地球のような星が生まれる確率は10の4万乗分の1って、本当ですか?
メインパーソナリティ・パンサー向井の周りには、個性豊かなパートナーが勢ぞろい。さらに、お笑い芸人やタレント、アーティストなど、愉快 なゲストが毎日やってきます。
ふらっと こども電話相談室
2024年10月16日放送
パンサーの向井慧が「電話のおにいさん」となって、毎回、様々な質問に合わせた頼もしい先生をお呼びしています。
今回は10月16日に放送したゆうきくんと荒井大作先生のつづきです。地球によく似ているといわれる惑星ケプラー1649cにはいつ移住できるかを質問してくれたゆうきくん、もうひとつ聞きたいことがあるというので荒井先生にお答えいただきました。
Q.地球みたいな星が生まれる確率は10の4万乗分の1って聞いたんですけど、それって本当ですか?(東京都 ゆうきくん 11歳 小学5年生)
(回答した先生)荒井大作さん/株式会社アストロコネクト・代表
向井おにいさん:ゆうきくん、まだ聞きたいことはありますか?
― えっと、地球みたいな星が生まれる確率は10の4万乗分の1って聞いたんですけど(※)、それって本当だったりするんですか?
※天文学者のフレッド・ホイルが「地球上で生命が偶然に生まれる確率は10の4万乗分の1」と言いました。
荒井先生:「地球と同じような」というのが何を指しているかですごく変わってくるんですけど、まず、さっきのケプラー1649cもそうですが、地球と似たような星というのはおそらくそんなに珍しくなくて、そんなに低い確率でなく、あるんじゃないかと言われてはいます。
― へえーっ。
荒井先生:ただ、地球みたいに生き物が住んでいる星があるかとなると、途端に話は難しくなってきます。そもそも地球に生き物がいるというのも、すごくレアな状態なのかそれともそんなに珍しい出来事でもないのか、意見が分かれているんです。ですから、もし星の上に生き物が生まれるのがすごくレアケースだとしたら、ほかにも地球みたいに植物とかがいる星というのは、おそらくほとんどないということなっちゃうわけです。
― ええーっ。
荒井先生:たとえ地球と同じような大きさで、表面に海があっても、その星に生き物はいないとなると、それは「地球と似ている」ということにはたぶんならないんだと思うんですね、私たちからすると。
― ふうーん。
荒井先生:なので、やっぱり生き物がいるかいないかというのは、大きな差になってくると思うんです。
向井おにいさん:ゆうきくんは地球以外の星にも行って住んでみたいっていう気持ちがあるってことですか?
― まあ、あります。
向井おにいさん:ううーん! だからその可能性をいろいろ調べるのかもしれないですけど、今のところはなかなか難しい?
荒井先生:はい。ただ、今までの観測結果はそういうふうな話になっているんですが、それがここ数年でもしかしたら大きく変わるかもしれないと言われています。
― へええ。
荒井先生:それはなぜかというと、土星や木星の周りを回っている衛星という星があります。土星の衛星は表面が氷で覆われていて、今までは「氷で覆われているだけだ」ということで話が終わっていたんですけど、つい最近、この氷の下が全部溶けていて、水になっていることがわかってきたんですね。
向井おにいさん:うん。
荒井先生:さらに、その水は地球と同じような海水だったんです。その海水の成分をよく調べてみると生き物の材料になるようなものも含まれていたので、もしかしたら土星の衛星の氷の下にある海の中には生き物がいてもおかしくないんじゃないかという意見もあるんですね。だからケプラー1649cのように遠いところじゃなくても、土星の衛星のように比較的近いところに、見た目は地球とは全然違うんですけどその氷の下は地球の海と同じような環境がある星が最近見つかってきたので・・・
― ええーっ。
荒井先生:もしそこで、これから5年先、10年先、ゆうきさんが大人になった頃に、「土星の衛星の海の中に微生物がいました」なんていうニュースが流れた瞬間に、宇宙には生き物がいっぱいいるんじゃないかという考えのほうが多くなっちゃうと思うんですよね。
向井おにいさん:はあー、なるほど。
― へええ。
荒井先生:そうなったらもう今までとはがらっと変わるかもしれない。
向井おにいさん:はあ~(笑)。それぐらい宇宙って本当にわからないことだらけ。
荒井先生:わからないです。
向井おにいさん:ゆうきくん、今のお話を聞いていかがですか。
― 本当にたったひとつの小さい発見でも、地球に住んでるぼくたちにとってはすごく大きなひとつなんだなって思いました。
荒井先生:その通りだと思います(笑)。
向井おにいさん:ゆうきくんはしっかりしてますね、本当に。これからもぜひゆうきくんの視点で宇宙についていろいろ調べてみてください。
― はい。ありがとうございました。
向井おにいさん:ありがとうございました。ゆうきくんのポジティブなマインドというか、可能性を諦めていないのは大事だということですね。
荒井先生:そうですね。たったひとつの発見でがらっと変わるのは宇宙のことだけじゃなくて、ほかのところでもたぶんそうだと思うんですけれども、知らなかったことを知るだけでもがらっと変わるということがあって、宇宙に関しては本当にここ数年そういう発見があるので、彼が大人になったときには図鑑の中身もがらっと変わってるかもしれないですよね。
(回答者プロフィール)荒井大作さん。星の観察会や星空ツアーなどを開催している株式会社アストロコネクトの代表で、子どもたちに星や宇宙の魅力を伝えています。ユーチューブを使ったオンライン・プラネタリウムの配信や、星空を活かした地方創生なども行っています。
(TBSラジオ『パンサー向井の#ふらっと』より抜粋)