【昭和の謎マナー】いまだに「フォークの背にライスを乗せる食べ方」ができない → 正しいマナーではなかった
「テーブルマナー」は大人になったら勝手に身につくものだと思っていたが、習熟度は中学生の頃から1ミリも上がっていない。覚えているのは、ナイフとフォークがたくさん並んでいる場合は外側から順番に使えばOK……とかそんなもんだ。
あと、食べ終わったらナイフとフォークを揃えて斜めに置くんですよね(それも調べたら国ごとに異なるらしい)。これくらいなら簡単なのだが「ライスをフォークの背に乗せて食べる技」だけは40代になっても全然できない。
つい先日も60代の先輩と洋食屋に行く機会があり、先輩はそれはもう驚くほど器用にナイフとフォークを操ってライスを食べていた。私もマネをして慎重にライスをフォークに乗せていると……先輩からまさかの一言が!
「マネしないでいいよ」
・マネではない
いや違う、私は先輩のマネをしたのかもしれないが、厳密には先輩のマネをしたわけではない。一般的なテーブルマナーに則ってライスをフォークの背中に乗せようとしただけだ。
「でも、こういう風に食べるのが正解なんですよね」と聞いたところ「普通に左手でライスをすくって食べればいいんだよ」と先輩。言い方的に「私はもうこのスタイルに慣れただけだから仕方なく……」というニュアンスが感じ取れた。
言われてみれば、たしかにフォークの背中にライスを乗せて食べるスタイルはやや古くさいというか昭和的な香りがする。オールドスタイル感が思いっきりにじみ出ているような。なんなら最近見ない気もするし。少し気になったので後から調べてみたところ……
・ライスの食べ方
やはりライスはフォークですくって食べるのが正解だという。フォークの背にライスを乗せて食べるスタイルは、かつて日本の洋食文化の中で広まった食べ方だそうだ。
となると、今の若い世代には全く浸透していないかも……と思い、知人女性(30代)に尋ねたところ「そんなギャグみたいなライスの食べ方知らない」とのこと。あまりにも奇抜過ぎるため、マナーの領域を飛び越えギャグの世界へと突入していた。
西洋ではライスを主食として食べる習慣がないため、こういったマナーはそもそも存在しないし、現在の国際的なテーブルマナーとしては推奨されていないという。言うまでもなく、フォークは「刺す」「腹(くぼみ)ですくう」が基本だ。
なので、ライスは左手のフォークですくうのが正解だそうだ。とはいえ、先述の先輩に伝えたところ「絶対NGではなく、相手に不快感を与えなければ問題なし」とのこと。ただライスが盛り付けられている平皿を、茶碗のように持ち上げるのはダメらしいぞ。
まとめると、フォークの背にライスを乗せるのは世界共通のテーブルマナーではなく、かつて日本で広まった昔ながらのスタイルということだった。
いわゆる和製マナーの1つで、ご年配の方にはなじみのある食べ方ということ。できない方は無理してマネせず、ライスはフォークですくって食べてください。現場からは以上です!
執筆:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.