関(本名バトジャルガル・チョイジルスレン)は、15歳のときに相撲未経験ながら可能性を見出され、同校が国際連携教育の一環で実施する留学第1期生として、現幕下の旭海雄(本名シャグダルスレン・ダライバートル)とともに来日。高校生活を市内で送った。
モンゴルで行われた選考会での印象について同校相撲部の岸田光弘監督は、「体重は70kg台で体は小さかったが、将来性を感じた。修正能力のはやさは群を抜いていて、『勝ちたい』という目の輝きは一番だった」と振り返る。
相撲を一から学び稽古を重ね、高校3年でインターハイ個人戦で準優勝、日本体育大学4年生のときに学生横綱のタイトルを獲得した。昨年の十一月場所で幕下15枚目格付け出しで角界デビューすると、新十両に昇進した今年の五月場所で十両優勝争いに名を連ねた。直近の七月場所は9勝6敗で勝ち越し、8月26日に日本相撲協会発表の九月場所の番付で新入幕を果たした。
番付発表後、本人から「一生懸命頑張ります」と連絡があったと岸田監督。「ここからがスタート。15日間相撲をとれる精神力と基礎体力が求められる。一番一番、良い相撲を」とエールを送る。水野理事長は「相撲を通して日本とモンゴルの架け橋となるスタートラインにも立った。地域の人が応援してくれていることを忘れずに自分が納得できる相撲をしてほしい」と期待を寄せた。
地元でも祝福の声
小田原相撲連盟会長であり、経営する飲食店で同校相撲部の食事をサポートしている田川順也さんは「創部時、岸田監督と『地元から横綱を誕生させよう』と誓った。その目標に近づいた。けがに気を付けて白星を重ねてほしい」と話した。土俵をイメージしたマドレーヌを作っている「和菓子うめぞの」(栢山)の勝俣栄さんは、「地元から幕内力士が出るのはうれしい。九月場所が楽しみ」と話していた。
新入幕昇進祝賀・激励会
9月25日(水)の午後6時から、旭丘高等学校第1校地で新入幕昇進祝賀・激励会が行われる(会費制・要事前申し込み)。詳細と申し込みは、同校【電話】0465・24・2227。