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石川県のおいしいも、楽しいも!「今行ける能登」を味わってきた

さんたつ

【camell】今行ける能登_34

camelltown(https://camell.town/about)のメンバーが、現地で働く上司の協力を得て企画した、能登旅のレポートをご紹介します。ぜひ参考にしてみてくださいね!能登半島地震から1年強が経った2025年。「今行ける能登」を目指し、camelltownの仲間と能登の中部エリアを旅してきました! 土曜日の朝、金沢駅で待ち合わせをし、アテンドのお二方に運転をお願いしてレンタカーで行動しました。

『自家焙煎珈琲店 神音 -Kanon Kaffee-』

金沢駅から海を横目に走り始め、さらに山奥へ進むこと約1時間。最初の目的地は、羽咋(はくい)市の山間部・神子原(みこはら)地区にある『自家焙煎珈琲店 神音 -Kanon Kaffee-』です。

神子原地区について
神子原地区は「日本農業遺産」にも選ばれている棚田集落。能登の棚田といえば輪島市の「白米千枚田」も有名ですが、神子原で作られたお米はローマ法王に献上されたことで一躍有名になったんだそうです(仕掛け人は市役所職員らしくてびっくり!)。
『自家焙煎珈琲店 神音 -Kanon Kaffee-』を運営する武藤さんは岐阜から移住され、今は直売所「神子の里」を軸に配達・配食事業や営農にも携わる、神子原地区のキーパーソン。

ランチメニューは3種類のカレーから選ぶスタイル。どれにするかみんなでめちゃくちゃ悩みました。料理を待つ間に店内を撮影させていただくことに。カウンター、テーブル席、ソファー席、どこを切り取っても素敵すぎる空間! シャッターを切る手が止まりません!

キーマカレーはスパイスが丁寧に調合されたことが伝わるやさしい味と焼き野菜、あっという間に食べ進めてしまいました。さらにセットデザートも4つから選べ、バスクチーズケーキは濃厚でおいしかったです。もちろん、一番のこだわりのコーヒーも外せないですよね〜。

併設した宿『kanonstay』とサウナも撮影していいよ! と案内していただいたのですが、デザインと家具にこだわった2部屋はとても素敵で、「泊まりたい~!」の歓声が上がります。ここ、めちゃくちゃおすすめの場所です!

『高澤ろうそく店』

さて次の目的地のある七尾市は、羽咋市から車で1時間ほどの場所。七尾駅にほど近い一本杉通りは古い町並みが魅力の商店街だったのですが、このエリアは地震の影響が大きく、仮設店舗で営業しながら再建を進めている事業者さんも多くいらっしゃいます。『高澤ろうそく店』もそのひとつでした。

和ろうそくについて
西洋ろうそくは主にパラフィンから作られた蝋を使うのですが、和ろうそくは植物から取った蝋(例外はあるらしい)、和紙と灯芯(イグサの表皮を除いた部分)と真綿を用いて芯が作られていることに特徴があります。
七尾は北前船(江戸時代から明治時代にかけて、北海道〜大阪まで日本海を経由していた廻船)の寄港地でもあり、原材料の入手・ろうそくの出荷に有利な地だったことからろうそく作りが盛んになったそう。しかし、今では『高澤ろうそく店』が、石川県で唯一の和ろうそく生産者になっています。

仮設店舗で少し広くなったスペースでろうそく作り体験と絵付け体験をされていて、今回はろうそくの絵付け体験(1000円)をすることに。

こちらが商品になっている絵付けろうそく。

もともと、仏前にお花を供えるのが難しい冬期に花が描かれたろうそくで代わりを果たすものだったそう。今回は自由に絵付けしてみましょうとのことで、絵の具と水と筆、そして1本の和ろうそくを準備していただき、いざスタート!

最初は絵柄をどうしようかと悩んでいた私たちでしたが、絵の具を選んでいくうちにそれぞれの個性が現れて楽しくなってきました。「実はろうそく作りより絵付け体験の方がおすすめ」と店員さんがおっしゃられていた真意が分かった気がしました。

ろうそくに思い思いの色をつけている間に、あっという間に1時間近くが経過。出入りするお客さんが「今日は何かのイベント?」と店員さんに聞いていて、我々が会話のネタになっていたところにもほっこりしていました。

絵の具が乾いたらラッピングしていただいて体験終了です。ろうそくにこれだけ向き合ったことのなかった私にとって、こんなに頻繁にろうそく専門店に出入りするお客さんがいらっしゃることにも少し驚きが。長く愛されている高澤ろうそく店は、5月に再建工事を開始されるそうです。どんな姿になったのか、また訪れてみたいですね。

ろうそくは撮影用に特別に灯してくださいました。ろうそくの光って癒されますね。

『能登前寿司 千代ずし』

夜ごはんは『高澤ろうそく店』の方におすすめしていただいた、近くにある「能登前寿司」のお寿司屋さんへ。予算を伝えて予約をしておいたら、到着時にはすでにお寿司以外の料理が用意されていました! ホスピタリティがすごい!

能登前寿司について
今回は6000円のコースとして見繕っていただいたのですが、このエリアには「能登前寿司」というものがあります。能登前寿司と呼ばれる条件は3つ。
・地元の旬のネタを使っていること
・能登の里山で栽培したお米を使っていること
・2750円で提供していること

七尾駅周辺~和倉温泉街に対象店舗があるそうなので、ぜひ足を運んでみてください。

メインのお寿司はどれも絶品だったのですが、今年のホタルイカ漁が解禁されていてこちらもとってもおいしかったです!

『宿と小道具 iyooo』

今回、私たちはゲストハウス『宿と小道具 iyooo』さんで宿泊したのですが、まだ休業されている宿も多い中、一棟貸しをされている貴重な宿泊先です。和モダンを基調としたゲストハウスで、七尾駅から徒歩10分ほどとアクセスもよくて便利! 築100年以上の酒蔵をリノベーションしたカフェが併設されていて、歴史とモダンな雰囲気を両方味わえる素敵なお宿でした(オーナーのお父さまが大工さんでこだわりをもって2年かけてつくられており、内装には金沢美術工芸大学の学院生が関わってるそう!)。

ゲストハウスならではですが入浴設備がシャワーひとつだったので、宿から10分ほど歩いて銭湯の『弘法湯』へ。閉店間際にすべりこんだのですが、そんな時間でも思いのほか人が多くにぎわってました! きれいなお風呂で七尾の街のにぎわいを感じながら1日の疲れを癒やしたのでした。

リビングで6人ゆるりとくつろいだあとは屋根裏部屋で就寝。初日は現地の知り合いにアテンドをしてもらったのですが、翌日は自分たちで調べた場所へ旅します。さあ! どんな旅になるのか…楽しみです!

『うどん山口 七尾』

体力的には多少の疲れもあったのか、銭湯で身体がほぐれたのか、お宿の雰囲気が良かったのか(どれもかな?)昨晩はぐっすり眠れました。今回お宿は素泊まりで予約したので、朝ご飯をどうするか?  問題が。当初はみんなで近くのカフェに行く予定だったのですが、魅力的なうどん屋さんを見つけたので、3人ずつ二手に分かれて向かうことにしました。

こちらが徒歩15分ぐらいのところにある『うどん山口 七尾』さん。震災後にできた店舗で「営業中」の、のぼりのインパクトがすごいのですぐ気づきます。オープンは朝の7時からなのですが、7時半の時点でほぼ満席でした。大人気!!

朝からカメラをぶら下げた3人衆が来るとびっくりしますよね〜。撮影OKかお伺いしたら、店員さんもノリノリで応じてくださいました。めちゃくちゃ素敵な笑顔じゃないですか!?

セルフスタイルを売りにしているこのお店、まずは麺の量と冷・温を注文します。温の場合は自分で湯がくスタイル。温かいうどんは「いりこ」と「かつお」のふたつの出汁から、冷たいうどんは「いりこ醤油」とぶっかけ用の「いりこ出汁」から選んでうどんにかけます。さらに天ぷらなどのトッピングを選んだらお会計へ。
※お値段は壁に書かれている通り、1玉250円と激安! 天ぷらも充実していて各120円の多彩なラインアップ。お支払いは現金のみなのでご注意くださいね。

無料トッピングも充実していて、出汁を取ったあとのいりこで作ったいりこの佃煮や自分で切る小口ネギ、青唐辛子など、これだけでいくらでも食べられそう。

七尾の人の温かさとおいしいうどんに出会えて、胸いっぱいになる朝でした。

『自家焙煎喫茶 中央茶廊 アネックス』

『自家焙煎喫茶 中央茶廊 アネックス』に行ったグループからは、6枚も積まれたホットケーキの写真が送られてきました。見てください、この量! 1人では食べきれないので3人で分けたそうです。今は一本杉町の仮設店舗にて営業しているこのお店、1953年創業の老舗の喫茶店なんだそうで、元の店の写真を見るとめちゃくちゃレトロな店内が素敵! 店主さんの思いを知り、あの姿での再スタートを祈らずにはいられません、

『能登ミルク』

1日目の午後〜2日目の朝まで滞在した七尾駅周辺は、一本杉通りを中心に倒壊し再建を待つ建物、公費解体を待つ建物、解体するかを悩んでいる建物、すでに空き地になった場所……と、震災の影響を色濃く残す場所でもあり、メンバーそれぞれに思うことはあったようです。

でも、それぞれの店舗のにぎわいや、仮設店舗等でできることに全力で取り組まれている事業者さんなどを見て、きっと大丈夫! と、根拠はないんだけれどそう思ったのでした。正直「行く」ことにも少しの躊躇(ためら)いもあったりしましたが、行かなければわからないこともある。迎える準備ができている場所には、どんどん行って「知る」ことは大事だなって思いました。

朝ごはんを食べたあとは次の目的地へ行く予定だったのですが、かなりの雨の予報で「1時間ほどあとに来てください」との電話がありました。それでは……と、先にどうしても行きたかったお店へ向かうことにしました。

七尾市街地から車で20分ほど、電車だと1駅のところにある和倉温泉街。ここに、能登で生産された牛乳だけを使ったミルクスタンドがあるのです! 店舗がかわいすぎて早く撮りたいし、ジェラートの種類も豊富すぎて選べないし……みんなでワイワイ楽しんでしまいました。

私は能登ミルクと塩キャラメルのジェラートと、ホットミルクを。ミルクジェラートっていろいろなところで食べたことがあるけど、ここのミルクジェラートはめちゃくちゃ好みでした!!! 『能登ミルク』のフォントもレトロを意識しててめちゃくちゃかわいい!

ちなみに、あざとく小指をあげている壁のイラストですが、この小指が能登半島を表しているそうです。た、確かに!

めちゃくちゃ外観もかわいくないですか!?

和倉温泉も地震の被害を受けている場所で、有名な旅館『加賀屋』さんも再建予定だそう。確かにちょっと建物が傾いている気がしました。だんだんと再開した宿も増えてきたので、次に来る時には和倉温泉に泊まりたいな。

七尾湾のイルカウォッチング

能登ミルクにいる間は大雨だったのですが、天気予報どおり雨が落ち着いてきました! 和倉温泉のすぐ近くにある橋を渡って、能登島へ向かいます。「雨予報なので1時間ほどあとに来てください」と言われていたのは「イルカウォッチング」をするからでした。

七尾湾のイルカ
七尾湾には、イルカの群れが棲んでいるのご存じでしたか? 熊本・八代からやってきたと考えられているミナミバンドウイルカ2頭が七尾に棲みついて20年。今では18頭が確認されている群れになっていて、イルカウォッチングやドルフィンスイムなど、七尾のアクティビティの主役になっているのだそう。

朝からイルカがどのあたりにいるかを確認してくれていて、船に乗り込んでからものの数分で群れがいるところにたどり着きました。たしかにいる! 群れでいる!!!

シャッターチャンスが難しすぎたので背びれの写真ばかりですが、船のすぐ近くを泳いでくれたり、バブルリングが見られたりと、イルカたちのサービス精神? 旺盛! 1時間があっという間でした。

さらにイルカに夢中になっている間に青空も見えてきて、能登島の春の景色を楽しむことができました。

イルカのアクティビティを実施している事業者さんはいくつかあるのですが、今回利用した『I LOVE DOLPHIN』はカフェ『海とオルゴール』も運営されていたので帰りに寄ることにしました。海沿いにあって眺めも抜群。そして店内がかわいい! おしゃれなトロピカルジュースを頼み、当然のように撮影会が始まりました。

イルカは能登島側と和倉温泉側を移動しながら生息しているのですが、和倉温泉側の岸壁が地震の被害を受けているため護岸工事に入ってしまうのだそう。出航にかなりの支障が出るようですが、なんとか踏ん張ってほしい(工事は2年間を予定しているそうです)。次はドルフィンスイムがしてみたいな!

「道の駅 能登食祭市場(七尾フィッシャーマンズ・ワーフ)」

カフェにも寄ったので超絶時間が押してしまいました! ずっと食べている気もしますが、お昼ごはんもちゃんと食べますよ!! 訪れたのは、七尾湾の豊富な海の幸を浜焼きでいただける「道の駅 能登食祭市場(七尾フィッシャーマンズ・ワーフ)」。

浜焼きセットに牡蠣を追加しても、なんと1人1800円!! リーズナブルなのもうれしいですよね。リーズナブルでもこの大きさと量! めちゃくちゃすごくないですか?

この時期は牡蠣が旬らしく! 牡蠣は殻のまま焼く方法と、昆布の上で身を焼く方法の2通りでいただきました。昆布の上で焼くのが本当においしかった……。

他店舗で買ったお寿司やカニ汁の持ち込みも可能なので、市場内のおいしいものを余すことなく堪能する……! という楽しみ方もできます。

さらに食祭市場を拠点に七尾湾の周遊船も運行しているそうで、カジュアルに海を楽しむならここの周遊船もおすすめですよ。

「千里浜なぎさドライブウェイ」

さて、旅はあっという間に2日目の夕方に。金沢へ向かう道中に、絶対に逃せないスポット「砂浜を走れる道路」の「千里浜(ちりはま)なぎさドライブウェイ」に立ち寄ります。砂浜を車で走れる場所は日本でここだけ、世界でも3カ所だけと言われている貴重な場所なのです。すぐ近くの「道の駅 のと千里浜」には、タイヤシャワーが備え付けられているので安心ですね。

海や風の状況によっては通行不可の時もあるので、行かれる際は直前に状況確認することをおすすめ!
【観光道路情報(https://douro.pref.ishikawa.lg.jp/)】で規制状況をチェック!

一泊二日の「今行ける能登」旅、無事に金沢まで戻ってきました。実は今回初めて企画する泊まりイベントのアテンド役を上司に依頼する! ……という、我ながら破天荒な企画っぷりに正直当日までどきどきしていたのですが、気さくな上司たちと全力で楽しんでくれたメンバーのおかげで、本当にやってよかったなあ、と終わってから胸がいっぱいになりました。

ぜひみなさんも「今行ける能登」のホームページを参考に、能登へ旅してみてくださいね。

最後の記念写真は「ノトミルクポーズ」で。

おまけ・今回の情報源

まだまだ地震の影響が残る能登エリア。今回の旅での情報源をシェアしておくので、能登旅に興味を持たれた方は最新情報を調べつつ、ぜひ「今行ける能登」に訪れてみてください。

📍 石川県観光公式サイト「今行ける能登」
デジタルマップで今行けるスポットや交通情報を紹介しています。このデジタルマップで最初の候補を洗い出しました。
https://www.hot-ishikawa.jp/notofukko/index.html

📍 「能登デスクさん」(Xアカウント)
金沢駅の観光案内所に能登半島広域観光協会が運営する能登専門の案内デスクがあり、その方が運営されているアカウント。いつも明るく、能登エリアの発信をされてらっしゃいます。
https://x.com/notodesk?s=21&t=uooY_KyOyndoaMaV68qHKg

📍「yoshihara/能登グラファー」(Xアカウント)
能登を撮るアカウント。今回はタイミングが合わず断念した「能登鹿島駅」の桜など、美しい能登を楽しめます。
https://x.com/mojicamera?s=21&t=uooY_KyOyndoaMaV68qHKg

取材・文・撮影=camell編集部

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