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市民病院で実習生がハラスメント被害訴え 院長「職員の指導を徹底する」

赤穂民報

赤穂市民病院が大学側に提出した文書。林晃史院長名で「改めて職員の指導を徹底する」などとしている

 赤穂市民病院が実習生からハラスメント被害を訴えられ、「改めて職員の指導を徹底する」と改善を約束する文書を実習生が在籍する大学に提出していたことがわかった。病院は赤穂民報の取材に「回答を控える」として、事案の詳細を明らかにしていない。

 被害を訴えたのは、言語聴覚士を志望して昨年7月から約2か月間、赤穂市民病院で実習した20代の男子学生。実習期間中、指導を担当した男性職員から、体に苦痛を与えられたり、体質を揶揄されたりするなどの言動を受けたという。また、実習に必要なカルテを閲覧するためのIDを教えてもらえず、そのことを別の職員に相談したところ、男性職員から「身分をわきまえて」と強い口調で叱責されたという。

 男子学生は被害を受けた都度、自身が通う大学の教員に報告していたが、病院側から具体的な改善策や謝罪はなかった。このまま問題がなかったことにされ、また新たな被害者が生まれることを危惧し、実習期間終了後に赤穂市の内部通報窓口にも通報したが、「実習生は内部通報の対象に該当しない」と取り合ってもらえなかった。

 この問題について赤穂民報は昨年12月、大学に取材を申し入れ。今年2月に病院に公文書開示請求したところ病院が今年1月21日付けで大学に対し「病院職員の指導・管理について(報告)」の件名で文書を発出していたことがわかった。

 文書は林晃史院長名義で、「当院では、ハラスメントの防止は実習担当者だけでなく院内全職員に共通する課題として指導してまいりましたが、貴学との協議を通じまして、改めて職員の指導を徹底する所存」「ハラスメント行為は懲戒処分の対象となり得ることを強く指導し、適切に人事管理を行ってまいります」などと記載。再発防止に取り組む意向は示されているが、男子学生への謝罪はない。

 病院は赤穂民報の取材に、「すでに大学側と実習生との間で解決済と認識しているため回答を控える」としてハラスメントの有無や具体的な内容について一切答えず、一般論とした上で「ハラスメントに該当するかどうかは、された側の受け止め方だけではなく、そのときの状況や周囲から見てどうだったかなどにより判断されるもの」(総務課)とした。また、大学は「取材にお答えできることはありません」とした。

 一方、男子学生は「私としては『再発防止に努めてもらうこと』かつ『内々で処理しないこと』を解決の条件にして対応をお願いしていたので、事実を明らかにせずに『解決済』とする病院の対応は残念です」とし、「臨床実習に関わる施設や病院、各養成校には、ハラスメントを受けた学生の相談に適切に対応する体制をつくってほしい」と話している。

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