いづも巳之助の一株コラム:「シャネル」の決算とジャパンブランドの今後
2024年12月期決算で「シャネル(CHANEL)」の売上高が3兆円を割り込みました。「シャネル」は中国でかなりマイナスだったんですね。この事実から、今後の日本での海外・国内ハイエンド商品の売上げを巳之助はどう予想するか?少し書きます。
カギはやっぱり、中国からのインバウンドの皆さんが、日本で買ってくれるかどうかで決まるなと最初は思っていました。中国の富裕層の購買は半端じゃなく、年間で2兆円弱くらい売上で群を抜いています。
昨年から、中国国内の消費が冷え込んで、中国国内の海外ブランドや日本の化粧品等は散々やられて、世界中大負けの企業が連発でした。
一方、国内に目を移すと、やや円高気味なのに4月の中国からのインバウンドの数は、昨年より43%過去最高で伸びています。エアーの増便が理由らしいですが、こんなにたくさん来日しているんだったら、当然、富裕層比率も上り、確率的にハイエンドは売れると予想するのが普通です。ところが、様々な国内外ハイエンドブランドの様子を聞くと、売上は横ばいか微減らしいです。
但し、ハイエンドではありませんが、国内では「無印良品」、「ジンズ(JINS)」、「オニツカタイガー(Onitsuka Tiger)」などのショップがインバウンドの皆さんで連日ごった返している状況や、北海道・東北・中部あたりの体験イベントがヒットしている事からも、信用のある人気メディアから、本音で評価する人気SNSを軸に旅行者の旅程の決定がなされるようになってきました。
そうやって考えると日本への期待というのは、段々と海外ブランドからバリバリのコンセプトのある日本らしさにシフトしてるといえるでしょう。
なぜなら、ブランド力で値段が吊り上がっているモノよりも、複雑な工程や希少価値がよく理解できるモノ・体験には、最近のインバウンドの皆さんが、金の糸目をつけなくなってきているからです。
ここに来て、モノ・サービスの対価が正直で、工程の透明度が高い日本独自の良さを見せつける時が到来したと思います。そこをアピールできれば日本企業のレベルが、益々上がりますね!
さあ、ハイエンドブランドの概念が変わりそうな気配が来ました!海外ブランドと国内ブランドの土俵は、ちょっと違うんですね(国技が相撲でよかった(笑))。まさにインバウンドの皆さんから、ジャパンブランドの在り方を教えられています。ますます国内株の選定が面白くなってきました。